鵜ノ子岬→尻屋崎[021]

第1回目(20)2011年5月10日-20日

尻屋崎で穏やかな海を眺めた

 八戸駅前を出発。「八食センター」の前を通って国道45号に合流し、おいらせ町の百石から国道338号を北へ、下北半島に向かっていく。

 半島入口の三沢では国道を右折し、三沢漁港に寄っていく。ここでは高さ7メートルの大津波に襲われ、漁業施設に大きな被害が出た。漁師さんたちは総出で漁網の補修をしていた。

 三沢の町は海岸からかなり離れているので無事だった。

 国道338号沿いの日帰り温泉の「三陸」は営業していた。

 淋代海岸の「ミス・ビードル号」の模型は大津波に流された。

 昭和6年、この地から飛び立った「ミス・ビードル号」は太平洋横断飛行を成功させ、アメリカの西海岸に着陸した。

 小川原湖が高瀬川となって太平洋に流れ出るあたりには、「ラムサール条約」に登録されている仏沼がある。海岸の松林はなぎ倒されていたが、海から2キロほど離れた仏沼は大津波にやられることはなかった。

 国道338号を北上し、六ヶ所村の中心地を走り抜け、灯台のある物見崎でビッグボーイを止めた。ここが六ヶ所村と東通村の境。南側は断崖絶壁で、北側は白糠漁港だ。

 岬に守られたということもあって、5メートルの津波が押し寄せたという白糠漁港はほとんど被害を受けることもなく、漁船も無傷で残っている。ちょうど出漁していた漁船が戻ってくるところだった。

 その先の東北電力東通原子力発電所の入口でビッグボーイを止め、写真を撮っていると、すかさず警備会社のパトロールカーがやってきた。

「何してるんだ!」
 と強い口調でいわれたが、東京電力福島第1原子力発電所の爆発事故以降、各地の原発はピリピリしている。

 東北電力の隣は東京電力の東通原子力発電所1号機の建設予定地。原発事故直後、東電は東通原発1号機の工事は中止するといったのに、国道沿いには「工事中」の看板がかかり、その周辺では工事再開に向けて着々と準備が進んでいるように見えた。

 国道338号から尻屋崎への快走ルートの県道248号に入る。見事なヒバ林の中を走り抜け、津軽海峡沿いの県道6号に出た。

 海沿いの岩屋の集落、三菱マテリアルのセメント工場を過ぎると尻屋崎の入口だ。

 ゲートを過ぎると、骨太の寒立馬のお出迎え。左手の津軽海峡を見ながら走り、灯台の前でビッグボーイを止めた。この尻屋崎こそ東北太平洋岸最北の地。海辺の大岩の上に座り、穏やかな海を眺めた。