カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

環日本海ツーリング[109]

投稿日:2012年7月3日

シベリア鉄道の起点、ウラジオストクに滑り込む

 ウラジオストク港に到着したのは14時。ギリギリ「セーフ!」といったところだ。
 我々はウラジオストック港に入り、韓国の東海から日本の境港まで行く韓国のフェリー「イースタンドリーム号」の停泊する岸壁前でバイクを停めた。ウラジオストクの道路工事区間で泥まみれになっていたが、洗い流さなくてもいいという。助かった!
 バイクの手続きも乗船手続きも、すべて「道祖神」の菊地さんとガイドの東さんがやってくれるので、我々はウラジオストク港で解放された。船の手続きがおおいに心配だったので、ほっとした気分だ。
 ウラジオストク港からシベリア鉄道のウラジオストク駅へ。
 港と駅は隣接していて道を1本、渡るとウラジオストク駅。何とも心ひかれるウラジオストク駅だ。
 長いプラットホームには20両編成のソビエツカヤ・ガバニ行きの列車が停車していた。この列車はシベリア鉄道でハバロフスクまで行き、支線でコムソモリスク・ナ・アムールへ。そこからバム鉄道でシホテアリニ山脈を越え、かの我々の上陸地点のワニノを通り、終点のソビエツカヤ・ガバニまで行く。列車に乗り込む人たちの姿を見ていると、思わず飛び乗りたくなるような衝動にかられた。
 ウラジオストク駅のホームには第2次大戦中に活躍した蒸気機関車が展示されている。その先にはキロポスト。モスクワまでのキロ数の「9288」が表示されている。
 20両編成のソビエツカヤ・ガバニ行きが発車。列車がウラジオストク駅のホームを離れ、見えなくなったところで古典的なウラジオストク駅の駅舎を歩いた。この駅舎は19世紀後半に造られた純ロシア様式で異国情緒を漂わせている。
 こうしてウラジオストク駅を歩いていると、1977年に列車でシベリアを横断したときのことが思い出される。ロシア船「バイカル号」で横浜港からナホトカ港に渡り、シベリア鉄道の支線から本線へ、そしてハバロフスク、イルクーツク、ノボシビルスクを通ってウラル山脈を越え、モスクワまで行った。
 その当時、ウラジオストクは軍港ということで、外国人の立入は一切禁止されていた。
 立ち入ることのできないウラジオストクということもあって、よけいに憧れはふくらみ、何としてもシベリア鉄道の終点駅であり、起点駅でもあるウラジオストク駅を見たいと思ったものだ。
 それから20何年後かの2002年の「ユーラシア横断」で、ついにその憧れを実現させたのだ。

ウラジオストク港に停泊中の「イースタンドリーム号」
ウラジオストク駅に停車中のソビエツカヤ・ガバニ行きの列車


跨線橋から見下ろすウラジオストク駅
ウラジオストク駅に展示されている蒸気機関車


ウラジオストク駅のホームに立つキロポスト
モスクワから9288キロ


ソビエツカヤ・ガバニ行き、発車!
純ロシア様式のウラジオストク駅


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