カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[63日目]

投稿日:2017年11月17日

呉東から呉西へ

西部編 14日目(2007年1月23日)

 生地温泉の「生地第一温泉」の朝湯に入る。大浴場は「翡翠の湯」。大きな翡翠の原石が置かれている。湯から上がると朝食。エビシュウマイと生たらこ、かまぼこ、魚の昆布締め、黒豆といったもので、食べながら「変わったなあ」という気がした。納豆、卵、のりという「朝食3点セット」の世界ではもうないのだ。

 それと味噌汁はあまりうまくなかった。今朝に限らないが、信州を離れてからというもの、新潟でも富山でも、あまりうまい味噌汁には出会っていない。振り返ってみると、信州では味噌汁のハズレはなかった。さすが「信州味噌」の本場だけあって朝食の味噌汁はじつにうまかった。それともうひとつ、味噌の味に対する慣れもあるだろう。

 9時、生地温泉「生地第一温泉」を出発。まずは富山周辺の温泉をめぐる。

 第1湯目は昨日入れなかったアルプス温泉「アルプスの湯」。ここには一番湯に入った。一緒に入った人はおもしろい人で、「私は何でも一番。田植えも一番、稲刈りも一番」と湯の中談義で言っていた。

 第2湯目は水橋温泉「極楽の湯」。ここは温泉銭湯。湯は茶褐色。ここで湯の中談義をした人は、「オープンしたのは1年ほど前だけど、それ以来、温泉というとここ。ほかには行っていないよ」という。

 第3湯目は富山温泉。「アパホテル」の「スパックス」の湯に入った。大浴場と露天風呂。湯から上がるとレストラン「だんだん」で「昔ながらのカレーライス」を食べた。

 ここからは午後の部の温泉めぐりを開始する。

 第4湯目は長八温泉「花の湯館」。ますずしの「源」の脇から入っていく。大浴場と露天風呂。濃い茶色をした湯につかった。

 第5湯目はファボーレ温泉「ファボーレの湯」。ここは一大ショッピングセンターに隣り合った温泉施設。大浴場と露天風呂。湯滝が流れ落ちている。3つの壺湯にはひとつづつ入った。

 第6湯目はとやま古洞の森温泉「古洞の湯」。2050メートルを掘った大深度温泉。北陸でも最大深度の温泉だという。ここは呉羽丘陵にある温泉。

 呉羽丘陵は神通川の西側に横たわるゆるやかな丘陵だが、この丘陵が富山を「呉東」と「呉西」に二分している。呉東はより東日本的になり、呉西はより西日本的になる。このような大きな境目を自分の目で見てまわれるのがバイク旅の大きな魅力といえる。

 呉羽丘陵の西側に入り、呉東から呉西の温泉めぐりが始まった。

 第7湯目は正権寺温泉「正権寺の湯」。ここの石造りの湯船は小さなもので、3、4人で一杯になる。そこには先客がいた。刺青をした年配の人。一瞬、やばいな…と思ったが、いまさら逃げるわけにもいかない。小さな湯船につかり、さらに携帯で速報用の写真をとらなくてはならない。おそるおそる「いいですか」と聞いてみると、「おー、いいよ。気にするな」との返事。それをきっかけに「刺青さん」との「湯の中談義」は盛り上がった。「兄さん、国はどこだい」と聞かれ、「相模です」というと、「刺青さん」は急に愛想がよくなった。神奈川県の座間市には5年ほどいたとのことで、今は閉鎖されたニッサンの座間工場の建設に従事したという。座間には戦前、士官学校があったそうで、お兄さんはそこの出身で戦死した。「だから座間にはすごく縁がある」という。

 第8湯目は烏賊濱温泉「いかはまの湯」。家庭用のポリ風呂をちょっと大きくした程度の小さな湯船。茶色い湯。湯から上がると、女将さんと立ち話。海から離れているのに何で「イカ」なのか聞いてみると、地名が烏賊濱だからだという。「このあたりからは化石が出ます。それも海のものばかり。小学生のころはよく化石掘りをしたものですよ」と女将さんは言った。

