カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[3]

投稿日:2017年6月12日

神流川の温泉と郷土料理の「おきりこみ」

関東編 3日目(2006年11月3日)

 目をさますとすぐに金山温泉「かんぽの宿 寄居」の朝湯に入る。朝食は7時30分から。さすが料理自慢の宿だけあってバイキングの朝食には10数種の料理が出た。ご飯の前にお粥を食べたが、「お粥大好き人間」のカソリはお粥のお替りをした。

 9時、スズキGSR400のエンジンを始動させ、金山温泉を出発だ。国道140号から国道254号に入り、児玉、本庄と通り、神流川を渡って群馬県に入る。天気は快晴。秋晴れの空の青さが目にしみる。国道254号を離れ、神流川沿いに上流へ。鬼石からは神流川沿いの国道462号を走る。

 国道299号と合流する手前で、「やまちゃん」という食堂をみつけ、早めの昼食にした。これが大正解。店のメニューには上州の郷土料理「おきりこみ」があったからだ。

「おきりこみ」は甲州の「ほうとう」や熊本の「団子汁」などと同じような日本のうどんの原型といっていいような食べもの。「おきりこみ」の言葉どおり、こねた小麦粉をそのまま汁にぶち込む煮込みうどん。「きりこみ」に「お」をつけるくらいだから、上州人にとっては大事な食べ物。甲州の「ほうとう」も同様で、甲州人は夕食に「ほうとう」を食べるが、やはり「お」をつけて「おほうとう」といっている。

 しばらく待つと、ボリューム満点の「おきりこみ」が出てきた。さっそくいただく。自家製の麺にはしっかりとした腰がある。具の野菜類はすべて店のおばちゃんがつくったもの。「これをたっぷり入れると、とってもおいしいのよ」といっておばちゃんは自家製辛味噌を皿に入れてもってくる。きっとぼくの食べっぷりがよかったからなのだろう。おばちゃんはさらにハヤトウリの醤油漬けや煮物、酢漬けにしたフキノトウを持ってきてくれた。焼きたての「焼き饅頭」も。その中にはこれも自家製だという甘味噌がたっぷり入っていた。

「やまちゃん」食堂の「おきりこみ」に大満足し、国道299号で上野を通り、信州との境の十石峠まで行く。「峠返し」で峠で折り返すと、塩ノ沢温泉を皮切りに群馬県内の温泉をめぐった。

 第1湯目は塩ノ沢温泉「やまびこ荘」の湯。ここは日帰り入浴の温泉施設で、入浴時間は12時から17時まで。大浴場の湯にどっぷりつかる。ここには洞窟風呂や露天風呂もある。

 第2湯目は浜平温泉「しおじの湯」。新しい建物で、内風呂と露天風呂がある。石を組み合わせた露天風呂。一人用の露天風呂もある。湯から上がると大広間で10分寝。これが最高に気持ちいい。

 第3湯目は野栗沢温泉「すりばち荘」の「薬師の湯」。アルカリ性の湯で、湯船は総檜造り。木の感触がすごくいい。湯屋にもふんだんに檜を使っている。アトピーや中風に効くという効能抜群の湯。青バトがよく源泉を飲みにやってくるという。

 第4湯目は八塩温泉「鬼石観光ホテル」。銘石の三波石をふんだんに配した湯船がすごくいい。湯は無色透明無味無臭。

 第5湯目は桜山温泉「桜山温泉センター」の「うしおの湯」。

 第6湯目は鮎川温泉「金井の湯」。大浴場には3つの湯船。湯は薄茶色をしている。露天風呂の一角には適度な湯量の打たせ湯がある。首筋を湯に打たれるとすごく気持ちいい。浴室内ではステーンと転倒し、思いっきり頭を打った。しばらくはボーッとしてしまったが、温泉にはこのような危険もある。

 第7湯目は吉井温泉「牛伏の湯」。大浴場と露天風呂。湯はかなり濃い塩分を含んでいる。湯から上がると食堂で夕食。そば付きの「もつ煮定食」を食べた。

 吉井温泉を出ると、時間はすでに21時30分。今晩の宿、猪ノ田温泉「久恵屋旅館」に急ぐ。ここは公衆電話の電話帳でみつけた宿で、18時過ぎになって電話してゲットした宿。電話に出てくれた宿の女将さんに宿泊を頼むと、快く「どうぞ、どうぞ」といってくれた。そんな猪ノ田温泉に到着したのは22時。すぐさま第8湯目の「宿湯」に入る。「絹の湯」といわれているだけあって、なんとも肌にやさしい、やわらかな感触の湯だった。

