能登半島を行く[67]

2024年6月10日 – 11日

早朝の輪島を歩く

 翌朝は夜明けとともに輪島の町を歩いた。「ルートイン」近くの倒壊したビルを見て、朝市通りを歩いたが、人影はまったくない。無人の荒野を行くようなものだ。大火事の惨状を見たあと、河原田川に出た。大火はこの川で止まった。川にかかる「いろは橋」を渡って輪島漁港へ。

 漁港は大地震の影響で地盤が隆起し、漁船は海に出られない。海岸線の隆起が「能登半島地震」の大きな特徴だ。ここでは舳倉島航路のターミナルに行ってみる。舳倉島には式内社の奥津比咩神社があるのだ。しかし舳倉島航路の船は運休中で再開はいつになるかわからないという。残念ながら諦めるしかない。運航が再開されたらすぐにでも舳倉島に渡ろうと決めた。

 ここで朗報。奥津比咩神社は輪島漁港のすぐ近くにもあるという。さっそく行ってみたが、すさまじいやられ方。鳥居は倒れ、玉垣は崩落している。それでも拝殿は残った。扁額には誇らしげに「式内 奥津比咩神社」と金文字で書かれている。

 輪島漁港からは国道249号で輪島の中心街を歩き、「ルートイン」に戻った。