カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[58日目]

投稿日:2017年10月26日

日本の豪雪地帯に突入だ

西部編 9日目(2007年1月18日)

 穂波温泉「日野屋旅館」の朝湯では、5階屋上の露天風呂に入った。総檜造りの円形の湯船。どっぷりと湯につかったときの気持ちよさといったらない。源泉掛け流し。露天風呂からは湯田中・渋温泉郷から志賀高原を一望。湯から上がると朝食。熱々の茶碗蒸しつき。宿の主人は「この季節によくぞバイクで来てくれました」とあいさつに来てくれた。しばらくは宿の主人との話になる。「大きなバイクに乗ってくる常連さんがいたんだけど、結婚したらぱたっと来なくなって。そしたらこの前、車に奥さんと子供を乗せてやってきましたよ。バイクはって聞くと、もうやめましたって…。あんなにバイクの好きな人だったのにねえ」

 9時、穂波温泉「日野屋旅館」を出発。まずは信州の温泉をめぐる。

 第1湯目は湯ノ入温泉「もみじ荘」の「もみじの湯」。ここは豊田温泉公園にある日帰り温泉施設。内風呂と露天風呂があるが、冬期間は露天風呂閉鎖なので、内風呂の湯につかった。

 第2湯目は豊野温泉「りんごの湯」。ここは大規模な日帰り温泉施設。大浴場と露天風呂。露天風呂の濁り湯にはどっぷりつかった。

 第3湯目はむれ温泉「天狗の館」の湯。入口には「飯綱三郎天狗」の大きな面が飾られている。大浴場と露天風呂。外は一面の雪景色。こうして温泉に入っているときだけは天国だ。湯から上がると、ここで昼食にする。「野菜カレー」を頼んだのだが、できるまでの5分間は「5分寝」で熟睡。温泉に入ったあとのこの短い眠りはものすごく効果がある。

 こうして信州の3湯に入ったあとは国道18号を北上し、長野県から新潟県へ。日本の豪雪地帯に突入だ。まずは妙高山周辺の温泉をめぐる。

 第4湯目は杉野沢温泉の日帰り湯「苗名の湯」。ここは内風呂のみで強酸性の湯。近くには「日本の滝100選」の苗名の滝があるが、それにちなんでの「苗名の湯」。

 第5湯目は池の平温泉。妙高山東麓の池の平スキー場に隣接した温泉地だ。ここではデカデカと書かれた「黒泥湯露天風呂」にひかれ、日帰り湯「ランドマーク妙高高原」の湯に入った。大浴場と露天風呂に入ったが、ともに湯は若干の色つき湯程度。「おい、おい、いったいどこに泥湯があるんだよ」といいたくなるような温泉だ。

 第6湯目は新赤倉温泉の温泉旅館「新赤倉館」の湯。石の湯船。硫酸塩炭酸水素塩泉の湯は若干の色つき。さすが豪雪地帯、目の前のスキー場の積雪は中途半端なものではなかった。

 第7湯目は赤倉温泉。ここでは「赤倉荘」の湯に入ったが、「加水・加温・循環・消毒一切なし」の貼紙が誇らしげ。なお、新赤倉温泉の湯は赤倉温泉から分湯されている。

 ここからが勝負だ。どうしても関温泉から燕温泉までは行きたい。赤倉温泉から関温泉、燕温泉への道は冬期閉鎖なので、いったん国道18号を下り、大回りをして登っていく。ちょっと拍子抜けしたが、路面に雪はなかった。すでに日暮れが迫っているので、関温泉を素通りして、先に燕温泉まで登っていく。その途中から雪が降り始め、あっというまに激しい降りになった。

 かろうじて第8湯目の燕温泉にたどり着いた。温泉街の手前の雪中に相棒のスズキDJEBEL250XCを止め、雪道を歩いた。まわりの雪積はすさまじいもので、ワーッと迫ってくるような圧迫感がある。大半の宿は休業中だったが、明かりのついている「ホテル岩戸屋」で入浴させてもらい、内風呂と露天風呂に入った。

 燕温泉からは恐怖の下り。激しく吹きつけてくる雪の中をそろそろと下っていく。ヘルメットのシールドにはびっしりと雪がこびりつき、まったく使えるような状態ではないので裸眼で走る。雪は際限なく目の中に突き刺さってくる。

