カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

ジクサー150分割日本一周[69]

投稿日:2020年8月20日

九州一周編 17(2017年4月22日)

対馬第一の大社「和多都美神社」

 厳原を出発。国道382号を北へと走り、対馬を上島(北島)と下島(南島)に分ける万関瀬戸を渡る。上島が上対馬、下島が下対馬になる。万関瀬戸には万関橋がかかっているが、この橋は対馬を南北に分ける大きな境目になっている。

 上対馬に入る。東海岸を走る県道39号との分岐を過ぎたところで、国道382号を左折し、和多都美神社に行く。

 和多都美神社の鳥居は海に立っている。

厳原を出発国道382号を北へ上対馬と下対馬に分ける万関瀬戸

厳原を出発 国道382号を北へ 上対馬と下対馬に分ける万関瀬戸

万関瀬戸にかかる万関橋和多都美神社の海に立つ鳥居鳥居は一直線に立っている

万関瀬戸にかかる万関橋 和多都美神社の海に立つ鳥居 鳥居は一直線に立っている

 和多都美神社の祭神は彦火々出見(ひこほほでみ)尊と豊玉姫(とよたまひめ)命。彦火々出見尊は「山幸海幸」神話の山幸彦だ。

「山幸海幸神話」は次のようなものだ。

 兄の海幸は海で魚をとっていた。弟の山幸は山で獣をとっていた。ある日、山幸は海幸に、釣針をかしてほしいと頼んだ。そこで兄弟は、釣針と弓を交換した。

 しかし山幸は、まったく魚を釣れなかった。それどころか兄の大事にしていた釣針を失くしてしまう。海幸も弓で鳥や獣をとることはできなかった。

 そこで兄の海幸は「釣針を返してくれ」と山幸に言った。山幸は困り果て、「針を千本あげるからかんべんしてほしい」と頼んだ。しかし海幸は「ダメ、ダメ。元の釣針を返せ」というばかり。

 山幸は釣針を探しに出かけた。海辺を歩いていると塩椎(しおつち)神に、「もしもし。釣針をお探しなら、この舟に乗っていらっしゃい」といわれた。竹籠の舟に揺られ、海神の宮殿の竜宮城に行った。

 そこでは海神に大歓迎され、娘の豊玉姫と出会い、2人は結婚した。

 竜宮城で楽しく暮らすうちに3年の月日が流れ、山幸は地上に帰らなくてはならなくなった。豊玉姫は山幸の失くした釣針を探してくれた。さらに、「危ない時には、お使いください」といって、山幸に青と赤の2つの玉を手渡した。

 山幸は地上に戻り、海幸に釣針を返した。しかし海幸は、「出ていけ」と激しく怒り、剣を抜いて追いかけてきた。山幸は「危ない!」と叫んで、青い玉を投げた。すると海は荒れ、大波が押し寄せ、海幸は溺れかかった。そこで赤い玉を投げると、波は静まり、海は穏やかになった。海幸は「悪かった、許してくれ」と謝った。

 海幸を懲らしめた山幸は、海幸に忠誠を誓わせるのだった。

 その後、豊玉姫は子供を産んだ。その子が鵜茅草葺不合(うがやふきあえず)尊で、神武天皇の父。彦火々出見尊は神武天皇の祖父になる。

 和多都美神社は対馬第一の大社として知られているが、この日本神話の「山幸海幸」はここから生まれたものだという。本殿の後方に夫婦岩があるが、その手前の壇は豊玉姫の墳墓(御陵)だという。

 和多都美神社の参拝を終えると、境内に止まっている移動販売車でコーヒーを飲み、次に対馬国の一宮の海神神社に向かった。

和多都美神社の狛犬と鳥居と拝殿和多都美神社の拝殿移動販売車でコーヒーを飲む

和多都美神社の狛犬と鳥居と拝殿 和多都美神社の拝殿 移動販売車でコーヒーを飲む

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