カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[19]

投稿日:2017年7月10日

矢板周辺の湯をめぐり茨城へ

関東編 19日目(2006年11月19日)

 湯津上温泉では「キャビン」の朝湯に入ったあと、寝太郎さんのつくってくれたおにぎりを食べ、みなさんの見送りを受けて出発。まずは矢板へ。第1湯目矢板温泉の日帰り湯「観音五色湯」に入った。大露天風呂がすごい。湯から上がると2度目の朝食の「天ぷらうどん」を食べた。

 矢板から今市へ。その途中では船生温泉に寄ったが、今はやっていない。

 今市では第2湯目の長久温泉の日帰り湯「長久温泉」に入った。大浴場と大露天風呂。「庭園露天風呂」は趣がある。湯から上がると、大広間で昼食の「カレーライス」を食べ、そのあと「15分寝」。目が覚めると、すっきりさっぱり気分で午後の温泉めぐりを開始した。

 今市からは国道121号で鬼怒川温泉へ。その先で国道を右折し、山中に入っていく。鳥羽の湯温泉は入浴のみは不可だったが、そのあと寺山温泉、小滝温泉、赤滝温泉と3湯をめぐる。3湯とも一軒宿の「鉱泉宿」だ。

 第3湯目は「寺山観音寺」で知られる寺山の集落の奥にある寺山温泉「寺山鉱泉旅館」の「寺山の湯」。赤茶けた湯の色。小さな湯船で、すでに2人の先客がいた。その2人の間に入らせてもらったが、3人で満員。まさに裸の付き合いで、ぼくの右手の埼玉から来たという人は「チャカチャカした温泉よりも、こんな鉱泉の方が落ち着きますね。何か、昔懐かしい…という感じで」といっていた。昨日の丸山温泉「丸山鉱泉旅館」につづいて、ここでも「鉱泉ファン」に出会った。

 第4湯目の小滝温泉「小滝鉱泉旅館」は県道から2キロほどのダートの急坂を下っていく。ロードバイクのGSR400だとひやっとするような鋭角のカーブもあったが、なんとか無事に渓流沿いの一軒宿にたどり着けた。「小滝鉱泉旅館」のにごり湯につかる。ゆったりとした湯船に一人でつかっていると、ドドドドッと入浴客がやってきた。子供の声もする。何と今朝、湯津上温泉で別れたばかりの桑原さん一家と寝太郎さん一家がやってきた。もうビックリ。荒木さん夫妻は福島に向かったという。

 ここは混浴ではないので、女性陣は女湯に入っている。ということで桑原さんと寝太郎さんのご主人と一緒に湯につかりながら、しばしの「湯の中談義」を楽しんだ。湯から上がると、「小滝鉱泉旅館」の女将さんが用意してくれた部屋でジュースを飲みながらの歓談。温泉大好きの桑原さん夫妻は、まもなく4歳になろうかという娘さんの「あみちゃん」を連れてきている。0歳のときから温泉に入っている「あみちゃん」は、もうすでに70余の温泉に入っている。寝太郎さん夫妻も小学校3年生の娘さんを連れてきている。温泉大好き、アウトドア大好きの寝太郎さん夫妻、娘さんと一緒に2、30の温泉に入っているという。桑原さん一家、寝太郎さん一家はともに「温泉一家」なのだ。

 桑原さん一家、寝太郎さん一家と別れ、第5湯目の赤滝温泉「赤滝鉱泉旅館」へ。ダートの下りはヒヤヒヤもので、「あー、失敗した…、もう戻れないぞ」と不安になったほど。それほどの急坂だ。おまけに雨が本降りになり、リアタイヤは濡れた石にツルツル滑り、あやうく転倒しそうになった。辛くも谷底の「赤滝鉱泉旅館」に到着。宿のおばあちゃんは「なにしろ鉱泉なので…。ちょっと待ってくださいよ」といいながら湯船のかまどに薪をぼんぼんくべた。小さな湯船。2、3人、入れば満杯という小ささ。ここもにごり湯で、湯につかっていると、「すごく効きそう!」と思えてくるような湯だった。

 赤滝温泉を出る頃には雨は一段と激しさを増した。おまけに夕暮れ。ヘルメットのシールドについた雨滴で前方がよく見えず、裸眼で走った。冷たい雨が容赦なく眼球に突き刺さってくる。

 矢板に戻ると国道4号を北へ、氏家からは国道293号を行く。

 第6湯目の喜連川温泉では「早乙女温泉」の湯に入った。人気の温泉で混みあっていた。大浴場の湯口には硫黄色した温泉の成分がびっしりとこびりついている。いかにも「温泉!」と思わせる光景。湯から上がると、大広間で夕食。「えび天重定食」(1050円)を食べた。1100円以上だと100円引きになるという当日のみ有効の割引券をもらったので、それに「冷奴」(300円)をつけて食べた。

 夕食を食べ終わったところで、今夜の宿探し。予定したルート上の10軒以上の温泉宿にかたっぱしから電話したが、どこも断られた。この時間では仕方ない。そこで昭文社の『まっぷる温泉ガイド』(関東周辺の温泉&宿)に出ている「一度は泊まりたい贅沢湯宿」であたってみる。ぼくの目にとまったのは袋田温泉の温泉ホテル「思い出浪漫館」。さっそく電話してみると、一発で宿泊OK。おまけに遅い時間の到着でもかまわないといってくれた。ありがたい!

