カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[6日目]

投稿日:2017年6月19日

北群馬の湯で湯の中談義

関東編 6日目(2006年11月6日)

 伊香保温泉「白雲閣」の朝湯はよかった。最上階の6階にある展望風呂と樽風呂に入った。高台上にあるのですこぶる眺めがいい。湯から上がると、和風バイキングの朝食。納豆で白飯を食べたあと、「なめこ雑炊」を食べた。フーフーさましながら食べる「なめこ雑炊」はうまかった。「朝粥」はぼくの大好物だが、「朝雑炊」もなかなかいいものだ。

 伊香保温泉から渋川に下ったところで温泉めぐりを開始する。

 第1湯目は国道17号の「道の駅こもち」の裏手にある白井温泉の日帰り湯「こもちの湯」。内風呂と露天風呂。なかなかの湯で源泉掛け流し。ここは地元のみなさんの社交場といった感がある。「あそこの誰々はひっくり返って怪我をした。年寄りが怪我をすると大変だ。なかなか治らない。歩けなくなるともうダメだ」。「あそこの誰々は肺炎で死んだ。飯をのどにつまらせて、それが肺に入ったらしい」などなど、みなさんの話を湯につかりながら聞いている。

 渋川からは吾妻川沿いに行く。

 第2湯目は金島温泉の日帰り湯「富貴の湯」。国道353号の北群馬橋の交差点を左折し、吾妻川を渡ってすぐのところにある。ここも源泉掛け流し。内風呂は木の湯船、露天風呂は石の湯船。黄緑色の湯は温めで長湯できる。

 第3湯目は塩川温泉「小野上温泉センター」の湯。大浴場には手前にだ円形の湯船、奥には岩風呂と、趣のある湯船が2つある。それともうひとつの小さな湯船。露天風呂は岩風呂。ここは国道353号からすぐのところで、JR吾妻線の小野上温泉駅にも近いので大勢の人たちがやってくる。大広間で昼食。「まいたけ丼」を食べた。小野上村特産のマイタケが丼飯の上にふんだんにのっている。

 第4湯目はあづま温泉「桔梗館」の「息吹の湯」。ここは吾妻川を渡った対岸にある。

 中之条の町から第5湯目の四万温泉へ。吾妻川の支流、四万川の渓流沿いに温泉口から山口、新湯、一番奥の日向見と温泉街が細長くつづいている。ここには「上の湯」、「河原の湯」、「御夢想の湯」と、3つの共同浴場がある。そのほか温泉口には日帰り湯「四万清流の湯」がある。四万温泉を温泉口から日向見まで走り、共同浴場の「上の湯」に入った。入口の「善意の箱」には100円玉を入れた。

 第6湯目の沢渡温泉でも共同浴場に入った。熱めの湯、温めの湯と、2つの湯船があるが、ともに石の湯船だ。ふんだんに湯が湯船に流れ込んでいる。飲泉可。地元の人と湯につかりながら「湯の中談義」をする。この湯は胃腸によく効く湯だという。とくに便秘には絶大なる効果があって、飲泉すると一発で治るという。まさに「温泉の医者いらず」。ぼくもいわれるままに湯につかりながら、2つの湯船の飲泉をした。さらにもう1湯、反下温泉の一軒宿「美郷館」に行ったが、ここは入浴のみは不可だった。

 中之条の町に戻ると、国道145号で第7湯目の岩櫃城温泉へ。国道から右手に入ったところにあるのだが、道路工事中で、「このルートを行ってください」と迂回路の表示が出ていた。矢印をフォローしているときのことだ。突如、後方でパトカーのサイレン。「そこのバイク、停まりなさい」。「あ、やられたー!」と思ったが、もうあとの祭りだ。だが何が原因なのか…、さっぱりわからない。岩櫃城温泉の城のような造りの「温泉センター」を見上げる空地で切符を切られたが、そのとき初めて一時停止違反をしたことがわかった。ぼくは迂回路の矢印に気をとられ、「止まれ」の標識を見落としたようだ。それを見越してパトカーは隠れていた。「これでは温泉とグルではないか」と怒りの気持ちも湧いてきたが、そこは大人対応でカソリ、「明日には納めますから」といっておとなしく反則切符を受け取った。

 温泉というのはほんとうにすごい力を持っている。腹をたてながら岩櫃城温泉「温泉センター」の湯につかったのだが、その瞬間、スーッと気持ちが楽になる。つまらないことで腹をたてた自分がばかばかしくなってくる。さきほどのパトカーには年配の警官と若い警官の2人が乗務していたが、2人には「お仕事、ご苦労さま!」と声をかけてあげたくなったほど。これも温泉効果というものだ。

