カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[28日目]

投稿日:2017年7月24日

満天の星空を眺め湯の中談義

甲信編 4日目(2006年12月4日)

 今日は快晴。湯村温泉「甲府富士屋ホテル」の6階の部屋からは甲府の市街地を一望し、右手には南アルプスの連山、左手には富士山を望む。朝湯に入り、三段重ねのお重(塩ジャケ、玉子焼き、かまぼこ、わさび漬、佃煮、たらこ、おから、山かけ)、そば、ゆで卵、サラダ、のり、漬物、ご飯、味噌汁の朝食を食べ、8時に出発。スズキのST250を走らせ、甲府市内の山宮温泉へ。日帰り湯の山宮温泉は定休日で入れなかった。

 甲府から南アルプスの山麓に行き、芦安温泉郷の温泉をめぐる。

 第1湯目は芦安温泉「岩園館」の露天風呂。ここには大岩露天風呂と展望露天風呂、屋上露天風呂がある。最初に大岩露天風呂に入った。大岩を配した大露天風呂の湯につかったのだが、なにしろ外気温が低いので、なかなか湯から出られなかった。この季節の露天風呂はちょっと辛い。

 第2湯目は桃ノ木温泉「桃栄館」。ここの湯は山梨県内でも折り紙つきの泉質。飲泉可。胃腸病にはよく効くと定評がある。すごくやわらかな湯の感触。湯の肌ざわりもいい。ここは芦安温泉郷でも最古の温泉で、開湯は明治2年。

 第3湯目は金山沢温泉の日帰り湯「金山沢温泉」。ほかには入浴客がいないので、「貸切湯」状態で内風呂と露天風呂に入った。空が抜けるような青さだ。

 最後に天恵泉温泉に行ったが、定休日で入れなかった。

 芦安温泉郷から国道52号に出てると、南アルプスの山裾を南下する。

 第4湯目は増穂温泉。日帰り湯「まほらの湯」では「カソリさんですよね」と、後ろから声をかけられた。「後ろ姿でわかりましたよ」というその人は中央市の原雅明さん。バイク誌などでぼくの記事を読んでくれているという。

「まほらの湯」の大浴場と露天風呂に入る。大浴場には寝湯と打たせ湯、気泡湯と何種もの湯がある。打たせ湯は十分な湯量なので、気持ちよく打たれた。

「まほらの湯」から上がり、大広間で昼食を食べていると、さきほどの原さんがメモ書きをもってきてくれた。それには「山梨県で最も新しい温泉は三珠の湯。温泉の質と設備もよく、甲府盆地一望の露天風呂は山梨一でしょう」と温泉情報が書かれている。メモ書きの最後には「本日お会いできたことは一生の思い出にさせていただきます」とあった。

 増穂の町からは県道413号で南アルプスの山中にある一軒宿の赤石温泉まで行ったが、休業中で入れなかった。

 増穂に戻ると、さらに国道52号を南下する。

 第5湯目は鰍沢温泉の日帰り湯「かじかの湯」。国道52号から十谷温泉への道に入ったところにある。大浴場と露天風呂に入る。湯から上がると南アルプスの入口の十谷温泉へ。ここでは「十谷荘」と「源氏荘」、2軒の温泉旅館をまわったが、ともに休業中だった。

 国道52号に戻り、南下すると、富士川を渡って第6湯目の六郷温泉へ。ここでは日帰り湯の「つむぎの湯」に入った。

 今日の最後は早川町内の温泉めぐり。国道52号から県道37号でいったん最奥の奈良田まで行き、そこから早川沿いに下った。

 第7湯目は奈良田温泉「奈良田の里温泉」。木の湯船にどっぷりつかる。すごく気持ちのいい湯。無色透明の湯にはぬめりがある。湯は温め。湯から上がると、何しろ寒いのでヒヤッとするほど。それがウエアを着ると、体の芯からポカポカしてくる。

 第8湯目の西山温泉に到着したのは17時20分。「蓬莱館」、「夢雲館」とまわったが、ともに日帰り湯は15時までで入れなかった。西山温泉を諦めかけたところで、前年にオープンした日帰り湯「湯島の湯」をみつけた。思わず「ラッキー」と喜ぶカソリ。さっそく「湯島の湯」に入る。円形の石の湯船と長方形の木の湯船。温めの湯で長湯できる。
 第9湯目は光源の里温泉「ヘルシー美里」の湯。日帰り入浴は18時まで。すでに時間を過ぎていたが、ここに勤務する井上泰男さんのおかげで入ることができた。井上さんはホンダのXR400に乗るライダー。井上さん、ありがとう。おかげで1湯、かせがせてもらいましたよ。

