2024年10月16日

梅花小学校を訪問する

 台湾山中の小錦屏野渓温泉を後にすると梅花村に戻ってきた。ツバメが元気に飛び交っている。伊勢原の我が家からは今年、10羽のツバメが巣立っていったが、それが梅花村を飛んでいるかもしれないなどと思うのは楽しいことだった。

 梅花村の地区センターに隣り合った梅花小学校を訪問する。正門の前には「歓迎 台鈴工業」と「歓迎 日本達人騎士」と書かれた立看板。それには最後に「Lokah ta kwara」と書かれている。梅花小学校は山地民タイヤル族の村。「Lokah ta kwara」はタイヤル語で歓迎の意味かもしれない。ちなみにタイヤル語の「こんにちは」は「ロカスー」、「ありがとう」は「マウホワイショ」だという。

 正門前にVストローム250SXをズラリと並べて記念撮影したあと、バイクを駐車場に移すと、我々は小学校の講堂に案内された。舞台では民族衣装に着飾った生徒たちがタイヤル族の歌を唄ってくれ、タイヤル族の民族楽器での演奏を聞かせてくれた。素晴らしい歌と演奏。胸が熱くなるほど感動した。

 生徒たちの歌と演奏が終わると、台鈴の李さんが今回の台湾旅や賀曽利隆の紹介をしてくれた。それが終わると、カソリへの質問タイム。好奇心旺盛な生徒の皆さんからは次々と質問が飛んでくる。

 そのあとは校庭の一角にあるタイヤル族の民俗村といった趣の建物群を見せてもらった。生徒が案内役でひとつづつの建物を説明し、タイヤル族の昔からの生活ぶりを話してくれた。高床式の穀物倉には鼠の被害を避けるための「ネズミ返し」が作られているが、日本の南島と同じ文化圏だと強く感じた。

 校長室では校長先生からうれしい贈り物をいただいた。タイヤル族の背負籠と背当てのミニチュア。驚いたことに校長室にはタイヤル族の背負籠や笊、臼と杵などが置かれてあった。校長先生は背負籠を背負って見せてくれた。

 給食の時間になると、食堂で生徒の皆さんと一緒に具だくさんの麺をいただいた。それにはパンとリンゴがついている。梅花小学校での何とも楽しい時間。午後の授業の始まる前に、校長先生や先生方、生徒の皆さん全員の見送りを受け、SXのエンジンを始動させると梅花小学校を離れていくのだった。