 次にもう1冊、『まっぷる温泉ガイド』(昭文社)の「首都圏からの日帰り温泉」を見る。それを参考にして小砂温泉→広瀬温泉→小川温泉→南平台温泉という順番で、那珂川河畔の馬頭温泉郷の4湯をまわろうと決めた。
「さー、行くぞ!」と気合を入れて、土砂降りの雨の中を走り出す。夜の温泉めぐりを開始したのはいいが、最初の小砂温泉を探し出すのに手間どってしまい、結局、4湯のうち入れたのは広瀬温泉の日帰り湯「ゆりがねの湯」だけだった。土砂降りの雨ということもあったが、夜の温泉めぐりというのは温泉宿、もしくは温泉施設を探し出すのが難しい。

 第7湯目の広瀬温泉「ゆりがねの湯」は町営湯。大浴場には湯気がもうもうとたちこめていた。露天風呂にはザーザー降りの雨に降られながら入った。不思議なもので、湯につかっていると、この冷たい雨もほとんど気にならない。

 広瀬温泉を最後に栃木県内の温泉めぐりを終え、茨城県の大子へ。そこから国道118号を南下。名瀑袋田の滝の入口にある袋田温泉「思い出浪漫館」に着いたのは22時。部屋に荷物を置くと、すぐに浴衣に着替え、大浴場の湯と渓流のわきにある露天風呂の湯に入るのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 湯津上温泉「キャビン」の湯
朝食 湯津上温泉「キャビン」 寝太郎さんのつくってくれたおにぎり
7時30分 湯津上温泉を出発
156湯目 矢板温泉「観音五色湯」(500円)
朝食  矢板温泉「矢板温泉」 「天ぷらうどん」(550円)
船生温泉(廃業湯)
157湯目 長久温泉「長久温泉」(600円)
昼食 長久温泉「長久温泉」 「カレーライス」
鳥羽の湯温泉「鳥羽の湯旅館」(入浴のみ不可)
158湯目 寺山温泉「寺山鉱泉旅館」(500円)
159湯目 小滝温泉「小滝鉱泉旅館」(500円)
小滝温泉で桑原さん一家、寝太郎さん一家と再会
160湯目 赤滝温泉「赤滝鉱泉旅館」(500円)
161湯目 喜連川温泉「早乙女温泉」(500円)
夕食 喜連川温泉「早乙女温泉」 「えび天重定食」(1050円)、「冷奴」(300円)
162湯目 広瀬温泉「ゆりかねの湯」(300円)
茨城県に入る
21時15分 袋田温泉「思い出浪漫館」(1泊朝食10150円)に到着
163湯目 袋田温泉「思い出浪漫館」
本日の走行距離数 235キロ
本日の温泉入浴数 8湯

湯津上温泉「キャビン」の朝湯に入る湯津上温泉「キャビン」の朝食。寝太郎さんがつくってくれたおにぎりを食べる湯津上温泉「キャビン」を出発

湯津上温泉「キャビン」の朝湯に入る 湯津上温泉「キャビン」の朝食。寝太郎さんがつくってくれたおにぎりを食べる 湯津上温泉「キャビン」を出発

湯津上温泉の日帰り湯「やすらぎの湯」矢板温泉「観音五色湯」矢板温泉「観音五色湯」の「天ぷらうどん」

湯津上温泉の日帰り湯「やすらぎの湯」 矢板温泉「観音五色湯」 矢板温泉「観音五色湯」の「天ぷらうどん」

長久温泉の日帰り湯「長久温泉」長久温泉「長久温泉」の「カレーライス」鳥羽の湯温泉「鳥羽の湯旅館」

長久温泉の日帰り湯「長久温泉」 長久温泉「長久温泉」の「カレーライス」 鳥羽の湯温泉「鳥羽の湯旅館」

寺山温泉「寺山鉱泉旅館」小滝温泉「小滝鉱泉旅館」の湯赤滝温泉「赤滝鉱泉旅館」の湯

寺山温泉「寺山鉱泉旅館」 小滝温泉「小滝鉱泉旅館」の湯 赤滝温泉「赤滝鉱泉旅館」の湯

喜連川温泉「早乙女温泉」の「えび天重定食」

喜連川温泉「早乙女温泉」の「えび天重定食」    

Comments

Comments are closed.

  • ツーリングマップル

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • 最近の投稿

  • 新刊紹介(賀曽利隆連載中)


    風まかせ No.63
    7月6日発売

    連載

    「焚火日和」


    アンダー400 No.64
    6月6日発売

    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    御殿場編

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税