バイクのふるさと浜松2025 16

2025年12月8日

伊那街道の宿場町「足助」

 12月8日。香嵐渓を歩いたあとは足助の町を見てまわる。ここは伊那街道の宿場町。足助といえば「足助塩」で知られているが、足助の塩問屋は三河湾産の吉良塩や瀬戸内海産の赤穂塩などを「中馬(ちゅうま)」で信州に送った。塩尻あたりまでがその商圏で、信州人はそれを「足助塩」と呼んだ。山間の足助で塩が取れると思っていた人は多い。

 越中の氷見鰤は飛騨高山の問屋に送られ、それが歩荷によって野麦峠を越えて信州に運ばれたので、信州人はそれを「飛騨鰤」と呼んだ。鰤が飛騨高山で獲れると思っていたの似ている。

 足助では「足助中馬館」を見学。ここは旧稲橋銀行足助支店の建物で、今は中馬の資料館になっている。「塩の道」の足助には8軒もの塩問屋があったという。中馬は塩を運んだ馬のことだが、その馬を使った輸送も中馬と呼ばれた。江戸時代の中期頃から明治初期にかけて盛んに行われた。主に伊那の農民たちがそれを担ったという。館内には鞍や鐙、鼻革などの馬具や塩を計る枡、塩の道のルート図などが展示されている。

「足助中馬館」の見学を終えると、隣り合った足助の塩問屋「莨屋(たばこや) 塩座」で「足助塩」を見る。ここで売られている「塩飴」は絶品だ。スイカに塩をかけるのと同じで甘みが際立っている。1粒なめ、また1粒なめた。

 足助を出発。国道153号で伊勢神峠に向かっていくと雨が降り出した。雪になるかのような冷たい雨。伊勢神峠のトンネルを抜け、稲武に下ったが雪にはならなかった。

 稲武から国道153号で飯田に向かう。その間では赤坂峠、治部坂峠、寒原峠を越えたが、信州の峠越えでも雪にはならなかった。助かった!

 飯田に到着する頃には雨は止み、夕日が差していた。

 飯田山本ICで『ツーリングマップル』編集長の舛木さん、『ツーリングマップル関東』担当の中村さんと別れ、カソリは中央道→圏央道→新東名で19時30分、伊勢原に到着。本日の走行距離は413キロで通算191万5712キロ。200万キロまではあと8万4288キロだ。