カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[54日目]

投稿日:2017年10月9日

4キロに30分以上

西部編 5日目(2007年1月14日)

 秋和温泉「秋和鉱泉旅館」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、焼き魚、半熟卵、ナスの煮物、キノコの炒め物、漬物といった朝食を食べ、9時に「秋和鉱泉旅館」を出発。上田を拠点にしての温泉めぐりを開始する。

 第1湯目は千曲川河畔の湯の瀬温泉。河畔に下る小道はカチンカチンに凍りついたアイスバーン。まったく歯がたたず、ステーンと痛い転倒…。「ここは無理だ」とバイクを諦め、歩いて下った。信州は今年一番の冷え込みで軽井沢では氷点下12度。このあたりでも氷点下10度くらいまでは下がったのだろう。表面が鏡のようになったアイスバーンでは歩いていてもツルッと滑って転んだ。やっとの思いで湯の瀬温泉「吉野家」に到着。秘湯の雰囲気の一軒宿。さっそく湯に入る。肩までつかった瞬間、強烈な寒冷地獄から救われた。湯から上がり、湯の瀬温泉の入口まで戻ると、「よかさん」がにこやかな笑顔で立っていた。これで3度目の出会い。娘さんの「すずらんちゃん」も一緒だ。

 全員で第2湯目の大谷地温泉へ。ここも一軒宿で、200年の歴史を誇る「大谷地鉱泉」の湯に入った。古い建物の隣に新しい建物が完成し、温泉旅館をやめて今では公衆浴場になっている。数人も入ればいっぱいになるような湯船だが、次々と常連客がやってくる。これが老舗温泉の強み。湯から上がると、これまた小さな休憩室で「よかさん」としばし語り合った。
「よかさん」&「すずらんちゃん」と別れ、カソリ&クワハラは第3湯目のゆうすげ温泉へ。ここも一軒宿。湯につかりながら浴室の窓越しに浅間山を眺めた。きれいに晴れ渡った青空を背に、浅間山の雪の白さがきわだっていた。

 いよいよ第3湯目の天狗温泉に向かう。「本日のメインイベント!」といったところだ。天狗温泉は浅間山の中腹、標高1400メートルの地点にある。高峰温泉への道を途中で右折し、そこからさらに登っていく。雪と氷との戦い。ジェベルに乗りながらも緊張してしまう。ツルンツルンのアイスバーンの区間は極力、山際の雪の上を走った。雪道は足をつきながらバランスを保って登った。雪がシャーベット状になっているところは転倒の危険性が少ないので、一気にスピードを上げて走った。分岐点から天狗温泉までは4キロ。わずか4キロに30分以上もかかって天狗温泉に着いたときは、大きな難関を突破した喜びにひたった。

 一軒宿の「浅間山荘」の湯は鉄泉の赤湯。目の底に焼きつくほどの強烈さ。湯の色は赤というよりも、濃い橙といった方がいいかもしれない。ガラス張りの浴室で、差し込む日差しは強い。まるで温室の湯につかっているような気分。ここでは若者と一緒になったが、「スキーに来るたびに、この湯に入っているんですよ」という。天狗温泉の湯は一番だという。湯から上がると、追われるようにして氷雪の道を下っていく。分岐点に戻ったのは15時30分。ギリギリで「セーフ」といったところだ。これであと30分も遅れたら、それこそカチンカチンのアイスバーンになってしまう。もうそうなったらアウト。バイクではとてもではないが歯がたたない。

 このあとは「信州編」で入りそこねた温泉をめぐる。

 第5湯目は布引温泉「国民年金健康保養センターこもろ」の湯。大浴場と大露天風呂。若干の色つき湯。露天風呂の湯につかりながら正面に見える湯の丸高原から浅間山へとつづく山並みを一望する。

 第6湯目は信州八重原温泉「明神館」の湯。露天風呂からは暮れなずみ浅間山を見る。さきほどの布引温泉同様、ここも絶景湯だ。

 第7湯目は立科温泉「権現の湯」。ここは人気の日帰り温泉で、大浴場は大混雑。露天風呂はそれほどでもなかった。ここでは地元の人と湯の中談義。秋和鉱泉をよく知っている人だった。野球部の息子さんは秋和鉱泉の隣の神社の石段を駆けのぼって練習しているという。

 第8湯目は独鈷温泉「竜の湯」。ここの露天風呂はいい。

 上田を拠点にしての温泉めぐりを終えると、上信越道で須坂長野東ICまで行き、須坂温泉へ。今晩の宿は須坂温泉「古城荘」。第9湯目の宿湯から上がると、桑原さんとコンビニで買った缶ビールで乾杯。湯上がりのビールは冬でも超うまい。何本かの缶ビールを空にしたところで夕食。今度はお茶を飲みながらコンビニ弁当の「幕の内弁当」を食べた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 秋和温泉「秋和鉱泉旅館」
朝食 秋和温泉「秋和鉱泉旅館」 ご飯、味噌汁、焼き魚、半熟卵、ナスの煮物、キノコの炒め物、漬物
9時 秋和温泉「秋和鉱泉旅館」を出発
456湯目 湯の瀬温泉「吉野家」(500円)
「よかさん」&「すずらんちゃん」との出会い
457湯目 大谷地温泉「大谷地鉱泉」(380円)
「よかさん」&「すずらんちゃん」との別れ
458湯目 ゆうすげ温泉「ゆうすげ温泉旅館」(500円)
昼食 魚肉ソーセージ
459湯目 天狗温泉「浅間山荘」(500円)
460湯目 布引温泉「国民年金健康保養センターこもろ」(400円)
461湯目 信州八重原温泉「明神館」(500円)
462湯目 立科温泉「権現の湯」(400円)
463湯目 独鈷温泉「竜の湯」(400円)
21時30分 須坂温泉「古城荘」(1泊朝食7660円)
464湯目 須坂温泉「古城荘」
夕食 コンビニ弁当
本日の走行距離数 197キロ
本日の温泉入浴数 9湯

秋和温泉「秋和鉱泉旅館」の朝湯に入る「秋和鉱泉旅館」の朝食を食べる「秋和鉱泉旅館」を出発。雪道を行く

秋和温泉「秋和鉱泉旅館」の朝湯に入る 「秋和鉱泉旅館」の朝食を食べる 「秋和鉱泉旅館」を出発。雪道を行く

湯の瀬温泉「吉野家」「吉野家」の湯に入る大谷地温泉「大谷地鉱泉」

湯の瀬温泉「吉野家」 「吉野家」の湯に入る 大谷地温泉「大谷地鉱泉」

「大谷地鉱泉」の神棚ゆうすげ温泉「ゆうすげ温泉旅館」「ゆうすげ温泉旅館」の湯に入る

「大谷地鉱泉」の神棚 ゆうすげ温泉「ゆうすげ温泉旅館」 「ゆうすげ温泉旅館」の湯に入る

天狗温泉「浅間山荘」への雪道「浅間山荘」に到着「浅間山荘」の玄関

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「浅間山荘」の湯に入る「浅間山荘」を出発。雪道を下っていく布引温泉「国民年金健康保養センターこもろ」の近くから見る浅間山

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「国民年金健康保養センターこもろ」夕日を浴びた浅間山信州八重原温泉「明神館」

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立科温泉「権現の湯」独鈷温泉「竜の湯」須坂温泉「古城荘」には賀曽利様と桑原様の名前が…

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「古城荘」の古伊万里「古城荘」でコンビニ弁当を食べる

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