カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

奥州街道を行く! [1]

投稿日:2017年4月17日

東京再発見

2009年10月10日

 カソリの「60代編日本一周」の第2部(2009年)では「四国八十八ヵ所めぐり」を皮切りに、「日本百観音霊場めぐり」、「奥の細道紀行」、「東北四端紀行」とつづいたが、第5弾目は「奥州街道を行く!」になる。

 2009年10月10日の早朝、東京・日本橋を出発。相棒はスズキのDR−Z400Sだ。日本橋から青森に通じる奥州街道は、宇都宮までは日光街道との重複区間になる。奥州街道も日光街道も「江戸五街道」だが、日光街道は徳川家康をまつる日光東照宮参拝の街道、奥州街道は東北の玄関口の白河までが「江戸五街道」になる。だが奥州街道はその先、青森までが長い。

 奥州街道の最初の宿場は千住宿。そこまでの旧街道はちょっとした驚きの連続。まさに東京再発見の旅になるからだ。奥州街道というと国道4号のイメージが強いが、日本橋を出ると国道4号と分かれ、国道6号の水戸街道を行く。小伝馬町、馬喰町と通り、神田川にかかる浅草橋を渡る。ここには江戸時代、江戸防御の浅草橋門があり、浅草見附(番所)があった。橋のたもとには「浅草見附」の石碑が立っている。

青森を目指して早朝の東京・日本橋を出発!浅草橋から見る神田川浅草橋の袂にある「浅草見附」の石碑

▲青森を目指して早朝の東京・日本橋を出発! ▲浅草橋から見る神田川 ▲浅草橋の袂にある「浅草見附」の石碑

 浅草橋から東武鉄道のターミナル駅、浅草駅へ。浅草に来たからにはと、早朝の浅草寺を参拝。ここは坂東三十三ヵ所第13番札所の浅草観音。浅草観音は東京23区内では唯一の坂東三十三ヵ所の札所になっている。

 奥州街道は言問橋の西詰で国道6号と分れ、吉野通りで南千住へ。その途中では、浅草の東禅寺にある「江戸六地蔵」を見ていく。この「江戸六地蔵」というのは「江戸五街道」の入口を護るかのようにして、東海道は品川宿の品川寺に、中山道は巣鴨の真性寺に、甲州街道は内藤新宿の太宗寺にまつられている。江戸時代には「江戸六地蔵めぐり」が流行ったという。

 南千住の駅前まで来ると、回向院に寄っていく。ここは小塚原の刑場跡。義賊といわれた鼠小僧や稀代の毒婦といわれた高橋お伝の墓がある。小塚原といえば東海道の鈴ヶ森と並ぶ江戸の二大刑場だが、橋本左内や吉田松陰の墓もある。そこに立つ案内板には次のように書かれている。

小塚原の刑場は寛文7年(1667年)以前に浅草聖天町の辺りから移転したといわれています。間口60間(約108m)、奥行30間余り(約54m)、約1800坪の敷地でした。日光道中に面していましたが、周囲は草むらだったといわれ、浅草山谷町と千住宿の間の町並みが途切れている場所に位置していました。小塚原の刑場では火罪・磔・獄門などの刑罰が執り行われただけでなく、刑死者や行倒れ人等の無縁の死者の埋葬も行われました。時に刑死者の遺体を用いて行われた刀の試し切りや腑分け(解剖)も実施されました。そして回向院下屋敷(現回向院)はこれらの供養を担ってきました。明治前期には、江戸時代以来の刑場としての機能は漸次廃止、停止され、回向院は顕彰、記念の地になっていきました。橋本左内や吉田松陰といった幕末の志士の墓は顕彰の対象になりました。また「観臓記念碑」は杉田玄白や前野良沢らが、ここで腑分けを見学したことをきっかけにして「ターヘルアナトミア」の翻訳に着手し、「解体新書」を出版したことを顕彰するために建てられたものです。回向院境内にはこうした数多くの文化財が残っており、刑場の歴史を今に伝えています。

 回向院を後にし、国道4号に合流すると、素盞雄神社を参拝する。境内には大銀杏。「子育銀杏」といわれ、イチョウの大木には子育ての願いを込めた絵馬が多数、かけられている。その右手奥には「行く春や 鳥啼き 魚の目は涙」の芭蕉句碑がある。句碑には線画で芭蕉像が描かれている。素盞雄神社の参拝を終えると、千住大橋を渡って南千住から北千住に入っていく。奥州街道の千住宿は北千住側にある。

浅草の東禅寺にある「江戸六地蔵」南千住駅前の小塚原回向院小塚原回向院の小塚原刑場跡

▲浅草の東禅寺にある「江戸六地蔵」 ▲南千住駅前の小塚原回向院 ▲小塚原回向院の小塚原刑場跡

素盞雄神社の「子育銀杏」素盞雄神社の拝殿素盞雄神社の芭蕉句碑

▲素盞雄神社の「子育銀杏」 ▲素盞雄神社の拝殿 ▲素盞雄神社の芭蕉句碑

隅田川にかかる千住大橋

▲隅田川にかかる千住大橋    

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