2023年12月19日 宮古駅▶田野畑駅

田老の今を見る

 宮古駅ではJR山田線が分岐している。山田線は「釜石~宮古~盛岡」を結ぶ路線だったが、そのうちの「釜石~宮古」間は2019年3月23日に三陸鉄道に移管された。

 10時40分、宮古を出発し、かつての北リアス線を行く。山口団地駅、一の渡駅、佐羽根駅と停車し、次が田老駅。東日本大震災の大津波に直撃されて町が壊滅した田老だが、高台移転した新しい住宅街は完成し、国道45号沿いの町中には道の駅「たろう」が移転している。三陸鉄道の田老駅の次には新駅の新田老駅ができた。車窓からそんな田老の今を見る。

 田老を出ると列車は山中に入り、トンネルを抜け、ひと山を越えたところで摂待川沿いの摂待駅に停車。接待駅を出るとさらにトンネルを抜け、小本川を渡ると岩泉小本駅だ。そこからは小本川河口の小本(岩泉町)の町並みを見る。小本川の水門も見える。駅の近くが三陸道の岩泉龍泉洞ICで、「日本三大鍾乳洞」龍泉洞の玄関口になっている。

 岩泉小本駅を出ると、長い小本トンネルに入り、トンネルを抜け出ると島越(しまのこし)駅。愛称はカルボナードで、宮沢賢治の「グスコーブドリ伝説」のカルボナード火山島に由来する。次の田野畑駅の愛称はカンパネルラ。これも宮沢賢治で、「銀河鉄道の夜」の登場人物に由来する。田野畑駅はバイクを走らせての「鵜ノ子岬→尻屋崎」の定番ポイントで、駅待合室で田野畑村産の「たのはた牛乳」や「飲むヨーグト」を飲むのを常としている。