カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

東北四端紀行[7]

投稿日:2017年2月3日

南端編 7 3つ目の明神峠へ

2009年9月10日〜10月9日

東山道の県道76号を行く

東山道の県道76号を行く

東山道の栃木・福島県境の明神峠

東山道の栃木・福島県境の明神峠

明神峠の「従是北白川領」の石碑

明神峠の「従是北白川領」の石碑

 国道294号の芦野から道の駅「東山道 伊王野」のある伊王野へ。伊王野からは古代日本の官道の東山道に相当するルートで再度、福島県境に向かっていく。相棒のスズキDR−Z400Sで旧街道を行く。

 戸中峠を越えて棚倉に通じる県道60号と分岐すると、東山道の県道76号を行く。伊王野から10キロほどで栃木・福島県境の明神峠に到着。この峠が関東と東北を結ぶ最古の峠になる。

 明神峠には「追分の明神」がまつられている。もともとはここも「境の明神」といわれていたようだ。国道294号の明神峠と同じように関東側には玉津島神社がまつられている。かつては奥州側には住吉神社があったという。峠には「従是北白川領(これより北は白河領)」と彫り刻まれた石塔が立っている。

明神峠の「追分の明神」明神峠を見下ろす

明神峠の「追分の明神」 明神峠を見下ろす

 関東と東北を結ぶ最古のルートで福島県に入ると、県道76号を下っていく。明神峠から3キロほどで「白河関址」に到着。ここは太平洋側の勿来関、日本海側の念珠関と並ぶ「奥州三関」のひとつ。古代日本の北方警備の最前線だった。白河関址には白河神社がまつられている。白河藩主の松平定信の「古関蹟」もある。定信が「この場所こそ、白河の関があったところですよ」とお墨つきを与えた碑、それが「古関蹟」だ。

 芭蕉の「奥の細道」でも白河関は重要なポイント。
「心もとなき日数かさねたるままに、白河の関にかかりて旅心定まりぬ」
 と、「おくのほそ道」でそう書いている。

 芭蕉は白河の関を越えて、「さー、みちのくだ〜!」と気持ちを新たにした。ここには「芭蕉碑」もあるが、それには曽良の随行日記が記されている。

明神峠を福島側に下っていく白河関址白河神社参道

明神峠を福島側に下っていく 白河関址 白河神社参道

白河神社「白河関址」の「古関蹟」「白河関址」の「芭蕉碑」

白河神社 「白河関址」の「古関蹟」 「白河関址」の「芭蕉碑」

「白河関址」前の食堂「やたべ」の「手打ち中華」

「白河関址」前の食堂「やたべ」の「手打ち中華」

谷中温泉「谷中の湯」

谷中温泉「谷中の湯」

東北道の白河ICから一路、東京へ

東北道の白河ICから一路、東京へ

「白河関址」前の食堂「やたべ」で「手打ち中華」を食べた。縮れ系の幅広麺にはしっかりとした腰がある。ちょっと不ぞろいなのがまた好ましい。醤油味のさっぱり系スープ。2枚のチャーシューがなかなかの味だった。
「白河関址」を過ぎるとすぐに旗宿の集落。ここは東山道時代の宿駅。旗宿から県道280号を行ったが、県道沿いの郵便局は「古関郵便局」だし、「和泉式部庵跡」などもあって、「さすが古道」と思わせるものがあった。この県道280号からわずかに入った谷中温泉「谷中の湯」に入っていく。超ディープ系の温泉。温泉宿の案内板、看板は一切ないのでみつけるのが難しい。小さな湯船。若干のにごり湯。湯口は赤茶けてただれている。地元の人にいわせると、じつによく効く湯だという。

 ここを最後に国道289号で白河へ。白河ICから東北道で東京に戻った。

Comments

Comments are closed.

  • おすすめの一冊


    松尾清晴
    ワルキューレ1500cc
    オートバイ地球ひとり旅
    アフリカ編

    鳥影社
    344ページ 1,600円+税

    19年間で140ヵ国、39万㎞を走った松尾さんの地球ひとり旅。その第1弾目として「アフリカ編」が出た。松尾さんのパワーには圧倒されるが、旅への情熱がけた外れに大きい。JRを早期退職して56歳で世界に旅立った松尾さん。「アフリカ編」のあとは、
    「ヨーロッパ編」
    「アメリカ大陸編」
    「シベリア横断・中央アジア編」
    「アジア・オセアニア編」
    「朝鮮半島編」
    「東南アジア編」と出版予定。

    (賀曽利隆)

    御年77歳の海外ツーリングライダー、松尾さんの初めての著書。英語もほとんど話せず、ガイドブックも持たず、地図は高校の授業で使う世界地図帳だけ。まさに行き当たりばったりの旅ながら、何とかなってしまうのだから凄い。私もインド・バラナシでお会いしましたが、ホントに日本語とジェスチャーだけでも通じていました。海外ツーリングを夢見る、すべてのライダーに勇気を与えてくれる本です。

    (荒木優子)

  • 新刊紹介


    モトチャンプ 2021年1月号
    1月6日発売

    クレージージャニー
    第5回


    タンデムスタイル No.225
    12月23日発売

    賀曽利隆の分割日本一周
    関東編


    アンダー400 No.86
    1月6日発売

    賀曽利隆の日帰り林道ガイド
    西伊豆編

  • メルマガ「カソリング」

    賀曽利隆の「東アジア走破行」配信中
    メルマガ購読・解除
     
  • ツーリングマップル

    カソリのメッセージ
    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税

  • 関連サイト

  • サポーターサイト

Scroll Up