2010年6月18日

朝食前の台北探訪

 2010年6月18日。夜明けとともに「康華大飯店」(ゴールデン・チャイナ・ホテル)を出発し、朝食前の台北探訪を開始する。タクシーで台北駅まで行き、駅構内を歩いた。次に地下鉄の板南線に乗り、板橋駅まで行く。そこから台北駅方向に戻り、龍山寺駅で下車。駅近くの龍山寺を参拝。早朝から多くの人たちが参拝に来ている。

 龍山寺は1738年の創建。絢爛豪華な造りで、台北では最も歴史のある寺院。観音菩薩を祀っているが、そのほか文殊菩薩や普賢菩薩の仏のみならず、媽姐や文昌帝を祀っている。台湾人の信仰心は厚い。

 つづいて西門駅で下車し、天后宮を参拝した。天后宮は1764年の創建で、海の守り神の媽姐を祀っている。媽姐は台湾では大人気。ここには日本時代の弘法寺から引き取られた弘法大師像も祀られている。

 西院駅前でタクシーに乗り、ホテルに近い行天宮へ。その途中では総統府の前を通った。ここは台湾の政治の中枢をになう庁舎だが、1919年、日本の台湾総督府として建造されたもの。それがこうして現役で使われているところに、日本と台湾の良好な関係を見る思いがした。

 最後に行天宮を参拝。主神は「三国志」の英雄、関羽で、そのほか劉備、張飛、孔明、岳飛が祀られている。関羽の廟を武廟と称し、その武勇から守護神として崇められている。また一説には関羽はそろばんの発明者ともいわれ、商売の神としても厚い信仰を集めている。極彩色の絢爛豪華な造りの行天宮には、朝から大勢の人たちが参拝に来ていた。

「泰華大飯店」に戻ると、レストランで朝食。バイキングだ。ぼくの好物の「朝粥」を2杯目、3杯目とおかわりして食べた。

 朝食を食べ終わると、ホテル前の大通りの松江路を渡ったところにある台鈴工業の本社へ。びっくりしたのだが、本社前には台鈴工業のみなさんがスズキの小旗を持って待ち構えてくれていた。その中央には董事長の黄さんがいる。これからの「台湾一周」で使うブルーのアドレスV125Gも用意されている。

 出発前のセレモニーで、黄さんをはじめとする台鈴のみなさんと近くの行天宮に行き、「台湾一周」の旅の安全の祈願をした。

 行天宮参詣を終えると、台鈴工業の本社前に戻り、そこでみなさんの見送りを受け、台北を出発。台鈴工業のサポートカーが同行してくれる。李さんをはじめとする台鈴工業のみなさんの乗るアドレスやスカイウェーブ、NEXなど5台のスクーターが同行してくれている。目指すのは台湾中部の台中だ。

 朝方、地下鉄でやってきた板橋を通り、桃園の平鎮へ。台鈴工業の平鎮工場に到着すると、工場内を見せてもらった。ここではアドレスなどのスクーターが生産されている。

 2009年12月には、アドレスV125Gで「広州→上海2200キロ」を走った。その出発点となったのは、広州近郊の江門で年間300万台の2輪車を生産している「大長江」の江門工場だった。世界でも最大級の2輪車工場。ここでアドレスのエンジンは組み立てられている。「大長江」の江門工場で生産されたアドレスのエンジンは台鈴工業の平鎮工場に送られ、完成車として組み立てられて日本に送られている。

 平鎮から新竹へ。ここがちょうど「台北→台中」の中間地点になる。新竹の町中に入っていく。古い城郭と濠に囲まれた町だったが、近年、城郭は取り壊され、城門と濠が残っている。台湾では「古学府」といわれるくらいで、古くから文化が発達し、その文化が今も残っている町。中心地の屋台風食堂で昼食。米粉と豚肉団子などを食べたが、米粉がうまい。新竹の米粉は台湾でも一番、美味だといわれている。