 今晩の宿、雨畑温泉の「ヴィラ雨畑」へ。その途中では日帰り湯の草塩温泉に寄ったが、定休日で入れなかった。今日は月曜日なので、定休日には泣かされる。

 第10湯目の雨畑温泉「ヴィラ雨畑」に到着は19時10分。石造りの湯船「すず里の湯」に入り、湯から上がったところで夕食。ニジマスの塩焼きや天ぷら、酢の物、煮物、マカロニサラダといった夕食をおいしくいただいた。

 食べ終わったころ、さきほどの井上さんがやってきた。

「ここは男湯よりも女湯の方がいいんですよ」ということで、井上さんの案内で女湯の露天風呂に一緒に入った。女性の泊まり客はいないのでかまわないという。木の湯船。目の前には桜の古木。花の季節はそれはすばらしいという。井上さんとの「湯の中談義」は楽しいものだった。東京の人で、自然農法の農業をしたくて早川にやってきた。今は温泉宿の仕事で忙しくて、農業をする時間がないと嘆いていた。

 見上げる夜空には満月がこうこうと輝いていた。快晴の夜空だったが、月明かりが明る過ぎるので星はほとんど見えない。

「この湯につかりながら見上げる満天の星空はもう最高ですよ。早川は空がきれいなので、星がよく見えるんです」

 井上さんとは1時間以上も湯につかり、「湯の中談義」に花を咲かせるのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 湯村温泉「甲府富士屋ホテル」
朝食 湯村温泉「甲府富士屋ホテル」 三段重ねのお重(塩ジャケ、玉子焼き、かまぼこ、わさび漬、佃煮、たらこ、おから、山かけ)、そば、ゆで卵、サラダ、のり、漬物、ご飯、味噌汁
8時20分 湯村温泉「甲府富士屋ホテル」を出発
山宮温泉(定休日)
232湯目 芦安温泉「岩園館」(1000円)
233湯目 桃ノ木温泉「桃栄館」(600円)
234湯目 金山沢温泉「金山沢温泉」(550円)
天恵泉温泉(定休日)
235湯目 増穂温泉「まほらの湯」(500円)
昼食 「まほらの湯」 「炊き込みご飯」(250円)、「焼きおにぎり」(250円)
赤石温泉(入れず)
236湯目 鰍沢温泉「かじかの湯」(500円)
十谷温泉(入れず)
237湯目 六郷温泉「つむぎの里」(400円)
238湯目 奈良田温泉「奈良田の里温泉」(500円)
239湯目 西山温泉「湯島の湯」(500円)
240湯目 光源の里温泉「ヘルシー美里」(500円)
草塩温泉(定休日)
19時10分 雨畑温泉「ヴィラ雨畑」(1泊2食7500円)
241湯目 雨畑温泉「ヴィラ雨畑」
夕食 ニジマスの塩焼き、天ぷら、マカロニサラダ、堅豆腐、煮物、酢の物、ご飯、味噌汁
本日の走行距離数 175キロ
本日の温泉入浴数 10湯

湯村温泉「甲府富士屋ホテル」からの眺め湯村温泉「甲府富士屋ホテル」の朝食湯村温泉「甲府富士屋ホテル」を出発

湯村温泉「甲府富士屋ホテル」からの眺め 湯村温泉「甲府富士屋ホテル」の朝食 湯村温泉「甲府富士屋ホテル」を出発

芦安温泉「岩園館」芦安温泉「岩園館」の露天風呂桃ノ木温泉「桃栄館」

芦安温泉「岩園館」 芦安温泉「岩園館」の露天風呂 桃ノ木温泉「桃栄館」

桃ノ木温泉「桃栄館」の内風呂金山沢温泉金山沢温泉から見る南アルプスの山並み

桃ノ木温泉「桃栄館」の内風呂 金山沢温泉 金山沢温泉から見る南アルプスの山並み

金山沢温泉の内風呂金山沢温泉の露天風呂に入る天恵泉温泉は本日定休日

金山沢温泉の内風呂 金山沢温泉の露天風呂に入る 天恵泉温泉は本日定休日

増穂温泉「まほらの湯」増穂温泉「まほらの湯」の「炊き込みご飯」赤石温泉

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赤石温泉の近くから見る富士山鰍沢温泉「かじかの湯」六郷温泉「つむぎの里」

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西山温泉「湯島の湯」光源の里温泉「ヘルシー美里」の湯雨畑温泉「ヴィラ雨畑」への道

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雨畑温泉「ヴィラ雨畑」の夕食

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