第4弾 小名木川

小名木川を歩く

「小名木川探訪」の出発点は地下鉄(新宿線と大江戸線)の森下駅。駅前の森下交差点から新大橋通り→万年橋通りを歩いて、小名木川にかかる萬年橋へ。

 小名木川は「江戸探訪」の第1回目でもふれたように、隅田川と中川をつなぐ江戸幕府の開削した運河。小名木川にかかる萬年橋は葛飾北斎の『富嶽三十六景』でよく知られているが、大勢の人が行きかう萬年橋越しに富士山が見えている。

 小名木川は江戸の物流の大動脈で、萬年橋の北詰には「川船番所」が置かれた。その案内板には次のように書かれている。

 川船番所は幕府によって設けられた番所で、萬年橋の北岸に置かれ、川船を利用して小名木川を通る人と荷物を検査しました。設置の年代は明らかではありませんが、正保4年(1647年)に深川番の任命が行われていることから、この頃のことと考えられています。

 江戸から小名木川を通って利根川水系と結ぶ流通網は、寛政年間(1624〜1644年)にはすでに整いつつあり、関東各地から江戸に運ばれる荷物はここを通り、神田や日本橋など江戸の中心部に運ばれました。こうしたことから江戸への出入口として、この地に川船番所が置かれました。建物の規模などは不詳ですが、弓と槍がそれぞれ5本ずつ装備されていました。

 明暦3年(1657年)の大火後、江戸市街地の拡大や本所の掘割の完成などに伴い、川船番所は寛文元年(1661年)に中川口に移り、以後、中川番所として機能するようになり、当地は元番所と通称されるようになりました。

 萬年橋から小名木川に沿って中川口まで歩いていく。小名木川の桜並木はまもなく開花する頃のことだった。(つづく)

森下の交差点を出発
隅田川と小名木川の分岐点
萬年橋を描いた葛飾北斎の「富嶽三十六景」
小名木川の水門
小名木川の水門の案内板
小名木川の桜並木を歩く
小名木川の桜はまもなく開花