カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

ジクサー150分割日本一周[11]

投稿日:2020年5月23日

中国一周編 11(2017年3月2日)

ジクサー日本一周が始まった

東京・立石の「スズキ二輪」の東京サービスセンターを出発

東京・立石の「スズキ二輪」の東京サービスセンターを出発

目指せ、中国!

目指せ、中国!

 2017年3月2日9時、花巻で開催された「IWATEモーターサイクルフェスタ」でのジクサー150との衝撃的な出会いから12日後、「ジクサー150での分割日本一周」が始まった。まずは第1弾目の「中国一周」だ。

 出発点は東京・立石の「スズキ二輪」の東京サービスセンター。相棒のジクサー150は、走行距離がまだ108キロで新車同然だ。「スズキ2輪」の石川さんと斉京さんに見送られて水戸街道(国道6号)を走り出した。

 ところで、ここまで繰り返し「中国一周」といってきたが、中国大陸の中国でないことは、わかっていただけたと思う。ここでの中国は、日本の「中国地方」のことである。

 それではなぜ日本の中国地方が中国かといえば、古代日本では畿内を中心にして距離別に「近国」、「中国」、「遠国」に分けられたことに由来する。

 中国地方というのはその名残で、中国には山陽道の美作、備前、備中、備後、安芸、周防、長門と、山陰道の因幡、伯耆、出雲、岩見、隠岐の全部で11ヵ国がある。現在でいえば岡山、広島、山口、鳥取、島根の中国地方の5県だ。

旧国単位がはるかにおもしろい!

 日本を県単位で見るのではなく、旧国を意識して、「旧国単位で見る方がはるかにおもしろい!」と、ぼくはずっと思っている。

 日本の旧国は「五畿七道」の68ヵ国から成っている。

 当時の日本の中心の「五畿」には大和、山城、摂津、河内、和泉の5ヵ国がある。

「五畿」を中心にして、日本は「七道」に分けられていた。

「七道」というのは東海道、東山道、北陸道、山陽道、山陰道、南海道、西海道の7道。「東海道」には伊賀、伊勢、志摩、尾張、三河、遠江、駿河、伊豆、甲斐、相模、武蔵、下総、上総、安房、常陸の15ヵ国があった。

「東山道」には近江、美濃、飛騨、信濃、上野、下野、出羽、陸奥の8ヵ国があった。

「北陸道」には若狭、越前、加賀、能登、越中、越後、佐渡の7ヵ国があった。

「山陽道」には播磨、美作、備前、備中、備後、安芸、周防、長門の8ヵ国があった。

「山陰道」には丹波、丹後、但馬、因幡、伯耆、出雲、岩見、隠岐の8ヵ国があった。

「南海道」には紀伊、淡路、讃岐、伊予、阿波、土佐の6ヵ国があった。

「西海道」には筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、大隅、薩摩、壱岐、対馬の11ヵ国があった。

 日本の旧国を面白がって日本をまわるようになったのは、民俗学者の宮本常一先生が所長をされていた日本観光文化研究所で日本を歩かせてもらうようになった30代からのことである。

 地図を見ると、まずは旧国の国境に赤線を引いた。

 その当時、ぼくは昭文社の「分県地図」を一番使っていたが、どの分県地図にも旧国の国境線が赤線で引かれている。

 繰り返していうが、日本という国は旧国単位で見ていく方がはるかに面白い。

 たとえば静岡県だったら伊豆、駿河、遠江で、愛知県だったら三河と尾張で、岐阜県だったら美濃と飛騨で見ていくという旅の仕方だ。

 バイク旅の良さは国境がよくわかることだ。国境では必ずバイクを止めるカソリ。峠や大河のようなわかりやすい国境はいいのだが、たとえば伊豆と駿河のような通り過ぎたのも気がつかないような国境では、何度も行き来した。そして旧東海道の幅2、3メートルほどの川(境川)が国境になっているのを確認したようなこともある。

 我々日本人のDNAには千何百年もの旧国の歴史がしみついているので、各国には国独特の文化や気質が色濃く残っている。それを見ていけるのがバイクツーリングのよさであり、それがバイクツーリングのおもしろさだと思っている。

 ということで「ジクサー150での中国一周」では、中国の全11ヵ国をまわろうと計画した。それぞれの国には国のシンボルの一宮がある。「中国一周」では全11ヵ国の「一宮めぐり」をした。

