2011年5月30日

台湾のシンボル「玉山」は雲の中

 阿里山登山口の「十字路」(国道3号と国道18号の十字路)から国道18号で阿里山を登っていく。TEKKENは急勾配の山道をスイスイ登っていく。たいしたものだ。

 高度を上げると、台湾の銘茶「高山茶」の産地に入っていく。山肌は一面、きれいな茶畑。日本でいえば大井川流域の「川根茶」の産地を思わせる山村の風景。この一帯の中心地、石棹に到着。国道沿いには「高山茶」を売る店が並んでいる。

 石棹はほぼ北回帰線上の町。コンビニの「ハイライフ」で小休止。犬が入口で気持ちよさそうに寝ているところが、いかにも山中のコンビニらしい。

 カソリは缶コーヒーを飲んでひと息入れる。李さんは缶コーヒーとおにぎりだ。

 さー、ここからが阿里山の本番だ。

 石棹の町から「阿里山森林遊楽区」に向かう。ここが阿里山観光のメイン舞台。北回帰線よりもわずかに北の国道18号を登っていく。切り立った断崖を縫う道。転落したらはるか下の谷間に真っ逆さまだ。慎重にTEKKENを走らせる。「阿里山森林遊楽区」への道は途切れることなく、延々とつづく大型観光バスで大渋滞。これらの大型観光バスは大陸からの中国人観光客を乗せている。

 数珠つなぎになった観光バスを追い抜き、「阿里山森林遊楽区」の料金所に到着。驚いたことにゲートの先も大渋滞。すごい数の観光バスだ。

 しばらく待って台鈴の李さんが運転するサポートカーがやってきた。

 渋滞のあまりのすさまじさに李さんは「カソリさん、ここはやめましょう」といった。残念だが仕方ない。また次の機会に「阿里山森林遊楽区」はまわるとしよう。

 ということで国道18号をさらに登る。阿里山の祝山(2400m)の山頂近くを通っていくが濃霧に突入。濃霧を走り抜けると、台湾ザルのお出迎えだ。

 台湾の最高峰、玉山(3952m)を中心とする「玉山国立公園」に入ったところで、TEKKENを停めた。「玉山国立公園」の石碑前で写真を撮っていると、1台の車が停まり、何と乗っていた台湾人の女性に「カソリさんですか!」と声をかけられた。うれしい台湾人女性との2ショット写真。彼女とは握手して別れ、標高2622メートルの「塔塔加遊憩区」に到着。ここで国道18号は終点になる。

「塔塔加遊憩区」の展望台に立ち、台湾山脈の主峰群を眺める。晴れていたが、残念ながら3000メートル級の山々には雲がかかり、台湾の最高峰、玉山(3952m)は見ることができなかった。雲がかかっていなければ、ここからは玉山前峰(3236m)、玉山西峰(3528m)の奥に玉山を見ることができる。

 台湾の1000元札の裏面に玉山が描かれているが、玉山はまさに台湾のシンボル。塔塔加はそんな玉山への登山口になっている。

「塔塔加遊憩区」のビジターセンターで昼食。売店で売っているカップ麺とカップスープにお湯を入れてもらい、ゆで卵と一緒に食べた。塔塔加では台湾の高山の空気を存分に吸った。