 夕食の「ラーメンライス」を食べ、第9湯目の新湊温泉「海王」の湯に入り、今晩の宿、青井谷温泉「おぐら館」に到着したのは21時15分。第10湯目の宿湯につかったが、心底、ホッとできる一時だ。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 生地温泉「生地第一温泉」
朝食 生地温泉「生地第一温泉」 ご飯、味噌汁、エビシューマイ、タラコ、カマボコ、コンブじめ、黒豆
9時 生地温泉「生地第一温泉」を出発
大谷温泉 12時から…
548湯目 アルプス温泉「アルプスの湯」(600円)
549湯目 水橋温泉「極楽の湯」(370円)
550湯目 富山温泉「スパックス」(1000円)
昼食 「だんだん」 「昔ながらのカレーライス」(600円)
551湯目 長八温泉「花の湯館」(700円)
552湯目 ファボーレ温泉「ファボーレの湯」(800円)
553湯目 とやま古洞の森温泉「古洞の湯」(700円)
太閤山温泉 廃業湯
554湯目 正権寺温泉「正権寺の湯」(400円)
555湯目 烏賊濱温泉「いかはまの湯」(500円)
夕食 「ラーメンライス」(700円)
556湯目 新湊温泉「海王」(600円)
21時15分 青井谷温泉「おぐら館」(1泊朝食5775円)
557湯目 青井谷温泉「おぐら館」
本日の走行距離数 163キロ
本日の温泉入浴数 10湯

生地温泉「生地第一温泉」の朝食生地温泉「生地第一温泉」生地漁港

生地温泉「生地第一温泉」の朝食 生地温泉「生地第一温泉」 生地漁港

JR生地駅前の「生地の名水」生地から眺める立山連峰大谷温泉は12時から。残念ながらパスする

JR生地駅前の「生地の名水」 生地から眺める立山連峰 大谷温泉は12時から。残念ながらパスする

アルプス温泉「アルプスの湯」立山連峰に向かって走る水橋温泉「極楽の湯」

アルプス温泉「アルプスの湯」 立山連峰に向かって走る 水橋温泉「極楽の湯」

富山温泉「スパックス」「だんだん」の「昔ながらのカレーライス」富山の中心街を走る。雪はまったくない

富山温泉「スパックス」 「だんだん」の「昔ながらのカレーライス」 富山の中心街を走る。雪はまったくない

長八温泉「花の湯館」ファボーレ温泉「ファボーレの湯」「ファボーレの湯」の露天風呂

長八温泉「花の湯館」 ファボーレ温泉「ファボーレの湯」 「ファボーレの湯」の露天風呂

「ファボーレの湯」の壺湯正権寺温泉「正権寺の湯」烏賊濱温泉「いかはまの湯」

「ファボーレの湯」の壺湯 正権寺温泉「正権寺の湯」 烏賊濱温泉「いかはまの湯」

夕食の「ラーメンライス」新湊温泉「海王」の露天風呂

夕食の「ラーメンライス」 新湊温泉「海王」の露天風呂  

Comments

Comments are closed.

  • ツイッター

  • 新刊紹介


    アンダー400 No.67
    12月6日発売

    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    道志村


    風まかせ No.65
    11月6日発売

    巻頭特集
    我、ライダーであり続ける男

    生涯旅人・賀曽利 隆

    HO-BO-NIPPON

    奥秩父 峠道の残照

  • ツーリングマップル

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税

  • 携帯からもアクセス

    携帯からのアクセスで不具合が生じました。誠に申し訳ありませんが、パソコン等からアクセスをお願いします。タブレット、スマートフォンからのアクセスは可能です。
  • 3.11 応援ステッカー

    フォトグラファー小原信好さんが、東北応援ステッカーを作成しました。興味のある方はぜひ小原さんのブログ
    http://ameblo.jp/hokkaider/entry-10852098083.html

    をチェックしてください。ステッカーの元データは上記の写真をクリックすることでもダウンロードできます。
Scroll Up