賀曽利隆の観文研時代[110]
西原の麦食(4) 1986年 甲州の山村、西原の小麦の食べ方はうどんと饅頭だ。 うどんは甲州名物の「ほうとう」のことだが、ほうとうは同じ甲州でも笹子峠を越えた甲府盆地を中心とする国中地方の呼び名で、西原を含めた郡内地 […]
生涯旅人、賀曽利隆の旅日記
西原の麦食(4) 1986年 甲州の山村、西原の小麦の食べ方はうどんと饅頭だ。 うどんは甲州名物の「ほうとう」のことだが、ほうとうは同じ甲州でも笹子峠を越えた甲府盆地を中心とする国中地方の呼び名で、西原を含めた郡内地 […]
西原の麦食(3) 1986年 甲州の山村、西原での大麦の食べ方は、次のようなものだ。 一番よく食べられたのは、麦粥の「オバク」だ。搗いて精白した麦を4、5時間、麦の一粒一粒がふやけて粘り気が出てくるまで炊く。 オバ […]
西原の麦食(2) 1986年 甲州の山村、西原の食を支えた雑穀、芋、麦の3本柱の中でも、とくに麦の占める比重は高かった。 昭和30年代以降、米が主食になってからというもの、西原での麦栽培は激減したが、それ以前はほとん […]
西原の麦食(1) 1986年 観文研(日本観光文化研究所)の企画編集による『日本の郷土料理・全8巻』(ぎょうせい刊)では、麦食をテーマにして、山梨県上野原町(現上野原市)の西原(さいはら)を訪ねた。 西原は四方を山々 […]
甲州の小正月(2) 1986年 小正月の1月14日に山梨県内の甲州街道(国道20号)を行くと、夕刻から夜にかけて、あちこちで正月の御飾りを焼くどんど焼きを見る。 大月市の初狩では笹子川の河原でどんど焼きをしていたが、 […]
甲州の小正月(1) 1986年 観文研(日本観光文化研究所)の企画編集による『日本の郷土料理・全8巻』(ぎょうせい刊)では、年中行事の一例として甲州の小正月行事を見てまわった。 小正月とは1月15日、もしくは1月14 […]
日向山地の猪狩りと祭り(3) 1986年 銀鏡神楽が終わったあとのことだが、銀鏡の猪狩りに同行させてもらった。 勢子2人とマブシ1人の3人での共同猟。全部で8頭の猟犬を連れていく。 猟師たちは作業着と地下足袋という […]
日向山地の猪狩りと祭り(2) 1986年 銀鏡神楽の翌日は、「シシバ祭り」と呼ばれる狩法神事がおこなわれる。 まずは前日のシシトギリで使われたモリの柴を刈る。オタドコのオタギにするためのものだ。オタドコというのは獲っ […]
日向山地の猪狩りと祭り(1) 1986年 九州山地の奥深くに位置する宮崎県の米良(めら)は、かつては椎葉や五家荘とともに、「九州の三大秘境」といわれたほどの山村だ。 米良は東米良と西米良に分かれる。東米良は西都市の一 […]
長崎の築町市場を歩く(4) 1986年 築町市場の界隈を歩いていて、もうひとつ目を引かれたものがある。それはクジラだ。 鯨肉専門の問屋があり、鯨肉専門の精肉店があった。 「鯨肉」の看板を掲げた鯨肉専門の精肉店「井上商 […]