賀曽利隆の江戸探訪[03]

第2弾 茅場町駅~月島駅

江戸の六地蔵

 門前仲町の交差点から永代通りを歩き、左に入って深川公園へ。公園内には「永代寺跡」の碑が立っている。永代寺は富岡八幡宮の別当寺としておおいに栄えたが、明治初年の神仏分離で廃寺になった。復元図を見ると広大な寺域だったことがわかる。その跡地に現在の深川公園や深川不動堂がある。

 またここには、「江戸六地蔵」があった。「江戸六地蔵」というのは江戸の出入口6ヵ所に置かれた地蔵菩薩の坐像で、第1番が東海道品川宿の品川寺、第2番が日光街道(奥州街道)浅草の東禅寺、第3番が甲州街道内藤新宿の太宗寺、第4番が中山道巣鴨の真性寺、第5番が水戸街道白河の霊厳寺、そして第6番が千葉街道門前仲町の永代寺に造立された。

 永代寺以外の六地蔵は現存している。それらを写真で見てもらおう。

東海道品川宿・品川寺の六地蔵
甲州街道内藤新宿・太宗寺の六地蔵
水戸街道白河・霊厳寺の六地蔵
日光街道浅草・東禅寺の六地蔵
中山道巣鴨・真性寺の六地蔵

 江戸時代、「江戸六地蔵めぐり」は、江戸町民の人気の旅コースになっていた。

 現行の永代寺を参拝し、「深川のお不動様」で親しまれている深川不動尊へ。ここは成田山新勝寺の東京別院で、縁日になると大勢の人を集めてにぎわう。(つづく)