カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

アドレス日本巡礼[251]

投稿日:2015年4月3日

震災前の神戸港

西国三十三ヵ所めぐり 2009年5月22日

IMG_4779

神戸港のポートタワー

IMG_4780

神戸港の中突堤

 メリケン波止場から神戸港のシンボルのポートタワーへ。

 神戸港は1995年1月17日の「阪神淡路大震災」で壊滅的な被害を受けたが、それ以前に、このポートタワーの下から出る観光船で神戸港を一周したことがある。

 そのときの様子をお伝えしよう。

 ポートタワー下の「中突」と呼ばれる中突堤の船着場から出航すると、大小さまざまな倉庫の立ち並ぶ岸壁沿いに遊覧船は進んだ。川崎重工のドック前では、イギリスの巨大な貨物船がドック入りを待って停泊中。あまりの船の大きさに驚かされた。船上で働く人の姿が豆粒のように見えた。その先には「兵突」といわれる3本の突堤。三菱重工のドックを見て、和田岬の灯台へ。ここで遊覧船は船首を北に向けた。

「中突」の向こうに神戸が見える。再度山、麻耶山、そして六甲山へとつづく山並みを背にして、神戸の細長い帯のような町並みが東西に延びている。一番左の和田岬から三菱重工のドック、兵突、川崎重工のドックとつづき、その後には元町や三ノ宮が繁華街になる以前の神戸の繁華街、新開地の町並みが見える。その背後が鵯越になる。

 目を右に移していくと、ビーナスブリッジが小さく見え、その向こうには山頂に錨の形に木を植えた錨山、そのすぐ隣には神戸市のマークをつけた市章山が見える。この2つの山の下あたりが花隈のあたりだ。その右手には兵庫県庁がある。ポートタワーの背後に広がるのは神戸の中心の元町や三ノ宮の町並み。中突の隣がメリケン波止場で、その右には3つの突堤が見える。第一突堤は中国船が優先だとのことで、五星紅旗を掲げた中国船が停泊していた。第三突堤には神戸税関がある。税関を通ってフラワーロードをまっすぐ行けば、三ノ宮の駅前に出る。

 遊覧船がポートアイランドに近づくと、当時は「世界一」といわれたコンテナヤードが目の前に見えてくる。第四突堤にはノルウェーの豪華客船が停泊していた。ここは外国の旅客船を迎えるためのもので、当時は「東洋一」のポートターミナルといわれた。その四突とポートアイランドを結ぶのが真紅の神戸大橋。橋をくぐると、三井桟橋、第五、第六、第七、第八と突堤がつづく。第七は穀物専用、第八はヨーロッパ航路専用の突堤。第八突堤の向こうには麻耶山が見える。麻耶山から六甲山へと連なる山並みはなだらかで、標高931メートルの六甲山を過ぎると急激に低くなり、山並みが消える。そのあたりが宝塚になる。八突の東側に大きな4本の突堤が見える。麻耶埠頭だ。麻耶埠頭の背後の町並みが灘五郷。六甲の恵(水)を受けた日本一の酒造地帯だ。

 こうして遊覧船は1時間ほどの「神戸港一周」を終えて中突堤の船着場に戻ったが、それは阪神淡路大震災の1年前のことだった。

Comments

Comments are closed.

  • 新刊紹介


    モトチャンプ 2022年7月号
    6月6日発売

    賀曽利隆の
    クレイジージャニー

  • ツーリングマップル 2022

    カソリのメッセージ
    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄

  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • アーカイブ

  • おすすめの一冊


    松尾清晴
    ワルキューレ1500cc
    オートバイ地球ひとり旅
    アフリカ編

    鳥影社
    344ページ 1,600円+税

    19年間で140ヵ国、39万㎞を走った松尾さんの地球ひとり旅。その第1弾目として「アフリカ編」が出た。松尾さんのパワーには圧倒されるが、旅への情熱がけた外れに大きい。JRを早期退職して56歳で世界に旅立った松尾さん。「アフリカ編」のあとは、
    「ヨーロッパ編」
    「アメリカ大陸編」
    「シベリア横断・中央アジア編」
    「アジア・オセアニア編」
    「朝鮮半島編」
    「東南アジア編」と出版予定。

    (賀曽利隆)

    御年77歳の海外ツーリングライダー、松尾さんの初めての著書。英語もほとんど話せず、ガイドブックも持たず、地図は高校の授業で使う世界地図帳だけ。まさに行き当たりばったりの旅ながら、何とかなってしまうのだから凄い。私もインド・バラナシでお会いしましたが、ホントに日本語とジェスチャーだけでも通じていました。海外ツーリングを夢見る、すべてのライダーに勇気を与えてくれる本です。

    (荒木優子)

  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税

  • 3.11 応援ステッカー

    フォトグラファー小原信好さんが、東北応援ステッカーを作成しました。興味のある方はぜひ小原さんのブログ
    https://ameblo.jp/hokkaider/entry-10852098083.html

    をチェックしてください。ステッカーの元データは上記の写真をクリックすることでもダウンロードできます。