カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

環日本海ツーリング[142]番外編

投稿日:2012年8月5日

韓国往復縦断2005(11)

韓国一の名峰、雪岳山の峰々が見える

 翌日は夜明けとともに起き、海岸線を歩く。
 きれいな朝日が日本海の水平線に昇る。町並みの向こうには韓国一の名峰、雪岳山の峰々が見える。なつかしの雪岳山!

束草の日本海に昇る朝日


 束草は雪岳山の玄関口になっている。
 雪岳山は太白山脈の主峰で、標高1708メートルの青峰山が最高峰。北の弥矢嶺と南の寒渓嶺を結ぶ稜線の東側が外雪岳、西側が内雪岳と呼ばれている。金剛山と並ぶ昔からの朝鮮半島の霊峰で、山中には神興寺や百潭寺などの古刹がある。
 束草からバスで終点の雪岳山国立公園入口まで行き、全長1100メートルのロープウェイで権金城の山上駅へ、そこから徒歩10分ほどの権金城の岩峰の頂上に立つというのが最もポピュラーな探訪コースになっている。
 1973年に来たときは雪岳山の岩峰のひとつ、蔚山岩に登った。
 梯子や鎖を使うけっこうきつい登りだったが、苦労して登ったかいがあり、山頂からの眺望はすばらしいものだった。見渡すかぎりの大展望は、今だに目に焼きついて離れない。足下に束草の町並を見下ろし、その向こうには日本海がはてしなく広がっていた。目を北に向けると、金剛山へとつづく山並みを一望し、はるかかなたには町並みが見えた。

日本海の海岸線を走る国道5号
束草の町並みの向こうに雪岳山の峰々を見る


 一緒に登った仁川から来たという大学生の5人組は、
「あれは北朝鮮の高城だ!」
 と、口々にいっていた。
 韓国の山の表情はあの頃とはずいぶんと変わっている。1973年当時は、やたらとはげ山が目立った。この30年余、韓国では植林に力を入れてきたが、その成果がはっきりと出ている。山々には樹木が茂り、かつてのはげ山も今では青々としている。
「シップホテル」に戻ると、前日と同じ食堂で朝食にする。前日と同じメニューに焼き魚がついた。

束草の朝食
干しダラ入りのスープ


焼き魚


 束草を出発。海沿いの国道7号を南下。襄陽に向かっていく途中では国道の右手に連なる雪岳山の山々を眺めながらDR-Z400Sを走らせた。1973年の蔚山岩の山頂から眺めたシーンが、DRに乗りながら鮮やかに蘇ってくる。
「またいつの日か、束草に来よう!」
 そのときは雪岳山の最高峰の大青峰に登るのだ。

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