カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

環日本海ツーリング[23]

投稿日:2012年3月6日

豪快に焼いたジンギスカンをは囲んでおおいに語る

 札幌では札幌駅北口の「東横イン」に泊まった。うれしいことにカブタン夫妻がロビーで待ってくれていた。
「ジンギスカンを食べよう!」
 ということになり、「ヤマダモンゴル」という店に行く。
 まずは再会を祝してビールで乾杯。そのあと兜風ジンギスカン鍋で豪快に焼いたジンギスカンを食べながらおおいに飲み、おおいに語った。

カブタン夫妻とジンギスカンをたら腹食べた


ジンギスカン鍋でのジンギスカン
札幌のジンギスカン専門店「ヤマダモンゴル」


 カブタン夫妻と初めて出会ったのは「300日3000湯」(2006年?2007年)。そのときのシーンが懐かしく思い出された。

 函館に上陸し、この日の第10湯目は鹿部温泉。共同浴場「亀の湯」に入る。ここの湯はきわめつけの熱さ。源泉は91.3度という超高温湯。その湯がそのまんま湯船に流れ込んでいる。水をガンガン入れても、そう簡単には入れない。熱湯との大格闘の末、やっとチャッポンと入るのに成功。ほんのわずかなチャッポンだったが、それでも全身が腫れあがるほど真っ赤になった。これが不思議なのだが、歯をくいしばって湯につかり、湯から上がったときは最高の気持ち良さ。熱湯特有とでもいおうか、体全体はヒリヒリするのだが、何ともいえないシャッキリ感が肌に残る。
「亀の湯」を出ると、玄関の前にはクーラーボックスの上に座っている女性がいた。何してるんだろうと不思議に思ったが、何とぼくが出てくるのを待っている人だった。それが「カブタン」との出会い。「カブタン」いわく、「今日は命を張ってカソリさんの捕獲に来たんです」。ご主人と2人、旭川から四駆を飛ばしてやってきた。
 そのあとすごいドラマが待っていた。
 鹿部温泉には100度近い熱湯が吹き上げる間歇泉があるが、そこの駐車場に2人の車が停まっていた。そこで、「カブタン」が用意したバースデーケーキをいただいたのだ。「カソリさん、おめでとう!」といわれてちょっと照れるカソリ。北海道ではみなさんが知っているという「わかさいも本舗」のケーキで、上にのったチョコレートには「カソリさん 祝 60才 ♪」とある。60歳分のローソクの火をフーッと吹き消したあと、遠慮なくいただいた。ケーキも生クリームもイチゴもすべて美味。この日(2007年9月1日)は、カソリの60歳の誕生日。ついに「還暦」を迎えたのだ。

カブタン夫妻からプレゼントされたバースデーケーキ(2007年9月1日)

 ぼくはこの日がすごくいやだった。自分が60の大台にのるなんて、信じられなかったし、信じたくなかった。ところがこうして「カブタン」夫妻に60の誕生日を祝ってもらったおかげで、「よーし、やってたろうじゃないか」と、前向きな気持ちになれた。
 還暦といったら、また暦の戻ること。ぼくはバイクでアフリカに飛び出していった20歳のときに戻ろう、あのときのあの気持ちでもう一度、日本を世界をまわろうという気になったのだ。これというのもすべて「カブタン夫妻」のおかげ!

300日3000湯めぐり日本一周 下巻』昭文社刊より

「300日3000湯」を皮切りに、その後の「60代編日本一周」(2008年)では苫小牧で、「北海道遺産めぐり」(2009年)では石北峠で、「林道日本一周」(2010年)では旭川で、「鈍行乗り継ぎ」(2010年)では小樽でと、「カブタン夫妻」に出会っている。
 我が北海道旅にはもう絶対に欠かせない「カブタン夫妻」なのだが、
「(次回も)会いましょう!」
 と2人に別れを告げ、札幌駅前の「東横イン」に戻った。

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