鵜ノ子岬→尻屋崎 2024[11]

2024年3月11日 – 14日

漁港の壁画が時の流れを表している

 青森県に入ると国道45号から県道1号に入り、JR八戸線の階上駅でSX250を止めた。ちょうど八戸行の列車が到着したところだった。

 階上駅からは海沿いの県道1号を北へ。この一帯は東日本大震災の大津波にもほとんどやられることなく家並みは無傷で残った。

 種差海岸から葦毛崎へ。ここでは展望台に登り、種差海岸から白浜海岸へとつづく太平洋の海岸線を一望した。絶景だ。

 鮫の町並みを走り抜け、ウミネコの蕪島へ。地続きの小島の蕪島にウミネコはまだ来ていなかった。焼けた蕪島神社は見事に再建されている。

 蕪島神社を参拝し、八戸の市街地に入っていく。海沿いの八戸大橋を渡り、県道19号を走り、国道338号に合流。おいらせ町から三沢市に入ると、三沢漁港でSX250を止めた。三沢漁港にはもう大津波の痕跡はみられない。

 国道338号を北へ。尻屋崎を目指す。

 淋代海岸には「ミス・ビードル号」の実物大の模型が置かれている。昭和6年、この地から飛び立った「ミス・ビードル号」は太平洋横断飛行を成功させ、アメリカの西海岸に着陸した。史上初の快挙だ。「ミス・ビードル号」は東日本大震災の大津波で流されたが、復元された。

 小川原湖が高瀬川となって太平洋に流れ出るあたりには、「ラムサール条約」に登録されている仏沼がある。雪原の中の道をSX250で走った。

 六ヶ所村の中心地を走り抜け、灯台のある物見崎でSX250を止めた。ここが六ヶ所村と東通村の境。岬の南側は断崖絶壁で、北側は白糠漁港になる。

 物見崎に守られたということもあって、東日本大震災の際には5メートルの津波が押し寄せたという白糠漁港だが、ほとんど被害を受けることもなかった。漁港の壁画をバックにして写真を撮ったが、2011年の時と比べると色が大分、落ちている。このときのバイクはスズキのビッグボーイだ。

 白糠漁港を出発。尻屋崎への道の最後のコンビニ「ファミリーマート」でコーヒーを飲み、コッペパンを食べた。

 東北電力の東通原子力発電所入口前を通り、さらに東京電力の東通原子力発電所建設予定地前を通る。原発の爆発事故直後、東電は東通原発の工事は中止するといったのに、いまだに「工事中」の看板がかかっている。

 国道338号から尻屋崎への快走ルートの県道248号に入る。見事なヒバ林の中を走り抜け、T字路に出る。尻屋崎はそこを左折するが、右折して行止り地点の尻労(しっかり)まで行ってみる。山が海に落ち込んだ地点が尻労。目の前の山を越えたところが尻屋だが、尻労から尻屋への道はない。

 来た道を引き返し、津軽海峡沿いの県道6号に出る。新道が完成しているが、旧道沿いの岩屋の集落を走り抜け、新道に合流して三菱マテリアルのセメント工場を過ぎると尻屋崎の入口だ。

 尻屋崎の灯台への道は冬期閉鎖(12月1日〜3月31日)中。ゲート脇の休憩所に貼られている尻屋崎のシンボル、寒立馬の写真を見る。休憩所の自販機の缶コーヒーを飲んでひと息入れたところで尻屋の集落に入っていく。尻屋から東北太平洋岸最北の漁港、尻屋漁港へ。岸壁にSX250を止めると、そこを「鵜ノ子岬→尻屋崎」のゴールにした。鵜ノ子岬から837キロだった。