賀曽利隆の200万キロへの道[54]

2026年2月4日

外房海岸を行く

 野島崎を出発。国道410号で千倉温泉を通り、国道128号に合流すると、外房海岸を行く。潮の香をかぎながらVストローム250SXを走らせる。

 和田の道の駅「和田浦」で小休止。ここでは「くじらのたれ」が売られている。

「くじらのたれ」とは江戸時代からこの地方に伝わる伝統的な食べ物。鯨肉を醤油や塩ベースのタレに漬け込み、天日で干したものだ。これがうまい。酒のつまみにも最適で、食べ始めるとやめられなくなってしまう。

 和田は「鯨の町」。和田漁港は沿岸捕鯨の基地で、毎年6月末から8月末にかけてはツチクジラが水揚げされる。そして解体されるが、この期間、和田の町は活気ずく。「外房捕鯨」が捕鯨から解体、加工、販売まで一貫してやっているが、この会社は70年以上の歴史がある。今度はぜひともツチクジラの解体を見てみたいものだ。

 道の駅「和田浦」では「鯨資料館」(入館無料)を見学。屋外にはシロナガスクジラの巨大レプリカが展示され、館内では捕鯨の道具やクジラの骨を使った工芸品などを見ることができる。

 和田から鴨川へ。その途中では懐かしの太海に立ち寄った。太海温泉の一軒宿「こはら荘」には何度か泊まったことがあるが、今ではやっていない。

 鴨川の町に入り、JR安房鴨川の駅前でVストローム250SXを止める。

 洲崎を境にして内房海岸と外房海岸に分かれるが、鉄道の方は館山から鴨川までが内房線。鴨川から外房線になる。

 鴨川の町を走り抜け、小湊では誕生寺を参拝。ここは日蓮誕生の地。小湊はタイの生息地として知られ、鯛見物のできる名所鯛ノ浦がある。

 小湊といえば五井(市原市)と上総中野を結ぶ小湊鉄道を連想するが、その名の通りで、当初は小湊まで達する計画だった。