2024年10月25日

日本の要の位置にある

 2024年10月25日1時30分、伊勢原を出発。伊勢原大山ICから新東名→圏央道→関越道と真夜中の高速道を突っ走る走る。相棒はスズキのVストローム250SX。赤城高原SAでコーヒータイム。ブラックの缶コーヒーを飲んだ。

 4時30分、小出ICに到着。ここは1週間後には「魚沼IC」に変わるので、「小出IC」の見納めだ。小出の国道17号沿いの「すき家」で朝定を食べ、魚沼市内の妻の実家へ。そこでも朝食をいただいた。この季節ならではのキノコ料理(アマンダレ)が美味。

 7時30分に小出ICを出発し、長岡JCTで北陸道に入る。

 8時30分、名立谷浜SA(新潟)着。

 9時30分、有磯海SA(富山)着。

 11時30、尼御前SA(福井)着。ここで昼食。「ぶり漬重」を食べた。

 敦賀ICに到着したのは13時。伊勢原大山ICから714キロだ。

 敦賀からは国道27号を行く。敦賀の市街地を抜け出ると、旗護山のトンネルに入っていくが、ここが越前と若狭の国境。トンネルを抜け出ると若狭になる。福井県は北の越前と南の若狭の旧2ヵ国から成っている。

 若狭は旧国で見るとじつにおもしろい。日本の要のような位置にあるのだ。「五畿七道」の北陸道最南の国だが、東山道の近江、山陰道の丹波、丹後と接し、畿内の山城にもきわめて近い。そんな若狭をこれから見てまわろうと思う。

 「さ〜、『若狭探訪』の開始だ!」

 丹後街道の国道27号で美浜町から若狭町に入り、若狭町の中心、三方の信号を右折する。この道は国道162号になる。JR小浜線の跨線橋を渡ってすぐのところにある「みかた温泉きららの湯」(入浴料650円)でSXを止める。ここは我が懐かしの温泉。大浴場と露天風呂の湯にどっぷりつかった。伊勢原からの長旅の疲れもその瞬間に吹っ飛んでいく。温泉効果は抜群だ。内風呂の源泉湯は薄茶色で味が濃い。

「みかた温泉きららの湯」ですっきりさっぱりしたところで国道162号をいく。道の駅「三方五胡」で小休止。三方五胡は三方(みかた)、水月(すいげつ)、菅(すが)、日向(ひるが)、久々子(くぐし)の5湖から成っているが、目の前にはそのうちの三方湖が広がっている。

 三方湖の湖畔には梅林がつづくが、ここは日本海側では最大級の梅の産地。道の駅「三方五湖」には何種もの若狭梅の梅干が並んでいる。その先の「梅の里会館」でも若狭梅の各種梅製品が売られている。まさにこの一帯は「梅の里」だ。

 国道162号と県道216号の分岐は右へ、常神半島に入っていく。県道216号沿いには何軒もの梅干の店を見る。湖岸には茅葺の舟小屋がある。明治から昭和の中頃にかけてのことだ。この地方特産の青梅を舟に積み、女性が艪(ろ)をこぎ櫂(かい)をかき、「梅売り唄」を歌いながら美浜や敦賀に売りに出ていた。

 右手に見える湖は三方湖から水月湖に変わった。絶景ルートのレインボーラインとの分岐を過ぎたところには、三方五湖の遊覧船乗場がある。その遊覧船乗場の近くに今晩泊る「湖上館PAMCO」がある。

「湖上館PAMCO」から県道216号で常神岬へ。塩坂越のトンネルを抜け出ると若狭湾が見えてくる。鮮やかな風景の変化。常神半島を北上し、遊子、小川、神子と若狭湾の漁村を通り過ぎ、常神岬の常神に到着。沖合には埋蔵金伝説の伝わる御神島が浮かんでいる。山がストーンと海に落ちたような地形の常神岬。山上には灯台がある。ここを折り返し地点にして来た道を引き返し、「湖上館PAMCO」まで戻った。北陸道の敦賀ICからここまでは52キロ。まずは「常神半島の往復」だ。