2024年10月15日

グングンと高度を上げていく

 台湾山脈の山中の食堂「有木饗庁」での昼食を終えると、午後の部の開始。ひきつづいて山中の道を行く。迫ってくる山々は大きく、見下ろす谷は深い。先導してくれる謝佳亨さんは山中の道を知り尽くしているので安心してフォローできる。台湾山脈の山中には網の目状に細道が延びている。

 この山道だが、狭路のブラインドのコーナーでは対向車に要注意。交通量極少の山道になると、濡れ落ち葉や青苔にツルッと滑り、冷っとすることもある。転倒だけは避けたかった。

 羅浮の町に到着。さすがバイク大国、スクーター大国の台湾だけあって、町の中心地には「三陽機車(SYM)」の販売店があった。機車はバイクとスクーターの総称だ。日本ではバイク屋さんがどんどん店を閉めているが、台湾ではどこにいっても機車の店がある。うらやましい限りだ。

 羅浮では小休止。町の広場にVストローム250SXとSUIを止めると、立派な造りのお宮を参拝する。中に入ると、正面には開彰聖王、右手には観音菩薩、左手には天上聖母が祀られている。日本でいえば神仏混淆のようなお宮だ。

 羅浮を出発すると狭路の舗装林道に入り、グングンと高度を上げていく。霧の中に突入し、何も見えなくなってくる。さらに高度を上げると、濃霧を抜け出し、李棟山荘に到着した。

 ここでは、台北からSXに乗って駆けつけてくれた若きライダーがぼくを待ち構えていた。うれしいことに「カソリさんに会えてよかった!」と言ってくれる。SXの若きラーダーには閖上湊神社の「ライダーズ守」とカソリステッカーを手渡した。

 李棟山荘から新竹県に入り、国道3号に出ると「中油」で給油。中油というのは国営企業の台湾中油のことで、中油のSSは台湾中にある。

 18時、今晩の宿の「民宿」に到着。民宿とはいっても日本の民宿とは違って、観光ホテルのようなものだ。1階はカフェ&レストランで2階、3階が宿泊棟になっている。1階には何台ものクラシックバイクが展示されいた。

 夕食は鍋料理。みんなで一緒になって作り、みんなで一緒になって食べる。とはいっての鍋奉行のような人がいて、手際よくやってくれる。「台湾ビール」を飲みながら、おおいに鍋料理を食べる。最後は鍋に麺を入れて食べる。

 台鈴の李さんとは繰り返し「台湾ビール」で乾杯した。そのうちに参加者の一人が持ってきたニッカの高級ウイスキー「竹鶴」を飲むようになり、火がつくほど強い高粱酒をつがれるままに飲んだ。驚いたのは李さんだ。高粱酒をクイクイと飲み干していく。ほろ酔い気分になったところで民宿での大宴会は終わるのだった。