2011年5月28日
媽姐廟で台湾の精神文化に触れる
斗六のレストラン「阿國獅」での昼食を終えると出発。ここでも3人の若きライダーが待ち構えていて、一緒に台南まで同行させてほしいという。
「いいですよ。どうぞ、どうぞ!」
斗六から新港へ。その途中では「国家廣播文物館」を見学。ここは台湾の「国立ラジオ博物館」だ。日本時代の建物をそのまま博物館にしたもので、日本時代の放送局の主任、山本正三氏を中心にして、日本人とおぼしき軍服を着たスタッフの写った写真が目立つところに展示されている。このあたりがまさに台湾。平気で、というか、敬意を払って日本時代のものを残し、それを評価してくれている。
台湾を旅すると、どうしても韓国と比較してしまうが、同じように日本に支配された韓国では日本時代は絶対的な「悪」。日本時代の遺産を博物館にするなんて、韓国では考えられないことだ。
日本語を話す館長さんの案内で館内を見てまわったが、館長さんは我々が出発するときはわざわざ玄関まで出て見送ってくれた。
新港に到着すると、奉天宮へ。ここは「新港媽姐」と呼ばれ、媽姐をまつっている。媽姐は台湾人の大好きな女神。媽姐をまつるは媽姐廟は台湾中に数多くある。
媽姐は宋代に実在したといわれる女性。霊力によって海難救助をしたということで航海の女神といわれている。台湾にとどまらず、近隣のアジア諸国にも媽姐廟はある。日本の三大中華街、長崎、神戸、横浜にもある。
奉天宮の建立は1622年。台湾でも最古の媽姐廟だ。
新港からは、すぐ近くの北港へ。町の中心にある朝天宮を参拝。ここは「北港媽姐」と呼ばれているが、1694年に建立された媽姐廟。「新港媽姐」を分祀したものだといわれている。媽姐像だが、その両脇は千里眼と順風耳の大きな2体の像で護られている。そのほか媽姐の分身像7体などもまつられている。本尊のみならず、それら分身像などにも線香をあげていく。新港、北港をめぐると、台湾の精神文化に触れたような思いにとらわれる。
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