2025年2月14日
富士山一周
2月14日6時45分、神奈川県伊勢原市の我が家を出発。天気は快晴。今日はVストローム250SXを走らせての「富士山一周」だ。伊勢原大山ICから新秦野ICまでは新東名を走り、そこからは国道246号で御殿場へ。「御殿場→御殿場」の「富士山一周」を開始する。
国道246号から国道138号に入ってすぐの「デニーズ」で朝食。スクランブルエッグのモーニングセットを食べた。
「さ〜、行くぞ!」
御殿場からは反時計回りで富士山を一周する。その間では絶景ポイントで富士山を見るだけでなく、世界遺産に登録されている「富士信仰」の浅間神社をめぐっていく。
まずは国道138号で須走へ。ここでは東口本宮の富士浅間神社を参拝。鳥居には「不二山」の額がかかっている。富士山は日本に二つとない山なのだ。拝殿の真後ろには霊峰富士の真っ白な山頂が見えている。
須走からは国道138号で静岡・山梨県境の籠坂峠を越え、国道413号→県道730号で三国峠へ。その途中のパノラマ台から富士山を眺めたが、ここには新しい展望台が出来ている。
三国峠は山梨・神奈川の県境になるが、峠の南側の三国山(1328m)は甲斐・相模・駿河の三国国境。三国峠で折り返し、山中湖畔に下っていく。
山中湖越しの富士山と山中湖に映る逆さ富士を見たが、ここは一番の絶景ポイントだ。
ふたたび国道138号に出ると、富士吉田の富士浅間神社を参拝。ここは北口本宮。驚くほどの外国人観光客でにぎわっていた。大鳥居をくぐり、神楽殿を過ぎると拝殿。その両側には御神木の「富士太郎杉」と「富士夫婦檜」の巨木がそそり立っている。樹齢千年の古木は富士浅間神社の歴史を証明しているかのようだ
富士山は江戸時代以降、江戸人、東京人の篤い信仰心を集めてきた。爆発的な人気といっていい。それがいわゆる「富士信仰」である。富士講の大勢の信者たちは、山開きになると富士山の山頂を目指した。富士講の祖、身禄以来、北口の吉田口が富士登山道の本道になり、富士吉田の町は富士登山の拠点になった。
富士浅間神社から富士吉田の町中を走る。金鳥居に向かった一帯はかつての御師町。富士信仰の最盛期には、通りに面して短冊状に御師の家が100軒近くも建ち並んでいたという。どこも間口が狭く、奥に細長く延びている。この御師たちが富士信仰を日本中に広めた。
富士吉田の金鳥居は御坂峠を越えて甲府盆地に下る国道137号と、籠坂峠を越えて御殿場に下る国道138号の起点になっている。さらに浅間大社のある富士宮から富士山西側の割石峠を越え、富士吉田から大月に通じている国道139号もここを通っている。3本の国道が交差する金鳥居は「富士山の十字路」といっていい。
金鳥居の交差点から国道137号で富士河口湖町の中心の船津へ。その間は途切れることなく家並みがつづく。船津も富士信仰で栄えた町。ここにも御師町があった。
河口湖の北側には河口浅間神社、河口湖の南側には富士御室神社がある。かつては船津口の富士登山道があった。現代版富士登山道の富士スバルライン(県道707号)の起点は船津。富士急行の終点、河口湖駅も船津にある。大月駅と河口湖駅を結ぶ富士急行は、元々は富士信仰の登山者を運ぶためにつくられた鉄道なのだ。
船津から国道137号で河口湖の北側に行き、つづいて湖岸の県道21号を走る。「湖北ビューライン」と名付けられた県道21号は絶景ルート。河口湖越しの富士山を見る。大石公園からもきれいな富士山が見られる。
河口湖を離れ、西湖、精進湖からの富士山を見て本栖湖へ。ここでは国道300号の本栖峠まで登り、トンネル手前の展望台から富士山を見る。ここは富士山の絶好の展望台。
素晴らしい富士山を見たあとは本栖湖畔の食事処「本栖館」で昼食。甲州といえば「ほうとう」ということで、「信玄ほうとう」(1300円)を食べた。
本栖湖からは国道139号を南下。山梨・静岡県境の割石峠から富士山を眺め、峠を下った朝霧高原から富士山を眺め、国道139号から田貫湖に行く。田貫湖越しの富士山も素晴らしい。そして富士山の湧水が流れ落ちる音止の滝と白糸の滝を見る。
白糸の滝から富士宮の浅間大社へ。ここは富士山本宮。駿河国の一宮にもなっている。富士山本宮浅間大社の境内には富士山湧水の「湧玉池」がある。膨大な水量の湧水で、神田川となって勢いよく流れ出ていく。驚きの光景だ。
富士宮からは富士南麓を走る国道469号で御殿場へ。その間では山宮浅間神社、村山浅間神社、須山浅間神社と3ヵ所の浅間神社をめぐった。山宮浅間神社からは真正面に富士山が見える。村山浅間神社の御神木は大銀杏と樹齢千年の大杉。須山浅間神社は富士山の須山口登山道の入口に位置している。それぞれに歴史を感じさせる浅間神社だ。
16時、御殿場に到着。雲はかかっていたが、最後まで富士山はきれいに見えていた。「御殿場→御殿場」177キロの「富士山一周」。御殿場からは来たときと同じルートで伊勢原に戻った。