カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[59日目]

投稿日:2017年11月2日

「海から山へ」の温泉めぐり

西部編 10日目(2007年1月19日)

 妙高温泉「妙高ホテル」で迎えた朝。まずは部屋のカーテンを開けて外を見ると、雪がボソボソと降っている。妙高温泉の町並みは一面の雪景色。それもかなりの積雪。ここからうまく国道18号に出られるかどうか…、それが大きな問題だ。考えても仕方ないので、前日分の原稿&写真の送信を終えると、朝湯に入った。昨夜は火傷しそうなほど熱い湯で、「熱湯地獄」を味わったが、今朝は適温。ゆったり気分で入れた。湯から上がると展望レストランで朝食。塩ジャケや玉子焼き、厚揚げなどをおかずに、いつものように「3杯飯」を食べ、9時に出発だ。

 国道18号までは大きな難関。路面の雪は除雪されていたが、すぐに急な下り坂になる。路肩のやわらかな雪の中にフロントタイヤを突っ込ませ、そろりそろりと下った。すこし広い道に出ると、それなりの交通量があるので、路面の雪はシャーベット状になっている。このシャーベット状の雪はそれほど怖くはない。こうして無事に国道18号に出ることができた。国道の路面にはまったく雪はない。まわりの一面の雪景色の中を普通に走っていける。

 雪景色を眺めながら国道18号を下っていくと、何年か前の大雪を思い出す。今回と同じような季節に長野から直江津へとバイクで走った。長野県側はそれほど問題なく走れたが、新潟県側の国道18号にはまったく歯がたたなかった。アイスバーンの上に新雪が積もり、ツルツル滑る。そのため転倒の連続。とにかく対向車線に飛び出さないように気をつけた。すれ違うトラックの運転手は転倒して路面をツーッと滑っていくぼくの姿を指差し、「こんな季節にバイクで…」といった顔をして笑いこけている。また別の運転手は「がんばれよ!」といった顔をして声援を送ってくれる。路面を滑りながらでも、まわりの状況はじつに良く見えるのだ。妙高高原からわずか10キロほどの間で20数回、転倒したが、これはカソリの転倒記録だ。

 第1湯目は妙高山北麓の松ヶ峯温泉「中郷ひばり荘」の湯。湯量豊富な温泉で源泉掛け流し。湯の色は淡黄色。浴室の外は一面の雪景色。湯から上がるとソフトクリームを食べ直江津へ。直江津からは国道8号で富山に向かう。

 ここで景色はガラリと変わる。雪はまったく見られない。トンネルを抜けると日本海が見えてきた。東京・日本橋を出発してから10日目で見る日本海。谷浜海岸では相棒のスズキDJEBEL250XCを止めると、しばらくは日本海を眺めた。ここではひと晩、野宿したことがあるのでなつかしい。冬の日本海。北西の季節風もそれほど強くなく、海もそれほど荒れてなかった。

 第2湯目の桑取温泉へ。北陸道の名立谷浜ICの手前で山中に入っていく。最初のうちは雪がなかったが、5キロほど行くと雪景色に変わっていく。日本海から桑取温泉の日帰り湯「くわどり湯ったり村」までは11キロ。このあたりまで来ると一面の雪景色。わずかな距離だけど、海岸地帯と山間地帯ではずいぶんと違う。その違いが見られておもしろい。「くわどり湯ったり村」の大浴場に入ったあと、露天風呂の湯につかる。露天風呂を吹きぬけていく風の冷たさといったらない。だがそれも、湯につかってしまえばそれほど気にはならない。かえって冷たい風が頭と顔の火照りを冷ましてくれるので気持ちいい。湯から上がると食堂で昼食。「旬彩弁当」を頼んだが、甘エビなどの刺身やゼンマイ、ズイキ、こんにゃくなど海山の6品の料理がついていた。

 国道8号に戻ると、「うみてらす名立」の「ゆらら」は天然温泉ではないのでパス。

 第3湯目の花立温泉へ。ここでも海岸から5キロほど山間部に入ったあたりから雪景色になった。花立温泉「ろばた館」の湯に入る。ここは内風呂のみで、地元のみなさん方と一緒に湯につかった。浴室からは一面の雪景色を見る。

 第4湯目は柵口温泉。ここは国道8号から12キロ地点。やはり5キロを過ぎたあたりから雪景色になり、柵口温泉の周辺は一面の雪景色。柵口温泉には何軒かの温泉宿があるが、ここでは「温泉センター権現荘」の湯に入った。浴室内は湯気がもうもうとたちこめていた。

