2025年2月18日

三浦半島一周

 2月18日9時、神奈川県伊勢原市の自宅を出発。天気は晴天。今日はVストローム250SXを走らせての「三浦半島一周」だ。伊勢原大山ICから新東名→圏央道→新湘南バイパスで茅ヶ崎海岸ICへ。そこから国道134号で鎌倉へ。「鎌倉→鎌倉」の「三浦半島一周」を開始。逗子から国道134号を南下し、三浦半島に入っていく。

 三浦半島の西海岸を走る。

 葉山町から横須賀市に入り、陸上自衛隊の基地を過ぎたところで国道135号の荒崎入口の信号を右折。長井漁港を通って荒崎へ。駐車場にVストローム250SXを止め、荒崎海岸を歩いた。案内板に「荒崎海岸の特徴は白い頁岩と黒い凝灰岩が層を成す海食台と海食洞にあります」とあるような荒崎海岸特有の奇岩群を見てまわる。心に残る荒崎海岸の風景だ。

 荒崎海岸からは観光スポットの「ソレイユの丘」を通り、国道135号に出る。そして京急終点の三崎口駅前を通り、国道135号と分かれて三崎港へ。

 三崎港といえばマグロ。Vストローム250SXを駐車場に止めると、海産物直売所の「うらり」前にあるまぐろ食堂「七兵衛丸」で、ちょっと贅沢して「本まぐろ定食」(3500円)を食べた。本まぐろの刺身は大トロ、中トロ、赤身の3点盛りだ。

 三崎港のマグロを堪能したところで、渡船で城ヶ島に渡る。三崎港から城ヶ島は、無料化された城ヶ島大橋で簡単に渡れるが、どうしてもこの渡船に乗ってみたかったのだ。料金は500円。すごく申し訳ないような気分になったが、乗客はぼく一人。まあいいか。

 渡船で渡った城ヶ島は歩いた。南岸の岩場を歩き、「馬の背洞門」へ。そこから海食崖の高台上の遊歩道を歩き、安房崎へ。その名の通り、岬の突端の岩場からは房総半島南部の安房がよく見える。ここからだと房総半島北部の上総は三浦半島南東端の剱崎に隠れてしまうので見えない。安房崎からは安房のみが見えるのだ。

 城ヶ島を歩き終えると、帰りも渡船に乗って三崎港へ。三崎港は城ヶ島とセットでまわったらいい。

 三浦半島の南岸を走り、城ヶ島の安房崎から見た剱崎へ。

 剱崎では灯台を見たあと海岸に下り、長々と延びる房総半島を眺める。ここからだと上総、安房が一望できる。剱崎は三浦半島と房総半島の間の浦賀水道の入口。伊豆七島から東海汽船の船で東京港の竹芝桟橋に帰ってくる時は、剱埼灯台の灯りは異様なほどよく目立つ。それだけ重要な灯台ということになる。

 剱崎を過ぎるると、三浦半島の東海岸を行く。

 三浦海岸を走り抜けて久里浜へ。東京湾フェリーの出る久里浜港を過ぎたところで、「ペリー公園」に立ち寄っていく。公園の中央には「北米合衆国水師提督伯理上陸紀念碑」と書かれた「ペリー上陸記念碑」が建っている。記念碑にはペリー艦隊の航路図もある。

 嘉永6年(1853年)7月8日、ペリー提督率いる4隻の黒船は突如、浦賀沖に姿を現し、日本中を驚かせた。日本の開国を迫る親書を携えたペリーの一行は7月14日に久里浜のこの地に上陸。このペリー上陸によって日本は、開国への道を歩むことになる。ペリー公園にはペリー上陸にまつわる歴史的な資料を多数展示している「ペリー記念館」(入館無料)もある。

 久里浜から浦賀へ。浦賀にはペリー上陸から7年後の万延元年(1860年)、アメリカに向けて出航した咸臨丸の記念碑が建っている。

 浦賀から観音崎へ。

 城ヶ島は三浦半島南端、剱崎は三浦半島南東端、観音崎は三浦半島東端になる。

 駐車場にVストローム250SXを止め、遊歩道を歩く。岬周辺の台地はシイやタブ、トベラなどの照葉樹の濃い緑で覆われ、「観音崎公園」になっている。目の前は浦賀水道。東京湾に出入りする大小の船が見える。巨大なコンテナ船や自動車専用の運搬船、LPGタンカーが目を引く。

 初点灯が明治2年(1869年)1月1日の観音埼灯台に登る。全国には2600余の灯台があるとのことだが、日本の洋式灯台の中では観音埼灯台が最初の点灯になる。その後、関東大震災などで2度倒壊し、現在の灯台は3代目になる。

 ペリー艦隊の来航後、開国した日本だが、江戸条約によって8ヵ所の洋式灯台を作ることになった。最初に点灯したのは観音埼灯台だが、それにつづいて野島崎(千葉)、樫野崎(和歌山)、神子元島(静岡)、剱崎(神奈川)、伊王島(長崎)、佐多岬(鹿児島)、潮岬(和歌山)の灯台が完成し、点灯した。

 観音崎を出発。海沿いの道を行くとすぐに走水に着くが、ここが首都圏大環状の国道16号の起点。終点は対岸の富津になる(正式には横浜が起点・終点)。全長200キロ以上になる国道16号の全線を走るのは大変。大渋滞の連続だからだ。走水〜富津間は東京湾の海上区間になるが、この間にフェリーはない。

 走水の走水神社に参拝した後、国道16号で横須賀を走り抜け、県道23号→県道204号で朝比奈峠を越えて鎌倉へ。国道135号に出ると、来た時とルートで伊勢原に戻った。「鎌倉→鎌倉」112キロの「三浦半島一周」だった。