賀曽利隆の観文研時代[64]
下関(6) 1976年 下関を歩く 下関滞在の3日目は下関駅前から火の山まで歩いた。 海峡の町らしく、下関の町並みは関門海峡沿いに細長く延びている。源平の合戦で有名な壇の浦で山は海に落ち、町並みは途切れる。その先にあ […]
生涯旅人、賀曽利隆の旅日記
下関(6) 1976年 下関を歩く 下関滞在の3日目は下関駅前から火の山まで歩いた。 海峡の町らしく、下関の町並みは関門海峡沿いに細長く延びている。源平の合戦で有名な壇の浦で山は海に落ち、町並みは途切れる。その先にあ […]
下関(5) 1976年 崑崙丸の悲劇 細江の旧下関駅前からまっすぐ山の手に上がっていく。 長い石段を登ると、上は日和山公園。そこには高杉晋作の像と崑崙丸の慰霊塔が建っている。 崑崙丸は昭和18年に就航した最新鋭の関 […]
下関(4) 1976年 旧下関駅 翌日、下関駅が細江にあった頃の話を聞きたくて、もう一度、細江に行った。 ちょっと迷った末に、下関警察署に入った。 「あの…、関釜連絡船が行き来していた頃の、元の下関駅の話を聞きたいの […]
下関(3) 1976年 アジアの十字路 徳山の松野書店で見せてもらった本や雑誌の中に、『日本の関門』という下関発行の月刊誌があった。大正5年の5月号には、「内地・満州主要列車時刻表」がのっていた。 東京発下関行の列車 […]
下関(2) 1976年 関釜連絡船 下関駅に着いて真っ先に行ったのは旧下関駅である。 昭和17年に関門海底トンネルが完成したが、それまではまさに本州の終着駅であり、朝鮮、満州への玄関口になっていた。 現在の下関駅 […]
下関(1) 1976年 下関に行きたい! 本州西端の町というだけで下関には憧れる。地の端というのは人の心をひきつけてやまない何かがあるようだ。 アフリカ大陸最南端のアグラス岬を思い出す。岩のゴツゴツした岬の先端に大洋 […]
常願寺川(26)立山登山(6) 2019年 翌朝は夜明けに起き、立山を眺めたあと、雷鳥沢温泉の朝湯に入る。 「いや〜、気持ちいい!」 湯から上がると「雷鳥沢ヒュッテ」のまわりをプラプラ歩いた。そこでは前日の立山山頂に […]
常願寺川(25)立山登山(5) 2019年 立山山頂の雄山神社を出発。登りではさんざん苦しみ、苦労したが、下りは楽だった。 一ノ越から室堂まで下ると、そこからはみくりが池を通って今晩の宿の「雷鳥沢ヒュッテ」へ。 「雷 […]
常願寺川(24)立山登山(4) 2019年 一ノ越の「一ノ越山荘」を出発し、立山の山頂に向かって登り始める。 立山は雄山(3003m)、大汝山(3015m)、富士の折立(2999m)の3峰から成っているが、目指すのは […]
常願寺川(23)立山登山(3) 2019年 標高2450メートルの室堂から歩き始める。その前に「登山計画書」を提出した。人生70余年にして初めての経験。そのあと「ますずし」のおにぎりを食べた。 「立山」碑の前から立山の […]
常願寺川(22)立山登山(2) 2019年 富山地方鉄道の立山駅ではトドデスさんとチョビデスさんの二人と落ち合った。二人はカソリの立山登山をサポートしてくれるのだ。とはいってもこの時点では、立山の山頂まで登れるだろうか […]
常願寺川(21)立山登山(1) 2019年 観文研(日本観光文化研究所)の『あるくみるきく』の「常願寺川」取材から44年後、ついに立山登頂の日を迎えた。 2019年7月26日5時、ひと晩泊った亀谷温泉「白樺ハイツ」を […]
常願寺川(20)滑川のホタルイカ(4) 1985年 大浦さんは時間をかけて、ホタルイカ漁の定置網の話をしてくれたが、最後に、「自分の目で見るのが一番だ」 と言って、翌朝の4時に港に来れば、ホタルイカ漁に連れていってあげ […]
常願寺川(19)滑川のホタルイカ(3) 1985年 「ホタルイカ三昧」の朝食をいただいたあと、大浦さんにホタルイカの定置網の話を聞いた。 ホタルイカの定置網は図のようなもので、それを毎日、早朝に揚げる。 図のうち、身 […]
常願寺川(18)滑川のホタルイカ(2) 1985年 「ホタルイカ漁についてもっと知りたいのなら家に来なさい」 漁船の持ち主の大浦甚太郎さんにそう言われて、滑川漁港近くのお宅を訪ねた。 「まずは腹ごしらえから。話はそれか […]
常願寺川(17)滑川のホタルイカ(1) 1985年 観文研(日本観光文化研究所)の月刊誌『あるくみる聞く』(第114号)の「常願寺川」取材から10年後の1985年には、富山湾のホタルイカ漁を見るため、常願寺川河口近くの […]
常願寺川(16) 3度目の常願寺川は5月(1976年)に行った。立山アルペンルートで立山を越えるのが一番の目的だ。 立山アルペンルートは5月15日に全線が開通するので、5月14日の夜、東京を出発。前回と同じ、「急行能 […]
常願寺川(15) 岩峅寺の集落を歩きまわると、ふたたび雄山神社の前立社壇に戻った。 雄山神社の社殿は常願寺川のすぐ脇、小高い段丘の上に建っている。岩峅寺は扇状地の扇の要に位置している。 雄山神社からは常願寺川に降り […]
常願寺川(14) 国鉄富山駅の隣には、富山地方鉄道の電鐵富山駅がある。富山地方鉄道、通称地鉄は富山平野の主要な交通機関。本線は富山から上市、滑川、魚津、黒部を通り、黒部川沿いの宇奈月温泉に通じている。本線のほかに上滝を […]
常願寺川(13) 2度目の常願寺川は翌年(1976年)の3月。最初の常願寺川で一番心に残ったのは芦峅寺だ。そこで聞いたり見たりした「立山信仰」にきわめて日本的なものを感じ、芦峅寺と並ぶもうひとつの立山信仰の拠点の岩峅寺 […]