 第5湯目の長者温泉は国道8号から3キロほど。「ゆとり館」の湯に入った。ここは内風呂のみで、小さな湯船は地元のみなさんで満員状態。その中に入らせてもらい、湯につかりながらみなさん方の地元ならではの話を聞いていた。

 第6湯目は焼山温泉「清風館」の湯。大浴場と露天風呂。露天風呂は木(檜)の湯船。どっぷりと湯につかりながら雪景色を見る。「お〜、これぞ雪見の湯だ」と感動する。

 第7湯目は笹倉温泉「龍雲荘」の湯。大浴場と露天風呂に入ったが、焼山温泉も笹倉温泉も、ともに同じパターンで国道8号から山中に入っていく。国道8号の温泉めぐりはすべてが「海から山へ」の温泉めぐりだ。

 20時に糸魚川に到着。今晩の宿はフォッサマグナ糸魚川温泉の「ホテル糸魚川」。第8湯目の宿湯に入り、湯から上がると、コンビニ弁当の夕食を食べた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 妙高温泉「妙高ホテル」
朝食 妙高温泉「妙高ホテル」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、玉子焼き、厚揚げ、のり、漬物
9時 妙高温泉「妙高ホテル」を出発
512湯目 松ヶ峯温泉「中郷ひばり荘」(600円)
513湯目 桑取温泉「くわどり湯ったり村」(500円)
昼食 桑取温泉「くわどり湯ったり村」 「旬彩弁当」(1200円)
「うみてらす名立」の「ゆらら」 天然温泉ではないのでパス
514湯目 花立温泉「ろばた館」(400円)
515湯目 柵口温泉「権現荘」(310円)
島道温泉 冬期休業で入れず
516湯目 長者温泉「ゆとり館」(250円)
517湯目 焼山温泉「清風館」(500円)
518湯目 笹倉温泉「龍雲荘」(700円)
20時30分 フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」(1泊朝食10400円)
519湯目 フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」
夕食 フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」でコンビニ弁当を食べる
本日の走行距離数 188キロ
本日の温泉入浴数 8湯

妙高温泉の雪景色妙高温泉「妙高ホテル」の朝食妙高温泉の雪道を行く

妙高温泉の雪景色 妙高温泉「妙高ホテル」の朝食 妙高温泉の雪道を行く

松ヶ峯温泉「中郷ひばり荘」「中郷ひばり荘」の周辺は一面の雪原妙高の山並みを見る

松ヶ峯温泉「中郷ひばり荘」 「中郷ひばり荘」の周辺は一面の雪原 妙高の山並みを見る

上越の谷浜海岸で日本海を見る桑取温泉への道桑取温泉「くわどり湯ったり村」

上越の谷浜海岸で日本海を見る 桑取温泉への道 桑取温泉「くわどり湯ったり村」

「くわどり湯ったり村」の「旬彩弁当」「うみてらす名立」の「ゆらら」は天然温泉ではないのでパス花立温泉への道

「くわどり湯ったり村」の「旬彩弁当」 「うみてらす名立」の「ゆらら」は天然温泉ではないのでパス 花立温泉への道

花立温泉「ろばた館」柵口温泉「権現荘」長者温泉「ゆとり館」

花立温泉「ろばた館」 柵口温泉「権現荘」 長者温泉「ゆとり館」

焼山温泉「清風館」「清風館」の湯笹倉温泉「龍雲荘」

焼山温泉「清風館」 「清風館」の湯 笹倉温泉「龍雲荘」

「龍雲荘」の入浴プログラム夕食のコンビニ弁当

「龍雲荘」の入浴プログラム 夕食のコンビニ弁当  

Comments

Comments are closed.

  • ツイッター

  • 新刊紹介


    風まかせ No.65
    11月6日発売

    巻頭特集
    我、ライダーであり続ける男

    生涯旅人・賀曽利 隆

    HO-BO-NIPPON

    奥秩父 峠道の残照


    アンダー400 No.66
    10月6日発売

    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    番外編

  • ツーリングマップル

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税

  • 携帯からもアクセス

    携帯からのアクセスで不具合が生じました。誠に申し訳ありませんが、パソコン等からアクセスをお願いします。タブレット、スマートフォンからのアクセスは可能です。
  • 3.11 応援ステッカー

    フォトグラファー小原信好さんが、東北応援ステッカーを作成しました。興味のある方はぜひ小原さんのブログ
    http://ameblo.jp/hokkaider/entry-10852098083.html

    をチェックしてください。ステッカーの元データは上記の写真をクリックすることでもダウンロードできます。
Scroll Up