 一宮は日本全国68ヵ国のすべてに残っているので、旧国を見るのには絶好なポイント。おまけにどの一宮にも豊かな自然の鎮守の森があり、今や人気のパワースポットになっている。一宮めぐりでの「中国一周」というのは、スタンプラリーを楽しみながら中国地方を走るようなものだ。

150ccバイク、ジクサーの走り

東名の東京料金所。ジクサー150での高速一気走りの始まりだ

東名の東京料金所。ジクサー150での高速一気走りの始まりだ

11時45分、東名の富士川SAに到着。ここで昼食

11時45分、東名の富士川SAに到着。ここで昼食

富士川SAの「カレーライス」

富士川SAの「カレーライス」

14時45分、東名の上郷SAに到着。ここで初めての給油

14時45分、東名の上郷SAに到着。ここで初めての給油

17時50分、中国道の西宮名塩SAに到着。ここではコーヒータイム

17時50分、中国道の西宮名塩SAに到着。ここではコーヒータイム

18時30分、中国道の加西SAに到着。ここでは夕食

18時30分、中国道の加西SAに到着。ここでは夕食

加西SAには五百羅漢像が建っている

加西SAには五百羅漢像が建っている

加西SAの「とんかつ御膳」

加西SAの「とんかつ御膳」

「スズキ二輪」の東京サービスセンターを出発すると水戸街道から首都高に入り東名へ。何しろ150ccバイクのジクサーなので、高速走行が一番の心配だった。ところが東名を走り出してすぐにその不安は吹き飛んだ。100キロぐらいで平気で走れるし、遅い車はまったく問題なく追い越していける。

 まいったのは雨…。神奈川県から静岡県に入ると雨が降り出し、足柄SAで雨具を着た。御殿場を過ぎると雨は本降りになった。

 11時45分、富士川SAに到着。ここで昼食の「カレーライス」を食べた。

 東名を走りつづけ、愛知県に入った。

 上郷SAで最初の給油。東京から348キロ地点だ。燃料計の警告灯が点滅した時点での給油で9・00リッター入った。燃費は1リッター当たり38・6キロ。タンク容量は12リッターなので、まだ3リッター分の116キロ走れる。計算上、高速でも500キロ近く走れることがわかった。

 東名→名神と走り、岐阜県に入った。

 関ヶ原を越えて関西に入ると、雨は止んだ。

 吹田JCTから中国道を行く。

 17時50分、西宮名塩SAに到着。眠気覚ましのコーヒーを飲む。

 18時30分、加西SAに到着。ここで夕食。「とんかつ御膳」を食べた。

 とんかつでパワーをつけたところで、夜の中国道を走る。ジクサー150のライトは明るいのでナイトランが楽だ。作用ICを過ぎ、杉坂峠のトンネルを抜けると岡山県。関西から中国に入ると、また雨が降り出した。

「中国」の第一国目の美作に入った。最初のICは作東IC(美作市)だ。

 東京を出てから11時間後の20時20分、722キロを走って、岡山県の津山ICに到着。まずは給油だ。11・07リッター入った。燃費は1リッター当たり33・5キロ。高速道を100キロから110キロぐらいで走りつづけたので上出来だ。

 ジクサー150の高速走行はまったく問題なし。というか、150ccとは思えないほどの走りの良さで、「小さな巨人」を感じさせるほどだった。

 美作の中心地、津山は土砂降りの雨。ズブ濡れ状態で今晩の宿「津山セントラルホテル」に到着。部屋中を満艦飾にして濡れたウエアーを干し終わると、缶ビールで「中国」に乾杯するのだった。

加西SAを出発20時45分、中国道の津山ICに到着。東京から722キロ走っての到着だ津山でこの日、2度目の給油。ジクサー150よ、ご苦労さん!

加西SAを出発 20時45分、中国道の津山ICに到着。東京から722キロ走っての到着だ 津山でこの日、2度目の給油。ジクサー150よ、ご苦労さん!

Comments

Comments are closed.

  • 新刊紹介


    タンデムスタイル No.222
    9月24日発売

    賀曽利隆の分割日本一周

    北海道編


    アンダー400 No.84
    9月4日発売

    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    南会津・前編

  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • アーカイブ

  • メルマガ「カソリング」

    賀曽利隆の「東アジア走破行」配信中
    メルマガ購読・解除
     
  • ツーリングマップル

    カソリのメッセージ
    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税

Scroll Up