讃岐うどん(3)
1986年
「讃岐うどん」の食べ歩きは、高松から始まった。
高松の町を歩いていて目につくのは、「うどん」、「手打ちうどん」、「讃岐うどん」、「饂飩屋」といった、うどんの看板を掲げた店の多いことだ。東京ならばあたりまえに見られる「そば屋」の看板はほとんど目に入らない。
高松では朝、昼、夜と1日3食、うどんを食べた。
何軒もの「うどん屋」に入り、老舗の「かな泉」や「宗平」にも入った。
「釜揚げうどん」や「きつねうどん」、「あなごうどん」…と讃岐うどんを食べ歩いたが、炎天下を歩いて、歩き疲れて食べた「冷やしうどん」や「ざるうどん」のさっぱりした味は忘れられない。
「さ、また歩こう!」
という元気を与えてくれた。
高松駅の駅構内でも讃岐うどんを食べた。
店のメニューは次のようなもの(1986年当時)だ。
かやくうどん 220円
冷やしうどん 220円
きつねうどん 240円
月見うどん 250円
天ぷらうどん 330円
肉うどん 380円
このようにメニューはうどん一辺倒だ。
東京の駅構内の「立ち食いそば店」だったら、そばとうどんを食べられる。ところが、高松駅の「立ち食いうどん店」で食べられるのはうどんのみ。そばは食べられない。
ここでは一番安い「かやくうどん」を食べた。
竹輪と鳴門が入っただけのシンプルなものだが、よけいなものが入っていないだけ、うどんの味の良さがひときわひきたっていた。