カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[198日目]

投稿日:2019年5月24日

下北半島の温泉めぐり

東部編 24日目(2007年7月13日)

 薬研温泉「古畑旅館」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、塩ジャケ、玉子焼、ナガイモ、青菜、煮物、漬物の朝食を食べる。食べ終わったときは生き返ったようだ。食後のコーヒーを飲みながら、隣のテーブルの夫婦と話す。信州から来た2人。「私たちは年金生活だから毎日が日曜日」とうらやましいことをいっている。そんな2人は「東北旅」の綿密な計画を立て、計画書をつくり、宿もすべて事前に、それもかなり前に予約を入れている。ぼくが「毎日の宿はいつも午後になってから決めています。夜になってから決めることも多いんですよ」というと、びっくりした顔をする。温泉宿は何日も前に予約を入れておかないと、泊まれないものだと思っているようだ。ましてや飛び込みで泊まるだなんて…、2人には信じられないようなことだった。

 第1湯目は奥薬研温泉。ここではまず「河原の湯」に入る。無料湯の混浴露天風呂。上下2段の湯船で上段は熱めの湯、下段は温めの湯。奥薬研渓流を目の前に眺めながら湯につかる。つづいて「かっぱの湯」。ここも無料湯の混浴露天風呂。湯船のふちにはかっぱ像。最後は「夫婦かっぱの湯」に入る。ここは男女別の露天風呂で入浴料金200円。目の前を薬研渓流が流れている。

 第2湯目は恐山温泉。862年に慈覚大師によって開かれた恐山は「日本三大霊場」のひとつに数えられている。500円の入山料を払って中に入ると、地獄めぐりもしないで温泉に直行。硫黄のにおいが漂う境内には4湯の湯屋がある。4湯とも素朴感あふれる木造りの湯屋。「古滝の湯」→「冷抜の湯」→「薬師の湯」→「花染の湯」という順番で4湯をめぐったが、女湯の「古滝の湯」以外の3湯には入れた。「冷抜の湯」と「薬師の湯」は男湯、「花染の湯」は混浴湯。どこも木の湯屋、木の洗い場、木の湯船。総木造りだなんて、今の時代では最高の贅沢だ。白濁湯には酸味があり、強い硫黄臭がする。

 第3湯目は湯坂温泉。恐山カルデラの宇曽利湖を見下ろす民宿&食堂「しゃくなげ荘」の湯に入る。恐山温泉と似たような白濁湯。湯につかるとチクリと刺すような刺激がある。湯の味は酸味ではなく甘味。それも砂糖を溶かしたかのようなかなりの甘味なのである。

 これらの3湯に入ると、薬研温泉経由で国道279号に戻り、本州最北端の大間崎に向かっていく。

 第4湯目は下風呂温泉の共同浴場「大湯」。木の湯屋、木の洗い場。熱めの湯と温めの湯、2つの湯船。温めの湯でもかなり熱い。白濁の湯には酸味がある。「大湯」にはツバメが集まってくる。ツバメは温泉が好きなのだ。

 第5湯目は桑畑温泉「湯ん湯ん♪」の湯。大浴場と露天風呂。ともに鼠色がかった湯の色をしている。泉質はナトリウム・カルシウム・塩化物泉。露天風呂からは津軽海峡の水平線を一望。水平線上の北海道がよく見える。湯から上がると昼食。「布海苔ラーメン」を食べた。麺のつなぎにフノリを使ったラーメンで、麺は緑色をしている。

 大間崎に到着したのは13時35分。やっと雨が上がり、青空が顔をのぞかせている。北海道がはっきり見える。

 第6湯目は本州最北の大間温泉。「海峡保養センター」の湯に入る。ほぼ無色透明の塩分のかなり濃い湯。湯から上がると浮き浮きした気分で青空のもとを走り出したが、あっというまに梅雨空に戻った。大間の一角だけが晴れていたのだ。

 第7湯目は脇野沢温泉「保養センター」の湯。ほぼ無色透明で塩分の濃い湯だ。

 第8湯目は和白温泉「ふれあい温泉」の湯。大浴場の薄茶色をした湯につかる。無味無臭の湯だ。

 第9湯目は湯野川温泉「濃々園」の湯。大浴場と露天風呂。源泉は54・4度。高温の湯なので、内風呂は加水してジャスト適温。ここにもツバメが来ている。「ツバメは温泉が好きだ」とますます確信した。

