日本16端紀行[10]

2019年9月20日

房総半島の岬めぐり

 第10日目の9月20日。午前5時に伊勢原を出発。いよいよ今日が「西日本編」の最終日だ。

 平塚から国道134号で鎌倉、逗子を通って三浦半島に入っていく。久里浜港7時20分発の「東京湾フェリー」に乗って対岸の金谷港へ。8時には金谷港に到着だ。

 金谷からは国道127号を南下し、房総半島の岬めぐりを開始する。

 第1番目は房総国境の明鐘岬。あまり意味を考えないで「房総」を使っているが、「房総」は北の上総と南の安房の合成語(総国が二分されて上総と下総の2国になった)。房総国境は鋸山から清澄山につづく房総丘陵の稜線。この房総国境を越えて安房に入ると、日の光が強くなり、山々の緑は濃くなる。

 それにしても国道127号沿いの光景はすさまじいものだった。台風15号で屋根を飛ばされたり、屋根を破損された家々がつづく。多くの家々の屋根にはブルーシートがかけられている。台風15号から何日もたっているのに、いまだに停電がつづいてる。「災害派遣」の自衛隊の車両が国道127号を頻繁に往来している。

 8時45分、館山に到着。このあたりが台風15号の被害を一番、受けたように見える。今年は千葉県にとって最悪の年になってしまったが、台風15号のみならず、この後の台風19号、台風21号でも甚大な被害を受け、トリプルパンチをくらってしまった。

 館山からは海沿いの県道257号で房総半島南西端の洲崎へ。東京湾岸の「内房」と太平洋岸の「外房」はここで分かれる。岬はこのように大きな境目。灯台からは三浦半島や伊豆半島、伊豆大島、富士山を眺める。

 洲崎の灯台も台風15号で大きな被害を受けて修理中。灯台入口の「森田屋商店」は休業中だ。屋根瓦が飛ばされ、屋根にはブルーシートが張られている。洲崎に来ると、いつもここで自家製の「ところてん」を食べていたので残念…。洲崎の周辺では「ところてん」の原料となるテングサがよく採れるのだ。

 洲崎近くの洲崎神社は安房の一宮。急な石段を登って参拝する。境内の御手洗山は斧のまったく入らない自然林。山の下半分はシイやカシ、上半分はヒメユズリハなどの照葉樹林に覆われ、光り輝く緑をつくっている。この御手洗山は千葉県でも一番といっていいほどの自然林の山になっている。

 洲崎から外房海岸の房総フラワーラインを走り、国道410号に出る。この交差点近くにある安房神社も安房の一宮だ。