カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

温泉めぐり日本一周[2日目]

投稿日:2017年6月11日

秩父路は雨だった

関東編 2日目(2006年11月2日)

 百穴温泉の温泉旅館「春奈」では3時間ほど眠り、4時前には起きる。目覚ましは使わない。すぐさまパソコンに向かい、3時間ほどかけて第1日目の原稿を書き上げる。それを写真とともに、携帯電話に接続し、『ツーリングマップル』(昭文社)の「300日3000湯」のサイトに送信する。何しろ20枚以上もの写真も一緒に送るので、そう簡単には送信できない。送信が完了したときは思わず「やった!」と喜びの声を上げたほど。送信が終了すると、画面に自動的にアップされるようなシステムになっている。これを毎日、これから1日も欠かさずにやることになる。

 原稿の送信が終わると朝湯に入り、朝食を食べ、9時に出発。百穴温泉に近い「吉見の百穴」を見学したあと、四季の湯温泉に行ったが、入浴料が2000円なのでパス。今回の「300日3000湯」では入浴料の上限を1000円にしたからだ。

 国道254号から国道140号に入り、秩父路の温泉めぐりを開始する。

 第1湯目は和銅温泉。日本最古の通貨「和同開珎」にちなんだ温泉地名だ。純日本風の温泉宿「和銅鉱泉旅館」の湯に入る。内風呂は木の湯船、露天風呂は石の湯船。落ち着きのあるゆったり感がすごくいい。露天風呂の湯につかりながら、清流を見下ろした。

 第2湯目は不動の湯温泉。かわいらしいタイルの湯船。目の前の渓流の眺め。つづいて第3湯目の柴原温泉「柳屋旅館」の木の湯船に入り、国道140号で一気に雁坂峠へ。天気は崩れ、ザーザー降りの雨。「峠返し」で雁坂峠のトンネル入口で折り返した。

 雁坂峠を下った大滝温泉が第4湯目。道の駅「大滝温泉」にある「遊湯館」の湯に入る。岩風呂と檜風呂の湯は塩辛い。第5湯目は両神温泉「薬師の湯」。ここも道の駅「両神温泉薬師の湯」にある温泉施設。大浴場は湯けむりがもうもうとたちこめている。石の湯船の石の感触がすごくいい。湯には若干のぬめりがある。

 第6湯目は白久温泉。秩父鉄道の白久駅から登ったところにある温泉旅館「谷津川館」の湯に入った。ここの内風呂は総槙造り。槙といえば温泉の湯船には最適の木。高野槙が有名だ。秩父にはほとんど槙の木がないので、房総産の槙を使っているとのこと。ちょうど夕食の時間で浴室には誰もいない。大きな槙の湯船を独占してゆったり気分で湯につかった。

 第7湯目は武甲温泉の日帰り湯「秩父湯元武甲温泉」。18時を過ぎているので700円の入浴料は500円になっている。すごく得した気分。大浴場と大露天風呂に入ったが、湯から上がったときには20時を過ぎていた。

 ここでカソリ、大勝負に出る。同行してくれている桑原さんに無理を言って、2台のバイクを猛烈に走らせ、第8湯目の秩父温泉に急行。さー、間に合うかどうか。ハラハラドキドキのドラマだ。途中で道を間違えたこともあり、日帰り湯「満願の湯」に到着したのは20時45分。受付に突進したが、若い女性に「今日はもう終了ですよ」といわれた。「そこをなんとか…」と懇願するカソリ。若い女性は上司を呼んでくれた。「(営業終了の)9時までには必ずここに戻りますから」といって上司のOKをもらい、2人分の入浴料1000円を渡し、脱兎のごとく男湯の脱衣所へ。すさまじい速さでウエアを脱ぎ捨て、湯に入った。そんなぼくの姿を桑原さんは半ばあきれたような顔で見ている。「満願の湯」にはぼくだけ入ったが、湯につかった瞬間の感動といったらない。超短い入浴時間だったが、満ち足りた気分で湯から上がるとすばやくウエアを着込み、21時ジャストにフロントに戻った。受付の女性は驚いたような顔をしたが、彼女と上司の方には心からのお礼をいって秩父温泉「満願の湯」を後にした。なお「満願の湯」には日本百観音霊場めぐりを終えたあとでも入ったが、当サイトの「アドレス日本巡礼377」をぜひともご覧ください。

