カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

環日本海ツーリング[136]番外編

投稿日:2012年7月30日

韓国往復縦断2005(5)

韓国現代史の舞台を目の当たりにする

 国道7号を北上し、東海岸を行く。
 海岸線には途切れることなく鉄条網のフェンスが張られている。ところどころには監視所があり、銃を構えた兵士が監視していた。
 国道7号には突然、滑走路に変わる区間もあった。
 三陟、東海と通り、江陵と通り過ぎた海岸には北朝鮮の潜水艦が展示されている。
 1996年9月18日、この地で座礁した北朝鮮の潜水艦だ。
 武装スパイや乗組員ら39名が上陸したとみられ、11月7日に大規模な捜索を終了するまで、北朝鮮人民軍上尉1人を逮捕、その他は全員が射殺、または死体で発見された。韓国軍に射殺されたり、仲間内での射殺だという。韓国側も反撃を受けたり、誤射などで兵士、民間人合わせて16人が犠牲になった。
 北朝鮮は9月22日に「訓練中に機関故障で漂流」と発表して以降、潜水艦と乗務員、遺体の無条件返還を求め、報復を示唆する声明なども出して南北関係は険悪化した。
 この地は韓国現代史の舞台なのだ。
 ほぼそっくりそのまま残った北朝鮮の潜水艦は見学できる。艦内には日本製の機器も使われているという。はたしてどの程度のレベルの潜水艦なのか。
 そのあとは朝鮮戦争の資料館を見学した。

東海岸を行く
北朝鮮の潜水艦


潜水艦の内部
潜水艦の内部


朝鮮戦争の資料館


 江陵から襄陽に向かっていく途中の大明で、38度線を通過。そこには「北緯38度線碑」が建っている。「大明38度線休憩所」の「38度線レストラン」で「38度線の日本海」を見ながらコーヒーを飲んだ。
 38度線というと朝鮮半島の軍事境界線だが、西海岸の板門店あたりでは38度でも、東海岸では38度30分あたりが軍事境界線になっている。まあ、それはおいて「38度線越え」はハラハラドキドキするものだ。
 第2次大戦後、ベトナムの北緯17度線、ベルリンの壁、朝鮮半島の38度線と、戦争の遺物のような境界線が残ったが、最後まで残り、いつ解決するのかわからないのが朝鮮半島の38度線だ。朝鮮民族の悲劇を象徴している。その責任の一端は日本にもある。

大明の北緯38度線のモニュメント


北緯38度線の日本海
鉄条網の金網が張りめぐらされた海岸線


 38度線を越え、襄陽の町を通り過ぎ、釜山から450キロの束草に到着。海辺の「シップホテル」に泊まった。
 夕食は海鮮料理店で。
 ワカメスープ、アサリスープ、煮魚、刺身の盛合わと海鮮三昧の食事。最後はチゲ鍋だ。食後はメンバーのみなさんと漁港近くの露店を歩き、イカやエビのフライを肴に焼酎を飲んだ。
「うま〜い!」

束草の夕食
刺身の盛合わせ。上にホヤがのっている



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