 国道145号で川原湯温泉へ。ここには「王湯」と「笹湯」、それと「聖天露天風呂」の3つの共同浴場があるが、すでに入浴時間は過ぎていて、閉まっていた。そこで温泉街にある食堂「旬」で夕食。「とんかつ定食」を食べたが、厚切りのとんかつはボリューム満点。肉は柔らかで味もよく、カラッとした揚げ方もいい。うれしくなるような「とんかつ」だった。

 今晩の泊りは松ノ湯温泉「松渓館」。宿に着くとすぐに第8湯目の湯に入るのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 伊香保温泉「白雲閣」 
朝食 伊香保温泉「白雲閣」 バイキング
9時 伊香保温泉を出発
37湯目 白井温泉「こもちの湯」(250円)
38湯目 金島温泉「富貴の湯」(400円)
39湯目 塩川温泉「小野上温泉センター」(400円)
昼食 塩川温泉「小野上温泉センター」 「まいたけ丼」(600円)
40湯目 あづま温泉「桔梗館」(500円)
41湯目 四万温泉「上の湯共同浴場」(100円)
42湯目 沢渡温泉「沢渡温泉共同浴場」(300円)
反下温泉「美郷館」(入浴のみは不可)
岩櫃城温泉では「一時停止違反」で捕まる
43湯目 岩櫃城温泉「温泉センター」(400円)
夕食 川原湯温泉の食堂「旬」 「とんかつ定食」(1200円)
19時45分 松ノ湯温泉「松渓館」(1泊朝食6150円)に到着
44湯目 松ノ湯温泉「松渓館」
本日の走行距離数 118キロ
本日の温泉入浴数 8湯

伊香保温泉「白雲閣」の展望風呂に入る伊香保温泉「白雲閣」の樽風呂に入る伊香保温泉「白雲閣」の朝食

伊香保温泉「白雲閣」の展望風呂に入る 伊香保温泉「白雲閣」の樽風呂に入る 伊香保温泉「白雲閣」の朝食

朝食の「なめこ雑炊」は美味伊香保温泉「白雲閣」を出発伊香保温泉の石段

朝食の「なめこ雑炊」は美味 伊香保温泉「白雲閣」を出発 伊香保温泉の石段

白井温泉「こもちの湯」金島温泉「富貴の湯」金島温泉「富貴の湯」の飲泉口

白井温泉「こもちの湯」 金島温泉「富貴の湯」 金島温泉「富貴の湯」の飲泉口

金島温泉「富貴の湯」前の道を走る塩川温泉「小野上温泉センター」塩川温泉「小野上温泉センター」の「まいたけ丼」

金島温泉「富貴の湯」前の道を走る 塩川温泉「小野上温泉センター」 塩川温泉「小野上温泉センター」の「まいたけ丼」

塩川温泉「小野上温泉センター」の飲泉口あづま温泉「桔梗館」あづま温泉の吾妻川の流れ

塩川温泉「小野上温泉センター」の飲泉口 あづま温泉「桔梗館」 あづま温泉の吾妻川の流れ

四万温泉の共同浴場「上の湯」四万温泉の共同浴場「上の湯」の湯船沢渡温泉の共同浴場

四万温泉の共同浴場「上の湯」 四万温泉の共同浴場「上の湯」の湯船 沢渡温泉の共同浴場

沢渡温泉の共同浴場の湯船反下温泉「美郷館」岩櫃城温泉「温泉センター」

沢渡温泉の共同浴場の湯船 反下温泉「美郷館」 岩櫃城温泉「温泉センター」

川原湯温泉の食堂「旬」の「とんかつ」松ノ湯温泉「松渓館」の湯

川原湯温泉の食堂「旬」の「とんかつ」 松ノ湯温泉「松渓館」の湯  

Comments

Comments are closed.

  • 日本一周中

  • 新刊紹介


    タンデムスタイル No.186
    9月23日発売

    特集

    「生涯旅人」賀曽利隆

     ロングインタビュー


    風まかせ No.64
    9月6日発売

    連載

    「焚火日和」


    アンダー400 No.65
    8月5日発売

    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    北茨城編

  • ツーリングマップル

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税

  • 携帯からもアクセスできます

    PCと同じアドレスで、携帯からもアクセスできます。 このQRコードをご活用ください。
  • 3.11 応援ステッカー

    フォトグラファー小原信好さんが、東北応援ステッカーを作成しました。興味のある方はぜひ小原さんのブログ
    http://ameblo.jp/hokkaider/entry-10852098083.html

    をチェックしてください。ステッカーの元データは上記の写真をクリックすることでもダウンロードできます。