カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[114日目]

投稿日:2018年6月16日

24畳の大部屋に泊まる

四国編 15日目(2007年3月24日)

 足摺温泉「足摺テルメ」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、焼き魚、半熟卵、豆腐、サラダ、煮物、漬物の朝食を食べ、9時に出発。まずは足摺岬を歩いた。38番札所の金剛福寺を参拝し、緑のトンネルの小道を歩き、四国最南端の足摺岬の突端に立った。風が強い。白い灯台の下の岩礁には太平洋の荒波が当り、砕け散っている。これが黒潮の匂いとでもいうのだろうか、暖かな風には南国の潮の香がした。

 足摺岬から中村へ。

 第1湯目は前夜、入れなかった海癒の湯温泉の日帰り湯「海癒の湯」。10時オープンで一番湯に入った。湯には肌に幕が張るようなツルツル感がある。これほどツルツルしている湯は高知県内ではほかにない。モスグリーンの湯の色。湯から上がると、ここの主人と話した。温泉に対しては強いこだわりを持っている方。泉質の良さを保つために、消毒剤は極力、使わないようにしているという。消毒剤は使えば使うほど、温泉の成分を殺してしまうからだという。そのため入浴料を950円と高めに設定し、入浴者数を抑えているという。「海癒の湯」は湯治型の温泉を目指している。開業してまもないが、隣には湯治用の高層の宿泊施設もできている。「温泉力」と足摺岬に近いこの地の温暖な「自然力」でもって、多くの人たちを癒したいのだという。

 四万十市の中心、中村に戻ってきた。ここからは中村を拠点にして、昨日にひきつづいて四万十川の温泉をめぐる。足摺岬で小雨程度だった雨は、中村まで来ると本降りになっている。雨中の温泉めぐりだ。

 第2湯目は四万十川河口の四万十いやしの里温泉。四万十川の河口を見下ろす高台に「四万十いやしの湯」がある。大浴場と露天風呂。露天風呂は海水を沸した湯。湯から上がると、ザーザー降りの雨をついて中村に戻った。

 四万十市の中村からは国道56号で四万十町の窪川へ。その途中で井の岬温泉と佐賀温泉の2湯に入る。

 第3湯目の井の岬温泉は井の岬のすぐ近くにある温泉。内風呂のみで、湯につかりながら目の前の海を眺める。ツルツル感のある湯。海を間近に眺める気分がたまらない。湯から上がると食堂で昼食。「磯定食」を食べた。大きな椀に入った伊勢エビの汁つきの「刺身定食」だ。

 第4湯目の佐賀温泉は国道56号沿いにある温泉。「ニュー佐賀温泉ゆ〜ゆ〜」の湯に入る。ここは泉質自慢の温泉。玄関には「四国唯一の高濃度天然温泉」と書かれている。硫黄泉の湯につかりながらトラックの運転手と「湯の中談義」。鹿児島の人で、カツオを高知に運んだ帰りだという。枕崎とか山川に水揚げされたカツオを高知まで運んだということなのだろう。「何度もこの前を通っていて、看板は見ていたんで、いつかは入ろうと思っていたんだよ」という。きっと温泉の好きな人なのだろう。「兄さん、クニはどこだい?」と聞かれ、「相模です」というのも何となく気恥ずかしくて、「神奈川です」と答えておいた。

 四万十町の窪川に戻ってきた。

 前日は県道19号で四万十川の上流に向かったが、今日は国道381号で大正へ、下流へと向かっていく。

 大正では昨日は入りそこねた大正温泉の「ウエル花夢」に行く。今日はやっている。「これで大正温泉に入れる!」と喜んだのもつかのま、受付の若い女性は「ここは大正温泉ではありません」という。さらに「よく間違えられるんです」ともいった。彼女は「ほら、あそこに白っぽい2階建ての建物がみえるでしょ。そのわきにちょこんと見えているのが大正温泉よ」とていねいに教えてくれた。だが、残念ながら休業中だという。入れなくてもいいからと、温泉宿の「大正温泉」を見るだけは見ておいた。

 第5湯目は一の又渓谷温泉。ここも前日、入りそこねた温泉だ。国道381号から国道439号に入り、すぐに右折。数キロ、山中に入ったところにある。ここは四国屈指の秘湯だ。一軒宿「一の又渓谷温泉」の湯に入った。内風呂の湯につかりながら一の又渓谷の渓流を眺めたが、ここが高知県最後の温泉になった。

 一の又渓谷温泉から中村へ。国道439号で杓子峠を越えたが、車1台がやっと通れるくらいの狭路。交通量もほとんどない。「徳島−中村」の四国横断ルートの国道439号(途中までは国道438号と重複)はずいぶんと改良が進み、今では2車線区間が増えた。杓子峠越えはそんな国道439号に残された最大の難路だ。

