30回目 2025年3月8日
浜通り復興のシンボル
国道6号でいわき市から広野町に入ると、JR常磐線の広野駅でバイクを止めた。広野駅のホームには、童謡「汽車」の歌碑が建っている。
今は山中 今は浜
今は鉄橋 渡るぞと
思う間も無く トンネルの
闇を通って 広野原
この誰もが知っている「汽車」の歌詞は、常磐線の久ノ浜駅と広野駅間の景観を見て作られたものだという。
広野駅近くの「ふたば未来学園」を歩いて見に行く。中高一貫校で震災後の2019年の4月8日に開校。浜通り復興のシンボルだ。
広野からは海側の県道391号を行く。県道391号は2車線の復興道路。広野町から楢葉町を通って富岡町に入り、JR常磐線の富岡駅のあたりまでが新しい道路になっている。
その先は東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故の影響でいまだに通行止め。この県道391号の全線(広野町〜南相馬市)が通れるようになった時は、浜通り復興の証明になる。
県道391号で広野町から楢葉町に入り、新しくできたJR常磐線のJヴィレッジ駅を見る。Jヴィレッジ駅の開業は震災後の2019年(平成31年)4月20日。平成時代の最後の駅として知られている。
Jヴィレッジ駅前を出発。すぐに県道391号を右折し、岩沢海岸に下りていく。きれいな砂浜で海水浴場になっている。同行してくれている渡辺哲さんは楢葉で生まれ育ったが、子供の頃からよく来た海水浴場だという。
岩沢海岸には東電の広野火力発電所が偉容を誇っている。東日本大震災で大きな被害を受けたが、復旧は早かった。東電では鹿島火力発電所と並ぶ火力の切り札的な存在で、1号機から4号機までの石油火力と、新設された5号機と6号機の石炭火力から成っている。早期に復旧した広野火力発電所は、原子力発電が壊滅状態に陥った東電を救ったといってもいい。