環日本海 2011年
新たな日本が見える旅
道祖神の「賀曽利隆と走る!」シリーズの第15弾目は「環日本海」。
2011年8月7日、稚内港からフェリーで宗谷海峡を越え、サハリンのコルサコフ港に渡った。サハリンに上陸すると、ユジノサハリンスクからホルムスク港へ。そこからフェリーで間宮海峡を越え、ロシア本土のワニノ港に渡った。
ワニノからロシアの極東地方を走り、ウラジオストックからフェリーで韓国の東海港経由で、8月21日に鳥取県の境港に戻ってきた。「稚内→境港」は1500キロ。
ぼくはスズキのDR−Z400Sで走った。東京を出発するとまずは新潟へ。そこから稚内までは日本海を北上し、稚内で参加者のみなさんと合流した。
鳥取県の境港からの帰路は直江津(新潟)まで日本海の海岸線を走り、そして東京に戻ったので、全走行距離は4922キロになった。
ぼくにとってサハリンは2000年の「サハリン縦断」以来のことになるので、その間の変化を見ることができた。
サハリンのホルムスク港からフェリーで大陸側のワニノ港に渡ったが、日本時代の旧真岡のホルムスクは1991年の「東京→サハリン」で上陸した港。20年ぶりのホルムスク港には胸がジーンとしてしまった。
ワニノからロシア極東地方の中心地ハバロフスクまでは600キロ、その間では170キロのダート区間を走破した。
2002年の「ユーラシア大陸横断」ではウラジオストックに上陸し、ハバロフスクへと走ったが、それを今回は逆に、ハバロフスクからウラジオストックへと走った。
ウラジオストックは魅力的な都市。アジアというよりもヨーロッパ最東端の都市といったところだ。シベリア鉄道の基点となるウラジオストック駅では、列車に乗ってモスクワまで行きたくなった。
ウラジオストックからフェリーで境港に渡ったが、その途中で寄港した韓国の東海港は忘れることのできない港。2001年の「ソウル→北朝鮮」では、ソウルから朝鮮半島を横断し、東海港でバイクともども韓国の現代商船の船に乗り込み、北朝鮮の長箭港に渡った。
こうして日本海をぐるりとまわってみると、新たな日本が見え、新たな世界が見えてくるかのようだった。
なお、この「環日本海」は『カソリング』で160回の連載をしているので詳しくはそちらを見て下さい。