30回目 2025年3月12日
整備された牡鹿半島
3月13日。「サンファンヴィレッジ」の朝食を食べ、8時に出発。まずは万石浦を見て、県道2号で牡鹿半島に入っていく。牡鹿半島を一周したら、また石巻に戻ってくるのだ。
県道2号は改良工事がほぼ終わり、ずいぶんと走りやすくなっている。風越峠のトンネルを抜け、月浦の集落の入口でVストローム250SXを止める。ここには伊達藩の「慶長遣欧使節」を率いてヨーロッパに渡った支倉常長の像と「慶長遣欧使節航路図」の碑が建っている。支倉常長像から海岸に下ったところが月浦港。慶長18年(1613年)旧9月15日、総勢180名を乗せた「サンファン・バウチスタ号」はここから出航した。
月浦漁港はきれいに整備されて東日本大震災の痕跡は見られない。牡鹿半島西海岸の漁港と集落は大津波の直撃を受け、どこも大きな被害を受けたが復興している。防潮堤も完成している。集落は高台移転し、県道2号も高台移転して2車線の快走路になっている。
牡鹿半島の中心地、鮎川に到着。東日本大震災の大津波に直撃された鮎川の町は壊滅した。港もやられ、金華山への観光船も運航を停止した。鮎川の復興は遅れ、惨憺たる状態は長くつづいた。
鮎川は見捨てられるのではないかと思ったほどだが、町の復興が始まると漁港は整備され、金華山への観光船の運行も再開され、網地島、田代島への船も出るようになった。
「ホエールタウン おしか」は金華山や網地島、田代島へのターミナルで、ここには牡鹿半島ビジターセンターや鯨博物館の「おしかホエールランド」も完成している。
鮎川は捕鯨で栄えた町。ここでは屋外で展示されている捕鯨船を見ることができるし、「ホエールタウンおしか」内のレストランでは鯨肉料理を食べることができる。
ビジターセンターを見てまわり、鯨博物館を見学。復興途上の鮎川の町を後にすると、牡鹿半島南端の御番所公園へ。網地島が大きく見える。田代島も見える。御番所公園からは目の前に浮かぶ金華山が見える。
金華山は万葉集でも詠まれた黄金伝説の島。式内社の黄金山神社がある。金華山には鮎川港のほかに女川港からも船が出ている。
牡鹿半島南端の山鳥渡からはコバルトラインを北上して女川へ。コバルトラインは人気のワインディングルートで牡鹿半島の稜線上を行く。女川町に入ると、大六天展望台からは女川湾を一望し、女川の中心街へ。JR石巻線の終点、女川駅前でVストローム250SXを止めた。
大震災直後 2011年5月18日