能登半島を行く[63]

2024年6月10日 – 11日

火宮の集落を回る

 国道249号で珠洲市に入った。そこが宝立町。旧道で柏原の集落に入り、前回は行きそびれた式内社の加志波良比古(かしはらひこ)神社へ。神社はすさまじい状況。鳥居は倒れて砕け散り、御神燈も狛犬も落下している。足の踏み場もないようなメチャクチャな状態。それでも拝殿は倒れずにしっかりと残っていた。

 珠洲の中心、飯田の町からは国道249号で大谷峠まで行ってみる。若山町(珠洲市)に入ると、若山小学校の前を通り過ぎていく。その先には「火宮」のバス停。火宮は戸数が40戸ほどの集落。ここは日本観光文化研究所(観文研)時代、仲間たちが民俗学的調査をしたところ。観文研発行の月刊誌『あるくみるきく』第64号(1972年6月号)の「奥能登の村」にまとめられている。観文研の所長だった宮本常一先生の旧若山村を書かれた「中世の村」ものっている。歴史的な貴重な1冊だ。ここではVストローム250を降りて、崩れ落ちた大屋根の家々を見てまわった。

 火宮を過ぎると、国道249号の大谷峠の登り口。震災から162日目になるが、いまだに通行止はつづいている(なお日本海側の大谷には迂回路で行ける)。