 第10湯目は板子塚温泉「スパウッド観光ホテル」の湯。木の湯船にどっぷりつかる。無色透明の湯で源泉は60・2度。泉質はナトリウム・硫酸塩・塩化物泉。

 第11湯目はむつ矢立温泉「むつ矢立温泉」の湯。ここは恐山の麓の温泉で、びっくりするほど混んでいた。濁り湯につかる。かなり塩分の濃い湯で源泉は51・5度。ここを最後に下北半島の中心、むつの町に戻ってきた。

 19時30分、今晩の宿、斗南温泉「むつグランドホテル」に到着。ありがたいことに夕食を用意してくれた。まずはレストランでの夕食。大ジョッキの生ビールを飲みながら海鮮網焼きを食べる。肉厚のホタテやイカ、小魚類は鮮度抜群なので、じつにうまい。そのあと刺身やサラダ、豆腐、肉料理でご飯を食べた。夕食を食べ終えたところで第12湯目の「宿湯」に入るのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 薬研温泉「古畑旅館」
朝食 薬研温泉「古畑旅館」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、玉子焼、ナガイモ、青菜、煮物、漬物
8時15分 薬研温泉「古畑旅館」を出発
2039湯目 奥薬研温泉「河原の湯」(無料)
奥薬研温泉「かっぱの湯」(無料)
奥薬研温泉「夫婦かっぱの湯」(200円)
2040湯目 恐山温泉「冷抜の湯」(無料・入山料500円)
恐山温泉「薬師の湯」(無料・入山料500円)
恐山温泉「花染の湯」(無料・入山料500円)
2041湯目 湯坂温泉「しゃくなげ荘」(200円)
木野部峠(峠越え)
2042湯目 下風呂温泉「大湯」(300円)
2043湯目 桑畑温泉「湯ん湯ん♪」
昼食 桑畑温泉「湯ん湯ん♪」 布海苔ラーメン(500円)
大間崎
2044湯目 大間温泉「海峡保養センター」(370円)
2045湯目 脇野沢温泉「保養センター」(250円)
阿部城温泉(その他)
2046湯目 和白温泉「ふれあい温泉」(350円)
2047湯目 湯野川温泉「濃々園」(350円)
2048湯目 板子塚温泉「スパウッド観光ホテル」(450円)
下北温泉(廃業湯)
城ヶ沢温泉(廃業湯)
2049湯目 むつ矢立温泉「むつ矢立温泉」(390円)
19時 斗南温泉「むつグランドホテル」(1泊2食10650円)
2050湯目 斗南温泉「むつグランドホテル」
夕食 斗南温泉「むつグランドホテル」 ご飯、味噌汁、海鮮網焼き(ホタテ、イカ、小魚)、刺身、肉料理、サラダ、豆腐
本日の走行距離数 244キロ
本日の温泉入浴数 12湯

薬研温泉「古畑旅館」の朝湯に入る「古畑旅館」の朝食奥薬研温泉「河原の湯」

薬研温泉「古畑旅館」の朝湯に入る 「古畑旅館」の朝食 奥薬研温泉「河原の湯」

奥薬研温泉「かっぱの湯」奥薬研温泉「夫婦かっぱの湯」恐山の菩提寺

奥薬研温泉「かっぱの湯」 奥薬研温泉「夫婦かっぱの湯」 恐山の菩提寺

恐山温泉「花染の湯」「花染の湯」の湯船湯坂温泉「しゃくなげ荘」

恐山温泉「花染の湯」 「花染の湯」の湯船 湯坂温泉「しゃくなげ荘」

国道279号の木野部峠からの眺め下風呂温泉「大湯」「大湯」の湯船

国道279号の木野部峠からの眺め 下風呂温泉「大湯」 「大湯」の湯船

桑畑温泉「湯ん湯ん♪」「湯ん湯ん♪」の湯「湯ん湯ん♪」の「布海苔ラーメン」

桑畑温泉「湯ん湯ん♪」 「湯ん湯ん♪」の湯 「湯ん湯ん♪」の「布海苔ラーメン」

本州最北端の大間崎に到着大間温泉「海峡保養センター」仏ヶ浦を見下ろす

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脇野沢温泉「保養センター」「保養センター」の湯湯野川温泉「濃々園」

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斗南温泉「むつグランドホテル」の夕食

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