カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

環日本海ツーリング[106]

投稿日:2012年6月30日

ウスリー川源流地帯へ想いを馳せる

 ハバロフスクからウタジオストクに通じるM60(国道60号)沿いのカフェで昼食を食べ、中露国境の町、ダリネレチェンスクへ。ハバロフスクから350キロのダリネレチェンスクは2002年の「ユーラシア横断」で泊まった町なのでなつかしい。
 M60はダリネレチェンスクの町中には入らず、バイパスで町の東側を通過していく。
 ダリネレチェンスクを過ぎたところでバイクを停めて小休止。目の前に見える丘の向こうは中国だ。このあたりは中露国境のすぐそばだ。
 ハバロフスクからダリネレチェンスクまでの中露国境をアムール川支流のウスリー川が流れている。
 ダリネレチェンスクの周辺で何本もの川が合流し、大河、ウスリー川になる。
 そのうちの1本はロシア・中国にまたがる大湖、ハンカ湖から流れてくるスンガチャ川だ。
 ハンカ湖は面積4403平方キロ。琵琶湖の6・5倍もの広さがある大湖で、その北側は東アジアでも有数の大湿地帯。ラムサール条約の登録地で丹頂鶴などの繁殖地になっている。かつてはトキも生息していたという。
 ハンカ湖に流れ込む川は20本以上もあるが、流れ出るのはスンガチャ川1本だけで、中露国境を流れ、ダリネレチェンスクの西側でウスリー川に合流する。
 ロシア沿海州のシホテアリニ山脈からはホール川やアニュイ川、ビキン川など何本もの川がウスリー川に流れ込んでいる。
 ウスリー川は全長897キロ。信濃川の2・5倍の長さがある。ウラジオストクのすぐ近くまでがウスリー川の水系で、ロシアの沿海州はウスリー川とともにあるといっていい。
 1860年の北京条約でロシアはウスリー川以東の地(今の沿海州)を手に入れたが、満州国の時代には、この川をはさんで日本の関東軍とソ連軍が対峙していた。
「ハバロフスク→ウラジオストク」間というのは、このようなウスリー川紀行でもある。
 M60を走っていると、残念ながらウスリー川の流れを見ることはできないが、次の機会にはぜひともハンカ湖やその周辺、シホテアリニ山脈のウスリー川源流地帯を走ってみたい。

ダリネレチェンスク近郊の風景。丘の向こうは中国だ
中露国境のハンカ湖へとつづく大草原


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