 中村到着は18時。あいかわらず雨が降っている。というよりも、より激しい降り方に変わっている。中村を最後に高知県内の四万十川の温泉めぐりを終えた。

 中村から国道56号で宿毛へ。そして愛媛に入った。ここからは愛媛県の温泉めぐりだ。

 第6湯目は一本木温泉。国道沿いの温泉施設「あけぼの荘」の湯につかったが、浴室内は湯気もうもう。

 第7湯目は熱田温泉。国道からわずかに入った日帰り湯「津島やすらぎの里」の湯に入った。大浴場と露天風呂。露天風呂にはいくつもの湯船がある。大規模な温泉施設だ。

 宇和島到着は21時過ぎ。コンビニの「ローソン」で「のり弁当」を買うと、今晩の宿、高月温泉へ。宇和島駅前から国道320号を行く。トンネルをいくつも抜け、宇和島から10キロほどの峠へ。そこには「水分」のバス停。峠らしくないゆるやかな地形で民家も見える。この「水分」の峠を越えると、今度は愛媛県内の四万十川の水系に入っていく。

 国道320号を右折し、成川渓谷の高月温泉に到着したのは21時45分。土曜日の夜ということもあって、「成川渓谷休養センター」は満室だったが、ちょうどうまい具合に、宴会の終わったあとの部屋なら空いているということでやってきたのだ。12畳の部屋が2つ、合計すると24畳の大部屋に、ぼく1人で泊まるのだ。第8湯目の「宿湯」に入り、湯から上がると、24畳の大部屋で一人ぽつんと、コンビニ弁当の「のり弁当」を食べるのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 足摺温泉「足摺テルメ」
朝食 足摺温泉「足摺テルメ」 ご飯、味噌汁、焼き魚、半熟卵、豆腐、サラダ、煮物、漬物
9時 足摺温泉「足摺テルメ」を出発
1046湯目 海癒の湯温泉「海癒の湯」(950円)
1047湯目 四万十いやしの里温泉「四万十いやしの湯」(630円)
1048湯目 井の岬温泉「井の岬温泉」(600円)
昼食 井の岬温泉「井の岬温泉」 「磯定食」(980円)
1049湯目 佐賀温泉「ニュー佐賀温泉ゆ〜ゆ〜」(500円)
大正温泉 廃業湯
1050湯目 一の又渓谷温泉「一の又渓谷温泉」(840円)
杓子峠 峠越え
愛媛県に入る
1051湯目 一本松温泉「あけぼの荘」(400円)
1052湯目 熱田温泉「津島やすらぎの里」(600円)
21時45分 高月温泉「成川渓谷休養センター」(1泊朝食4500円)
1053湯目 高月温泉「成川渓谷休養センター」
夕食 コンビニ弁当
本日の走行距離数 306キロ
本日の温泉入浴数 8湯

足摺温泉「足摺テルメ」の大浴場「足摺テルメ」の朝湯に入る「足摺テルメ」の朝食を食べる

足摺温泉「足摺テルメ」の大浴場 「足摺テルメ」の朝湯に入る 「足摺テルメ」の朝食を食べる

「足摺テルメ」を出発足摺岬の海足摺岬の灯台

「足摺テルメ」を出発 足摺岬の海 足摺岬の灯台

足摺岬から海沿いの道を行く海癒の湯温泉「海癒の湯」「海癒の湯」の大浴場

足摺岬から海沿いの道を行く 海癒の湯温泉「海癒の湯」 「海癒の湯」の大浴場

四万十いやしの里温泉「四万十いやしの湯」井の岬温泉「井の岬温泉」「井の岬温泉」の湯

四万十いやしの里温泉「四万十いやしの湯」 井の岬温泉「井の岬温泉」 「井の岬温泉」の湯

「井の岬温泉」の「磯定食」「磯定食」の伊勢エビの汁佐賀温泉「ニュー佐賀温泉ゆ〜ゆ〜」

「井の岬温泉」の「磯定食」 「磯定食」の伊勢エビの汁 佐賀温泉「ニュー佐賀温泉ゆ〜ゆ〜」

大正温泉は廃業湯一の又渓谷温泉「一の又渓谷温泉」「一の又渓谷温泉」の湯

大正温泉は廃業湯 一の又渓谷温泉「一の又渓谷温泉」 「一の又渓谷温泉」の湯

「一の又渓谷温泉」の湯に入る杓子峠への道国道439号から見る山里の風景

「一の又渓谷温泉」の湯に入る 杓子峠への道 国道439号から見る山里の風景

杓子峠に到達夕食のコンビニ弁当

杓子峠に到達 夕食のコンビニ弁当  

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