 第9湯目の関温泉では「旅館せきぜん」の湯に入った。薄茶色の湯につかっている間だけ、「雪地獄」を忘れることができた。関温泉で新たな「温泉パワー」を得ると、降りしきる雪をついてさらに下っていく。道はまるで真綿を敷き詰めたかのような雪原。それがさらに下ると路面の雪は急速に少なくなり楽に走れるようになった。ほんのわずかな高低差でここまで違う。国道18号まで下ると、雪は雨に変わった。冬の雨は辛いものだが、このときばかりは天国の恵みのように思えた。

 JR妙高高原駅前の「やおとく食堂」で夕食。「ごもくらーめんライス」を食べると、今晩の宿、妙高温泉の「妙高ホテル」へ。ここの湯は超熱め。水を入れる蛇口もないので、「よーし!」と気合を入れて第10湯目の宿湯につかった。湯から上がると、体は真っ赤。「雪中地獄」のあとは「熱湯地獄」だった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 穂波温泉「日野屋旅館」
朝食 穂波温泉「日野屋旅館」 ご飯、味噌汁、茶碗蒸し、塩ジャケ、煮物、煮こぶ、のり、漬物
9時 穂波温泉「日野屋旅館」を出発
502湯目 湯ノ入温泉「もみじの湯」(500円)
503湯目 豊野温泉「りんごの湯」(400円)
504湯目 むれ温泉「天狗の館」(500円)
昼食 むれ温泉「天狗の館」 「野菜カレー」(700円)
新潟県に入る
505湯目 杉野沢温泉「苗名の湯」(450円)
506湯目 池の平温泉「黒泥湯露天風呂」(735円)
507湯目 新赤倉温泉「新赤倉館」(500円)
508湯目 赤倉温泉「赤倉荘」(500円)
509湯目 燕温泉「ホテル岩戸屋」(700円)
510湯目 関温泉「せきぜん」(500円)
夕食 JR妙高高原駅前「やおとく食堂」 「ごもくらーめんライス」(750円)
19時30分 妙高温泉「妙高ホテル」(1泊朝食8000円)
511湯目 妙高温泉「妙高ホテル」
本日の走行距離数 118キロ
本日の温泉入浴数 10湯

穂波温泉「日野屋旅館」の展望露天風呂「日野屋旅館」の展望露天風呂からの眺め「日野屋旅館」の朝湯に入る

穂波温泉「日野屋旅館」の展望露天風呂 「日野屋旅館」の展望露天風呂からの眺め 「日野屋旅館」の朝湯に入る

「日野屋旅館」の朝食湯ノ入温泉「もみじ荘」に到着「もみじ荘」の入口

「日野屋旅館」の朝食 湯ノ入温泉「もみじ荘」に到着 「もみじ荘」の入口

豊野温泉「りんごの湯」の入口信州の雪道を行くむれ温泉「天狗の館」に近づくとさらに雪が多くなる

豊野温泉「りんごの湯」の入口 信州の雪道を行く むれ温泉「天狗の館」に近づくとさらに雪が多くなる

「天狗の館」に到着「天狗の館」の入口の「飯綱三郎天狗」「天狗の館」の露天風呂

「天狗の館」に到着 「天狗の館」の入口の「飯綱三郎天狗」 「天狗の館」の露天風呂

「天狗の館」の露天風呂に入る「天狗の館」の「野菜カレー」国道18号で新潟県に入る。路面に雪はない

「天狗の館」の露天風呂に入る 「天狗の館」の「野菜カレー」 国道18号で新潟県に入る。路面に雪はない

杉野沢温泉「苗名の湯」池の平温泉「黒泥湯露天風呂」新赤倉温泉の積雪はジェベルの倍以上

杉野沢温泉「苗名の湯」 池の平温泉「黒泥湯露天風呂」 新赤倉温泉の積雪はジェベルの倍以上

新赤倉温泉「新赤倉館」「新赤倉館」の湯赤倉温泉「赤倉荘」

新赤倉温泉「新赤倉館」 「新赤倉館」の湯 赤倉温泉「赤倉荘」

関温泉に到着JR妙高高原駅前「やおとく食堂」で夕食

関温泉に到着 JR妙高高原駅前「やおとく食堂」で夕食  

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