カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

旧国名

 古代日本の行政区画は「五畿七道」といわれるように大和、山城、河内、摂津、和泉の畿内の5国を中心に、東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道の7道から成っていた。現在では東海道や北陸道というと街道名として使われているが、もともとは行政区域名だった。古代日本は「道州制」を敷いていた。畿内・七道の下に全部で68ヵ国の国があった。それぞれの国はさらに郡に分けられ、郡の下に里があった。
 大宝元年(701年)に出された大宝律令で「五近七道」の行政区画が定まったわけだが、それから1300年たった今でも68ヵ国の影響は色濃く残っている。
「日本一周」で何がおもしろいかというと、あちらこちらで日本の原点を見られることだ。それだから日本を県単位で見るのではなく、旧国単位で見ていくほうがよりおもしろいことになる。100年ほどの歴史しかない県と違って、旧国には1300年以上の歴史がある。
 日本の全都道府県名をいえる人は多くいると思うが、68ヵ国の旧国名を全部いえる人はそうはいないであろう。この「68ヵ国」は日本を見てまわる上での基本といってもいい。ぜひとも68ヵ国全部をおぼえよう。そうすると日本がよりおもしろくなってくるし、日本がよりおもしろく見えてくるのは間違いない。

五畿七道

国名 略号 都道府県名
畿内
山城(やましろ) 城州(じょうしゅう) 京都(南部)
摂津(せっつ) 摂州(せっしゅう) 大阪(北西部)
兵庫(南東部)
河内(かわち) 河州(かしゅう) 大阪(東部)
和泉(いずみ) 泉州(せんしゅう) 大阪(南西部)
大和(やまと) 和州(わしゅう) 奈良
東山道
陸奥(むつ) 奥州(おうしゅう) 青森・岩手・宮城・福島
出羽(では) 羽州(うしゅう) 秋田・山形
下野(しもつけ) 野州(やしゅう) 栃木
上野(かうづけ) 上州(じょうしゅう) 群馬
信濃(しなの) 信州(しんしゅう) 長野
飛騨(ひだ) 飛州(ひしゅう) 岐阜(北部)
美濃(みの) 濃州(のうしゅう) 岐阜(南部)
近江(おうみ) 江州(ごうしゅう) 滋賀
東海道
常陸(ひたち) 常州(じょうしゅう) 茨城(中部・東部)
下総(しもふさ) 総州(そうしゅう) 千葉(北部)・茨城(西部)
上総(かずさ) 総州(そうしゅう) 千葉(中部)
安房(あわ) 房州(ぼうしゅう) 千葉(南部)
武蔵(むさし) 武州(ぶしゅう) 埼玉・東京・神奈川(東部)
相模(さがみ) 相州(そうしゅう) 神奈川(中部・西部)
甲斐(かい) 甲州(こうしゅう) 山梨
伊豆(いず) 豆州(ずしゅう) 静岡(伊豆半島)
駿河(するが) 駿州(すんしゅう) 静岡(中部)
遠江(とおとうみ) 遠州(えんしゅう) 静岡(西部)
三河(みかわ) 三州(さんしゅう) 愛知(東部)
尾張(おわり) 尾州(びしゅう) 愛知(西部)
伊勢(いせ) 勢州(せいしゅう) 三重(北部・中部)
志摩(しま) 志州(ししゅう) 三重(志摩半島)
伊賀(いが) 伊州(いしゅう) 三重(中西部)
北陸道
越後(えちご) 越州(えっしゅう) 新潟(佐渡島を除く)
佐渡(さど) 佐州(さしゅう) 新潟(佐渡島)
越中(えっちゅう) 越州(えっしゅう) 富山
加賀(かが) 加州(かしゅう) 石川(南部)
能登(のと) 能州(のうしゅう) 石川(北部)
越前(えちぜん) 越州(えっしゅう) 福井(北部)
若狭(わかさ) 若州(じゃくしゅう) 福井(南部)
山陰道
丹後(たんご) 丹州(たんしゅう) 京都(北部)
丹波(たんば) 丹州(たんしゅう) 京都(中部)・兵庫(中東部)
但馬(たじま) 但州(たんしゅう) 兵庫(北部)
因幡(いなば) 因州(いんしゅう) 鳥取(東部)
伯耆(ほうき) 伯州(はくしゅう) 鳥取(西部)
出雲(いずも) 雲州(うんしゅう) 島根(東部)
石見(いわみ) 石州(せきしゅう) 島根(西部)
隠岐(おき) 隠州(いんしゅう) 島根(隠岐)
山陽道
播磨(はりま) 播州(ばんしゅう) 兵庫(南西部)
美作(みまさか) 作州(さくしゅう) 岡山(北部)
備前(びぜん) 備州(びしゅう) 岡山(南東部)
備中(びっちゅう) 備州(びしゅう) 岡山(西部)
備後(びんご) 備州(びしゅう) 広島(東部)
安芸(あき) 芸州(げいしゅう) 広島(西部)
周防(すおう) 防州(ぼうしゅう) 山口(東部)
長門(ながと) 長州(ちょうしゅう) 山口(北西部)
南海道
紀伊(きい) 紀州(きしゅう) 和歌山・三重(南部)
淡路(あわじ) 淡州(たんしゅう) 兵庫(淡路島)
讃岐(さぬき) 讃州(さんしゅう) 香川
伊予(いよ) 予州(よしゅう) 愛媛
阿波(あわ) 阿州(あしゅう) 徳島
土佐(とさ) 土州(としゅう) 高知
西海道
筑前(ちくぜん) 筑州(ちくしゅう) 福岡(北西部)
筑後(ちくご) 筑州(ちくしゅう) 福岡(南部)
豊前(ぶぜん) 豊州(ほうしゅう) 福岡(東部)・大分(北部)
豊後(ぶんご) 豊州(ほうしゅう) 大分(中南部)
肥前(ひぜん) 肥州(ひしゅう) 佐賀・長崎
肥後(ひご) 肥州(ひしゅう) 熊本
日向(ひゅうが) 日州(にっしゅう) 宮崎
大隅(おおすみ) 隅州(ぐうしゅう) 鹿児島(東部・島嶼部)
薩摩(さつま) 薩州(さっしゅう) 鹿児島(西部)
対馬(つしま) 対州(たいしゅう) 長崎(対馬)
壱岐(いき) 壱州(いっしゅう) 長崎(壱岐)

  • 最近の投稿

  • 新刊紹介(賀曽利隆連載中)

    アンダー400 No.64
    6月6日発売


    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    御殿場編

    風まかせ No.62
    5月6日発売


    連載

    「焚火日和」

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • ツーリングマップル

    東北四端紀行・奥の細道紀行に
    最適なナビゲーター

    2017年版発売

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」
    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄


    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」
    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税