 第9湯目は今晩の宿、金山温泉「かんぽの宿 寄居」の湯。到着は22時。遅い到着をわびると、すぐさま6階の展望大浴場へ。湯につかりながら荒川の谷間の夜景を眺めた。湯から上がると、カソリ&クワハラ、カンビールで乾杯。そのあと国道沿いのコンビニで買った弁当を食べた。温泉宿で食べる「コンビニ弁当」というのも悪くはない。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 百穴温泉「春奈」
朝食 百穴温泉「春奈」 ご飯、納豆、目玉焼き、
煮物、かまぼこ、漬物、味噌汁
9時 宿を出発
吉見の百穴(300円)
四季の湯温泉(入浴料が2000円なのパス)
長瀞の岩畳
和銅遺跡
7湯目 和銅温泉「和銅鉱泉旅館」(840円)
昼食 和銅温泉近くのラーメン店「ザ・ラーメン」 「醤油ラーメン」(530円)
秩父一番札所「四萬部寺」
8湯目 不動の湯温泉「不動の湯」(700円)
9湯目 柴原温泉「柳屋旅館」(700円)
雁坂峠(峠返し)
10湯目 大滝温泉「遊湯館」(600円)
11湯目 両神温泉「薬師の湯」(600円)
12湯目 白久温泉「谷津川館」(1000円)
13湯目 武甲温泉「武甲温泉」(500円)
14湯目 秩父温泉「満願の湯」(500円)
22時 金山温泉「かんぽの宿 寄居」(1泊朝食6450円)に到着
15湯目 金山温泉「かんぽの宿 寄居」
夕食 コンビニ弁当
本日の走行距離数 219キロ
本日の温泉入浴数 9湯

百穴温泉の温泉旅館「春奈」の朝湯に入る百穴温泉の温泉旅館「春奈」の朝食を食べる百穴温泉の温泉旅館「春奈」を出発!

百穴温泉の温泉旅館「春奈」の朝湯に入る 百穴温泉の温泉旅館「春奈」の朝食を食べる 百穴温泉の温泉旅館「春奈」を出発!

吉見の百穴四季の湯温泉はパス荒川の名所、長瀞の岩畳

吉見の百穴 四季の湯温泉はパス 荒川の名所、長瀞の岩畳

和銅遺跡の石碑本日第1湯目の和銅温泉「和銅鉱泉旅館」の湯和銅温泉近くのラーメン店「ザ・ラーメン」で「醤油ラーメン」を食べる

和銅遺跡の石碑 本日第1湯目の和銅温泉「和銅鉱泉旅館」の湯 和銅温泉近くのラーメン店「ザ・ラーメン」で「醤油ラーメン」を食べる

秩父一番札所の「四萬部寺」第2湯目の不動の湯温泉「不動の湯」に入る第3湯目の柴原温泉「柳屋旅館」の湯に入る

秩父一番札所の「四萬部寺」 第2湯目の不動の湯温泉「不動の湯」に入る 第3湯目の柴原温泉「柳屋旅館」の湯に入る

雁坂峠のトンネル入り口で「峠返し」第5湯目の両神温泉「薬師の湯」第6湯目の白久温泉「谷津川旅館」の湯に入る

雁坂峠のトンネル入り口で「峠返し」 第5湯目の両神温泉「薬師の湯」 第6湯目の白久温泉「谷津川旅館」の湯に入る

第6湯目の白久温泉「谷津川館」第7湯目の武甲温泉「武甲温泉」超速攻で入った第8湯目の秩父温泉「満願の湯」

第6湯目の白久温泉「谷津川館」 第7湯目の武甲温泉「武甲温泉」 超速攻で入った第8湯目の秩父温泉「満願の湯」

第9湯目は宿湯。金山温泉「かんぽの宿 寄居」の湯に入る夕食のコンビニ弁当

第9湯目は宿湯。金山温泉「かんぽの宿 寄居」の湯に入る 夕食のコンビニ弁当  

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