カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

アドレス日本巡礼[367]

投稿日:2016年6月5日

知知夫国の国境

秩父三十四ヵ所めぐり 2009年6月18日

第5番語歌堂の山門

第5番語歌堂の山門

第5番語歌堂の本堂

第5番語歌堂の本堂

第6番の卜雲寺

第6番の卜雲寺

第7番法長寺の山門

第7番法長寺の山門

第7番法長寺の本堂

第7番法長寺の本堂

第8番西善寺の山門

第8番西善寺の山門

「秩父三十四ヵ所」の札所めぐりはつづく。

 第5番の語歌堂(長興寺)を参拝。その由来がおもしろい。昔、村の裕福な檀家の本間孫八という風流人が、ふらりと現れた一人の旅僧と徹夜で歌道の奥義を語り合った。旅僧は明け方になると消え去った。孫八は旅僧が観音の化身であったと悟り、旅僧が訪れた堂を「歌を語る堂」、つまり「語歌堂」と名付け、慈覚大師の作と伝えられている准胝観音をまつった。なお准胝観音を本尊にしているのは、「日本百観音霊場」の中でも語歌堂以外だと、「西国三十三ヵ所」第11番の上醍醐寺があるだけだ。

 第6番の卜雲寺からは秩父のシンボルの武甲山が大きく見える。この寺の本尊は聖観音で行基の作。古くは武甲山頂の蔵王権現にまつられていたという。つづいて第7番の法長寺を参拝。本尊は十一面観音でこれも行基の作。「行基菩薩」で知られる行基は奈良時代の高僧。日本に渡来した仏教を庶民に広めた功績は大きい。「行基図」は行基がつくったといわれる最古の日本地図だ。

 第8番の西善寺は「ぼけ封じの寺」として知られている。本尊は十一面観音。山門をくぐると樹齢600年の「こみねもみじ」が目に入る。本堂前の庭いっぱいに大きく枝を張っている。

 西善寺の参拝を終えるとアドレスを走らせ、国道299号で正丸峠まで行く。秩父と武蔵(飯能)を分ける峠。秩父盆地を中心とする秩父は独立国のようなもので、古くは「知知夫国」として一国を成していた。それが武蔵国に吸収され、一緒になった。「秩父三十四ヵ所」の札所めぐりからもわかるように、秩父は古くから開けたところだった。人が住みやすいところでもあった。

第8番西善寺の本堂第9番西善寺の「こみねもみじ」国道299号の正丸峠のトンネル

第8番西善寺の本堂 第9番西善寺の「こみねもみじ」 国道299号の正丸峠のトンネル

Comments

Comments are closed.

  • 新刊紹介


    モトチャンプ 2022年7月号
    6月6日発売

    賀曽利隆の
    クレイジージャニー

  • ツーリングマップル 2022

    カソリのメッセージ
    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄

  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • アーカイブ

  • おすすめの一冊


    松尾清晴
    ワルキューレ1500cc
    オートバイ地球ひとり旅
    アフリカ編

    鳥影社
    344ページ 1,600円+税

    19年間で140ヵ国、39万㎞を走った松尾さんの地球ひとり旅。その第1弾目として「アフリカ編」が出た。松尾さんのパワーには圧倒されるが、旅への情熱がけた外れに大きい。JRを早期退職して56歳で世界に旅立った松尾さん。「アフリカ編」のあとは、
    「ヨーロッパ編」
    「アメリカ大陸編」
    「シベリア横断・中央アジア編」
    「アジア・オセアニア編」
    「朝鮮半島編」
    「東南アジア編」と出版予定。

    (賀曽利隆)

    御年77歳の海外ツーリングライダー、松尾さんの初めての著書。英語もほとんど話せず、ガイドブックも持たず、地図は高校の授業で使う世界地図帳だけ。まさに行き当たりばったりの旅ながら、何とかなってしまうのだから凄い。私もインド・バラナシでお会いしましたが、ホントに日本語とジェスチャーだけでも通じていました。海外ツーリングを夢見る、すべてのライダーに勇気を与えてくれる本です。

    (荒木優子)

  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税

  • 3.11 応援ステッカー

    フォトグラファー小原信好さんが、東北応援ステッカーを作成しました。興味のある方はぜひ小原さんのブログ
    https://ameblo.jp/hokkaider/entry-10852098083.html

    をチェックしてください。ステッカーの元データは上記の写真をクリックすることでもダウンロードできます。