讃岐うどん(2)
1986年
讃岐人のうどん好きはきわだっている。「うどん王国」の讃岐だけあって、香川県には「さぬきうどん研究会」といううどんの研究会がある。会報の『讃岐うどん』の最新号(1986年)によると、日本人、一人あたりのうどんの消費量は、香川県が飛びぬけて多い。
うどんの消費量の多い県のベスト5と、年間の一人あたりのうどんの消費量は次のようなものである。
1位 香川県 120玉
2位 群馬県 41玉
3位 佐賀県 38玉
4位 埼玉県 37玉
5位 山梨県 35玉
反対にうどんの消費量の少ない県は、千葉県(8玉)、岩手県(9玉)、茨城県(10玉)、新潟県(11玉)、長崎県(12玉)となっている。
香川県全域で5000人を対象にしたアンケート結果も興味深い。
うどんの好き嫌いにについては、「大好き」が44.3パーセント、「まあまあ好き」が48.9パーセントで、9割以上の人が「好き」と答えている。「やや嫌い」は5.1パーセント、「大嫌い」は0.4パーセントで、「嫌い」と答えた人は5パーセントほどでしかない。
うどんを食べる回数では、「毎日食べる」が11.7パーセント、「週に数回食べる」が42.3パーセントで、5割以上の人はほぼ、毎日、うどんを食べている。
好きな食べ物でもうどんは第1位で29.1パーセント、次いでご飯が19.8パーセント、すしが17.6パーセント、ラーメンが11.4パーセント、カレーライスが8.0パーセント、パンが6.2パーセント、そばが6.1パーセントとなっている。
このアンケート結果でぼくの目を引いたのは、うどんを主食として食べていると答えた人が64.2パーセントもいるということだ。讃岐でのうどんの持っている重要性がこの数字から読みとれる。
アンケートにはうどんの入手先の項目もあった。
うどん製造所が31.8パーセント、スーパーマーケットが31.2パーセント、小売店が25.1パーセント、ときどき自家製の手打ちうどんをつくるが8.3パーセント、おもに自家製の手打ちうどんをつくるが1.9パーセントで、じつに1割以上の人は家でうどんを打っている。
また、うどんを買い求める先も、うどん製造所がトップで、より質の高いうどんを買い求めようとする讃岐人のうどんに対する姿勢がよくわかる。
このようなうどん大好きの讃岐人が、「うどん王国・讃岐」を支えているのだ。