カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

奥の細道紀行[21]

投稿日:2016年8月27日

うーめんの白石

白石 2009年8月21日

 芭蕉が一泊した白石に到着すると、白石川の河畔にある白石温泉「薬師の湯」に入った。大浴場と露天風呂。無色透明の湯。ここは元の「かんぽの宿白石」。建物は当時のままでも今は「薬師の湯」になっている。

 以前、ここが「かんぽの宿白石」だった頃は、もう一軒温泉宿があった。「ホテル本陣」だ。それも今はない。「かんぽの宿白石」にも「ホテル本陣」にも泊まったことがあるので、何とはなしに寂しい。

 白石はぼくの好きな町だ。ここを拠点にしての東北ツーリングを何度となくしている。

 国道113号で小原温泉を通り、七ヶ宿湖畔を走り、二井宿峠を越えて山形県の高畠から赤湯温泉のある南陽へ。国道4号の絶好の裏道、国道457号で岩手県の一関へ。これらはカソリおすすめのツーリングコースだ。

「薬師の湯」を上がると、白石市内に入っていく。

 国道113号沿いの「うーめん番所」で昼食。「ざるうーめん」(580円)を食べた。素麺風の細麺。白石名物の温麺(うーめん)の歴史は、江戸時代初期までさかのぼる。

 当時、白石に住んでいた大畑屋鈴木浅右衛門は胃腸の弱い父親のために、旅の僧から教わった油を使わない麺の製法を会得。それが温麺のはじまりだという。素麺づくりには油を使うが、温麺づくりには油を使わない。それが素麺と温麺の大きな違いになっている。

 白石の人たちは温麺が好きだ。ごく普通の食堂に入っても麺にはうどん、そば、温麺の3種類があり、たとえば「きつね」といえば、うどんでもそばでも温麺でも食べられる。

 白石は奥州街道の宿場町であるのと同時に城下町でもある。

 古くはこの地の土豪、白石氏の根拠地になっていた。

 慶長5年(1600年)に仙台・伊達領になり、慶長7年(1602年)には仙台藩家老の片倉小十郎が白石城を築城。それ以来の片倉氏の城下町である。

 武家屋敷街が残っているが、そこには「片倉小十郎」の旗がたなびいていた。

 水路が流れ、趣のある武家屋敷街を歩いたあと、白石城へ。

 白石城は別名、益岡城。それに因んで益岡公園内に白石城はある。

 元和元年(1615年)、一国一城令が出たあとも、白石城は例外的に城の存続が認められた。明治維新にはここで奥羽越列藩同盟が結ばれた。明治維新後に城は解体されたが、平成7年に白石のシンボルとして復元された。そんな白石城の3層の天守閣に登り、白石の町を見下ろした。

白石温泉「薬師の湯」

▲白石温泉「薬師の湯」

「薬師の湯」の近くを流れる白石川

▲「薬師の湯」の近くを流れる白石川

白石の「うーめん番所」

▲白石の「うーめん番所」

「うーめん番所」の「ざるうーめん」

▲「うーめん番所」の「ざるうーめん」

白石の武家屋敷を行く

▲白石の武家屋敷を行く

白石の武家屋敷を流れる水路

▲白石の武家屋敷を流れる水路

白石の武家屋敷の内部

▲白石の武家屋敷の内部

白石城

▲白石城

白石城内の神明社を参拝する

▲白石城内の神明社を参拝する


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