青春18きっぷ de 東北列車旅[39]

2023年12月19日 田野畑駅▶陸中野田駅

「あまちゃん」の舞台

 11時32分、「カンパネルラ」の田野畑駅を出発すると、列車は長い普代トンネルで田野畑村から普代村に入り、次の普代駅には10分ほどで到着する。バイクを走らせての「鵜ノ子岬→尻屋崎」では田野畑駅前を出ると、県道44号で北山崎、黒崎に寄って普代駅前まで行くので、30分以上はかかる。三陸鉄道はショートカットのトンネルルートでその間を一気に走り抜ける。

 普代村の中心の普代駅を出ると次は白井海岸駅。白井海岸駅を出ると、絶景の大沢橋梁で停車する。三陸鉄道のハイライトシーンだ。沢漁港を見下ろし、真っ青な太平洋の大海原を一望する。次の堀内(ほりない)駅はNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の主要な舞台で、袖が浜駅として登場した。ここからは堀内漁港を見下ろす。

 堀内駅を出ると野田村に入り、安家川を渡るが、ここも絶景ポイント。国道45号と安家川河口の漁港を見下ろし、遠くには長く突き出た三崎を見る。反対側の車窓には三陸道の橋梁。迫力満点のシーンだ。

 田野畑村、普代村、野田村と3つの「村」が連続するのもいい。ぼくは日本中の「村めぐり」をしたいと思っているほどで、「村」はおもしろい。

 安家川を渡った野田玉川駅には駅周辺の案内板があるが、それには「西行屋敷跡 徒歩2分」とある。西行法師で知られる西行(1118年~1190年)は僧侶であり歌人で芭蕉も大きな影響を受けた流浪の旅人だ。「(その西行が)ここまで北に来ていたのか!」という驚きを感じてしまう。

 野田玉川駅を出ると十府ヶ浦海岸(とふがうらかいがん)駅に停車し、12時22分、陸中野田駅に到着。ここは鉄道の駅と道の駅が合体した駅で、国道45号の道の駅「のだ」でもある。バイクを走らせての「鵜ノ子岬→尻屋崎」の定番ポイントで、ここでは「のだ塩ソフト」を食べるのを常としている。

 バイク旅の途中で、「ちょっと三陸鉄道に乗ってみたいな!」と思うライダーのみなさんは多いと聞くが、陸中野田駅は絶好。道の駅の駐車場ににバイクを止め、陸中野田駅~久慈駅間を往復するという方法もある。