「いい温泉にやってきた!」

 ここの湯は皮膚病によく効く湯として知られている。

 そんな「絹の湯」から上がると、なんと、女将さんは「よかったら、食べて下さいね」といって、揚げたての熱々の天ぷらを持ってきてくれた。もう大感激。それを肴にカソリ&クワハラ、カンビールと地酒で「乾杯!」を繰り返した。温泉旅って、もう最高!

データ 料金等は当時のものです
朝湯 金山温泉「かんぽの宿 寄居」
朝食 金山温泉「かんぽの宿 寄居」の朝食(バイキング)
昼食 上野の食堂「やまちゃん」 「おきりこみ」(600円)
  十石峠(峠返し)
16湯目 塩ノ沢温泉「やまびこ荘」(600円)
17湯目 浜平温泉「しおじの湯」(500円)
18湯目 野栗沢温泉「すりばち荘」(500円)
  三波石温泉(廃業湯)
19湯目 八塩温泉「鬼石観光ホテル」(600円)
20湯目 桜山温泉「うしおの湯」(600円)
21湯目 鮎川温泉「金井の湯」(650円)
22湯目 吉井温泉「牛伏の湯」(400円)
夕食 「牛伏の湯」 「もつ煮定食」(700円)
22時 猪ノ田温泉「久恵屋旅館」(1泊朝食7500円)に到着
23湯目 猪ノ田温泉「久恵屋旅館」
本日の走行距離数 223キロ
本日の温泉入浴数 8湯

金山温泉「かんぽの宿 寄居」の朝湯に入る金山温泉「かんぽの宿 寄居」の浴室からの眺め金山温泉「かんぽの宿 寄居」の朝食

金山温泉「かんぽの宿 寄居」の朝湯に入る 金山温泉「かんぽの宿 寄居」の浴室からの眺め 金山温泉「かんぽの宿 寄居」の朝食

金山温泉「かんぽの宿 寄居」金山温泉「かんぽの宿 寄居」を出発神流川の堤防上を走る

金山温泉「かんぽの宿 寄居」 金山温泉「かんぽの宿 寄居」を出発 神流川の堤防上を走る

神流川にかかる埼玉・群馬県境の藤武橋神流川の神流湖「やまちゃん食堂」

神流川にかかる埼玉・群馬県境の藤武橋 神流川の神流湖 「やまちゃん食堂」

「やまちゃん食堂」の「おきりこみ」「やまちゃん食堂」の「焼き饅頭」国道299号の十石峠

「やまちゃん食堂」の「おきりこみ」 「やまちゃん食堂」の「焼き饅頭」 国道299号の十石峠

十石峠からの眺め塩ノ沢温泉「やまびこ荘」「やまびこ荘」の湯

十石峠からの眺め 塩ノ沢温泉「やまびこ荘」 「やまびこ荘」の湯

浜平温泉「しおじの湯」野栗沢温泉「すりばち荘」野栗沢温泉「すりばち荘」の湯

浜平温泉「しおじの湯」 野栗沢温泉「すりばち荘」 野栗沢温泉「すりばち荘」の湯

野栗沢温泉「すりばち荘」の源泉を飲む八塩温泉「鬼石観光ホテル」桜山温泉「桜山温泉センター」

野栗沢温泉「すりばち荘」の源泉を飲む 八塩温泉「鬼石観光ホテル」 桜山温泉「桜山温泉センター」

鮎川温泉「金井の湯」「牛伏の湯」の「もつ煮定食」猪ノ田温泉「久恵屋旅館」の湯

鮎川温泉「金井の湯」 「牛伏の湯」の「もつ煮定食」 猪ノ田温泉「久恵屋旅館」の湯

猪ノ田温泉「久恵屋旅館」の女将さんが差し入れてくれた「天ぷら」

猪ノ田温泉「久恵屋旅館」の女将さんが差し入れてくれた「天ぷら」    

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